山芋と長芋、栄養や違いを知っておいしく食す

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山芋と長芋、栄養や違いを知っておいしく食す

粘りのある独特の食感をもつ山芋と長芋。サラダやとろろご飯など、生でも食べることが多いのも特徴ですが、この山芋と長芋、同じ使い方をしていませんか?栄養や食感の違いと、おすすめの食べ方をご紹介します。

同じ「ヤマノイモ科」の仲間

実は、「山芋」という品種はありません。山芋は「ヤマノイモ科」に属する芋類の総称で、長芋もこのヤマノイモ科に含まれます。スーパーでは、いちょう芋やつくね芋といった品種が「山芋(大和芋)」として売られています。

山芋も長芋も、栄養価に大きな違いはありません。どちらも体内の水分バランスを整えるカリウムや、胃粘膜を守るぬめり成分を含んでいます。特徴的なのは、粘りの強さと味わい。山芋は粘りが強く甘みがあるのに対し、長芋は水分が多く、粘り気は少なめで淡白な味わいです。

芋なのに生で食べられるのはなぜ?

すりおろして「とろろ」にする料理が代表的ですが、山芋や長芋は、生で食べられる世界でも珍しい芋。消化酵素であるジアスターゼを含んでいて、でんぷんの一部が分解されるため、生で食べても胃にもたれないのです。

芋なのに生で食べられるのはなぜ?

生で食べる場合、山芋は粘りのある食感を生かすために、すりおろして使うのがおすすめ。山かけや、だしを加えたとろろ汁にぴったりです。長芋は水分が多いので、すりおろすのはもちろん、切ってサラダや和えものに入れると、サクサクとした食感がアクセントになります。
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皮をむいたらアク抜きを!

皮をむくと酸化して変色してしまうので、すぐに酢水にさらしてアクを抜きましょう。10分程度が目安です。

加熱するとふわふわ、ホクホクに!

生でもおいしいのはもちろんですが、加熱すると大きな変化が。山芋・長芋は、主成分であるでんぷんに熱が加わると食感が変わって、味わいがさらに豊かになるのです!

加熱するとふわふわ、ホクホクに!

長芋は火の入れ方によってサクサクからコリコリ、ホクホクと、食感が変わっていき、旨味もプラスされます。輪切りにしてソテーや炒め煮にするほか、ステーキなどの焼き料理に。山芋は、すりおろしたものを加熱すると、とろみのある食感がふわふわ、モチモチに変わり、風味もアップ。グラタンや落とし揚げにすれば、やわらかな食感が主役のおかずになります。ボリュームが増すので、お好み焼きのつなぎとしても活躍します。

切り方や加熱方法によって味わいが変わる山芋・長芋。特徴を覚えてしまえば、料理のアレンジがぐっと広がります。お好みの食べ方をぜひ見つけてくださいね。

最終更新:2018.07.02

記事初出時、粘り成分の総称として「ムチン」について記述しておりましたが、「ムチン型糖タンパク質」との誤解が生じかねないものであったため、削除いたしました。
 

文:KWC
写真:小林友美
監修:カゴメ
参考文献: 『新・野菜の便利帳』板木利隆監修(高橋書店)
『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』白鳥早奈英・板木利隆監修(高橋書店)
『内田悟のやさい塾 秋冬』内田悟著(メディアファクトリー)
旬の野菜の栄養事典』吉田企世子監修(エクスナレッジ)/全229種の野菜の糖質量を完全網羅。身近な野菜の栄養がすぐに分かる!15年ぶりの大幅改訂となる「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」対応。
出典:「ヤマイモ粘質物の性状と構造の解析
日本食品保蔵科学会誌 29巻4号 p.229-236
AgriKnowledge(農林水産研究情報総合センター)

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