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リーダーは仕事を“断捨離”し、「本丸」を成し遂げよーーワークライフバランスの先駆者・佐々木常夫さんが語る「働き方改革」

「働き方改革」のもとでクローズアップされる労働時間短縮や生産性向上。それらをいち早く実現してきた元東レ取締役・佐々木常夫さんへのインタビュー。今回は後編(前編はこちら)。

働き方を見直す意義や原動力にさかのぼって解説いただいた前編に続き、今回は効率的な働き方を実現するために欠かせない「リーダーシップ」のあり方に注目。佐々木さんの実体験と見解をうかがった。f:id:k_kushida:20170328112107j:plain

佐々木 常夫(ささき つねお)

1944年秋田市生まれ。69年に東京大学経済学部を卒業後、東レ株式会社に入社。家庭で自閉症の長男、肝臓病・うつ病を患った妻らを支えるかたわら、職場では徹底した業務効率化で数々の実績を挙げ、01年に事務系の同期で最初の取締役となる。03年、東レ経営研究所社長に就任し、のちに特別顧問。経団連理事、内閣府の男女共同参画会議議員など公職も歴任している。

現在、株式会社佐々木常夫マネージメント・リサーチ代表。「働く君に贈る25の言葉」「そうか、君は課長になったのか。」「ビジネスマンが家族を守るとき」など著書多数。

部下ができることをやる上司は“ほぼ犯罪者”

―より効率的に仕事を進めていく上で、リーダーや管理職がまず心がけるべきことは何でしょうか。

僕はよく「プレイングマネージャーになるな」って言っています。管理職になったなら、それまでとは違う動き方を、自分で考えださなきゃいけないんですよ。

会社組織は階層別に役職があって、それぞれ違う仕事をすることになっています。管理職っていうのは基本的に、部下に仕事を任せて「どうやらせるのがよいか」とか「どう成長させるか」とかを考えなきゃいけない。それがミッションなんです。なのにね、課長でありながら・部長でありながら、一担当者みたいな仕事をする人がけっこういるんです。それは、やっちゃいけないことなんです。

―プレイングマネージャーになるのはダメですか。

もちろん管理職だって、現場の業務をせざるを得ない場面はあるんですよ。部下の力だけではできないことがどうしてもあるから、それを代わりにするのは仕方がない。問題は、部下ができることまでやっている管理職です。私に言わせると、ほぼ犯罪ですよ、それは。部下の成長機会を奪っているし、役職分上積みされた給料に見合う仕事をしなきゃいけないんです。

自分が得意で、こだわりのあった仕事を任せるときほど注意しないといけません。私が部長だったときの話ですが、前の席に座っている課長がね、担当している事業の売上とか利益の推移表を作っているのが見えた。だから言ったんです。「入社1年目の子ができる仕事じゃないか。課長がやるのは給料泥棒だよ」って。彼はもぞもぞ弁解していたけど、その仕事が好きだったんです。そういう表は当時手書きで、字がうまかった課長としては、汚い字を書く部下にやらせるのがイヤだったんです(笑)。

任せたときに自分が思うようなクオリティーにならないから、自分がやった方が早いからと、本来部下にさせるべき仕事をついやっていないか。自然に仕事を任せられるようになるまでは、意識的にぐっと我慢する必要もあるでしょうね。

リスクを取り、やり方を変えてこそ管理職

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―得意な仕事・自分だけの仕事があるおかげで会社での“居場所”を確保できることもあります。昇進でそれを失い、次に何をやるべきかがよく分からなければ、不安も生じると思います。

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