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無限の可能性を秘めたコクとうま味! 世界が認める「白醤油」の極醸グルメ【愛知・碧南市】

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本格和食に欠かせない白醤油

愛知県知多半島の付け根の東側に位置する碧南市。古くから醸造業が盛んで、江戸時代、三河地方で栄えた港から酒やみりん、味噌、醤油などの醸造商品が全国に運ばれていたという。今でも多くの蔵元が集まる醸造王国である。

とくに「白醤油」作りが有名で、約200年前に碧南市で発祥したといわれる。

えっ!? 「白醤油」を知らないって?

「白醤油」とは小麦を原料とする琥珀(こはく)色の醤油。素材の色をそのまま残し、やさしい味わいに仕上がるので、和食には欠かせない調味料として椀物や炊き合わせなどに多用されている。

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こちらが白醤油。確かにいわゆる醤油よりもかなり色が薄い。

また、「白醤油」をベースにダシや調味料と合わせた「白だし」は一般家庭でも広く使われているから分かる方も多いはずだ。

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「白醤油」の醸造業者は全国で10社弱。そのうち3社が碧南市にある。

ヤマシン醸造株式会社は、江戸後期の1802年創業の老舗中の老舗だ。「白醤油」の専門メーカーとして伝統的な製法を今も守り、地元はもちろん全国に出荷している。

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ヤマシン醸造株式会社の9代目、岡島晋一社長は語る。

当社はもともと醤油や味噌、みりんを作っていましたが、「白醤油」の生産は明治時代からはじまったといわれます。醤油は味噌を作る過程でできる上澄み液になりますが、三河地方で味噌といえば八丁味噌に代表される豆味噌です。豆味噌の産地でありながら、なぜ小麦を原料とする「白醤油」を作るようになったのかはわかっていません。昔は醸造業者も多かったので、他社と差別化するために「白醤油」を作ったのではないかと思います。(岡島社長)

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※写真はイメージです

ヤマシン醸造株式会社の「白醤油」は、東京や京都の高級料亭でも使われているほど和食の世界では有名だ。地元においては「かけ」以外の、天ぷらや卵とじなど具材をのせたきしめんのつゆに用いられている。

以前、『メシ通』の記事でもきしめんのダシはムロアジがベースであることを紹介したことがあると思う。野趣あふれる味わいのムロアジと「白醤油」を合わせると、驚くほど上品な口当たりになるのだ。

薄口醤油やたまり醤油のように、食材に色が付きませんから存在感が薄いんです(笑)。「白醤油」そのものは芳醇な香りと上品な甘みが特徴ですが、合わせるものによって味がどんどん変わります。例えば、ダシに「白醤油」を合わせると、塩では出せないコクと香りが増し、食材のうま味も引き出します。このように、ダシと食材をくっつけて調和をはかる、いわば“コネクタ”的な役割を担っていると思っています。(岡島社長)

4年前、和食がユネスコ無形文化遺産に登録され「うま味」の基となる和風ダシが世界的に注目を集めた。しかし、「白醤油」もまたうま味を支える重要な調味料なのだ。世界的な和食ブームもあって、岡島社長は海外にも頻繁に出かけて「白醤油」をPRしている。

ニューヨークやロスでは日本のラーメンが大ブームなんです。現地ではスープに使っていただいているお店が多いですね。外国人は醤油特有の豆臭さが苦手のようですが、「白醤油」は臭みは少ないですから使いやすいんでしょう。今後は“ゴールドカラーの調味料”として現地のフレンチやイタリアンにも使ってもらえるように積極的にPRしていきます。(岡島社長)

「白醤油」は和風ダシに限らず、洋食や中華に用いられる動物系のダシにもよく合う。そこに無限の可能性が秘めていると思う。

「白醤油」が世界の料理界を席巻する日はマジで近いかも!?

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取材協力:ヤマシン醸造株式会社

「白醤油」の“パスタ風”焼きそば

さて、ここからは醸造王国・碧南市で楽しめる「白醤油」を使ったメニューを紹介しよう。とはいえ、ほとんどの和食店やうどん店は使っていると言っても過言ではない。そこで、ヤマシン醸造株式会社の協力のもと、和食以外のジャンルのお店を選んでみた。

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まずは名鉄三河線碧南中央駅近くにある、お好み焼き店「福本屋」。

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40年ほど前に創業し、現在は3代目の店主、伊藤淳一さんが腕を振るう。

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ここには「白醤油」を使った焼きそばががあるらしい。 ってことで、作っていただいた。

ん!? トマト? まるでパスタのようだが……。

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これが「焼きトマトと季節食材の白やきそば」(880円)。

「白醤油」を使っているので、トマトや白菜、きのこの色が鮮やか。やはり、焼きそばというよりはパスタに見える。

麺は蒸し麺ではなく、地元メーカーのゆで麺を使っているとのこと。

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食べてみて驚いた! しっかりと「白醤油」の風味はそのままに、味にカドがなく、とにかく上品なのである。それが麺の一本一本、具材の一つ一つに染み込んでいるのだ。ソース焼きそばよりもワンランク上の味、といったところだろうか。

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7、8年前に商工会議所から、「白醤油」を使った焼きそばができないかと打診されました。「白醤油」だけだと味にカドが出るので、野菜のうま味をくわえてオリジナルのソースを作ってみたんです。「白醤油」は、ウスターソースよりも食材を引き立たせますね。おっしゃる通り、ワンランク上の焼そばに仕上がりました。(伊藤さん)

この「焼きトマトと季節食材の白やきそば」をはじめ、市内の飲食店12店舗は「白醤油」や白だし、三河本みりん、碧南の特産である玉ネギとニンジンを使った焼そばを「へきなん焼きそば」として市内外にPRしている。

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お店情報

福本屋

住所:愛知県碧南市栄町1-32

電話番号:0566-41-2441

営業時間:11:00~14:00(LO)、17:00~21:00(20:30LO)

定休日:月曜日、第4火曜日

www.hotpepper.jp

※この記事は2016年12月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

マドレーヌ&プリンに大化け!

次に紹介するのは、なんとスイーツ。「白醤油」が合わせる食材を選ばないとはいえ、いくら何でもそれは……。

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「白醤油」を使ったスイーツを出しているのは、名鉄三河線北新川駅の近くにある洋菓子店「アンファンス」。

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お店は’01年に開店。

オーナーシェフの小笠原浩司さんはカスタードクリームを使ったスイーツが得意だったことから、シュークリームが名物だった。

5,6年前、地区の行事でヤマシン醸造の岡島社長と知り合って、話しているうちに「白醤油」を使った商品を作ってみようと思ったんです。しかし、「白醤油」の味そのものを表現すると、塩辛くてスイーツとは呼べないものになってしまいます。「白醤油」をどれくらいの分量で入れるかで悪戦苦闘しました。(小笠原さん)

ある日、「白醤油」にバターを合わせたら、チーズのような風味が出た。これだ! と思った伊藤さんはチーズケーキの要領でマドレーヌを焼いてみた。

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それが「ヤマシン白醤油マドレーヌ」(160円)である。

実際に食べてみると、「白醤油」ならではのコクがあり、バターの風味と見事にマッチしている。

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さらに、伊藤さんは塩プリンの要領でプリン生地とカラメルに「白醤油」をくわえて「ヤマシン白醤油プリン」(350円)も作った。

ノーマルなプリンと食べ比べをさせてもらったのだが「白醤油プリン」の方が断然うまい。スイカやぜんざいに塩をかけるとより甘くなるように、「白醤油」をくわえることでカスタードのコクと風味がアップしているのだ。

また、「白醤油」を使うことでマドレーヌは約1割、プリンは約3割、糖分をカットできるという。

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発売当初は、地元の方の評判は芳しくはありませんでした。日常的に「白醤油」を使っていますから、違和感があったのでしょう。でも、だんだんと評判を呼んで、今や看板商品になっています。ご進物用にと大量に注文してくださるお客さんが増えましたね。(伊藤さん)

和食のみならず、焼そばやスイーツまで、「白醤油」はジャンルを選ばない万能調味料である。碧南市内には「白醤油」を使った料理を出すお店がまだまだ沢山あるので、訪れてみてはいかがだろう?

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お店情報

アンファンス

住所:愛知県碧南市西山町4-51-1

電話番号:0566-43-3397

営業時間:10:00~20:00

定休日:月曜日

www.enfance.jp

※この記事は2016年12月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

書いた人:永谷正樹

永谷正樹

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに写真と記事を提供。最近は「きしめん」の魅力にハマり、ほぼ毎日食べ歩いている。

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