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東京パフォーマンスドール 負傷乗り越え“最大風速で愛を”伝えた奇跡の夜「今日が私たちの新たなスタートライン」

東京パフォーマンスドール 負傷乗り越え“最大風速で愛を”伝えた奇跡の夜「今日が私たちの新たなスタートライン」

 昨年9月「未知の世界へ!」というワードと共に“アイドルの聖地”中野サンプラザでのワンマンライブを発表した東京パフォーマンスドール。あれから約半年、必死に自らを鍛え上げながら、TPDの普及に奔走しながら、全身全霊で駆け抜けてきた9人がいよいよ同所でのワンマンライブを敢行! メンバーにとってもファンにとっても忘れられないであろうアクトを繰り広げた。

東京パフォーマンスドール キュートなライブ写真一覧

<メンバー負傷で離脱「本当に悔しかった。何回も涙がでました」しかし……>

 この公演の直前、メンバーの小林晏夕が左手負傷の為にいくつかの公演を欠席。本人もブログ(http://bit.ly/2o5oWLc)で「TPDの一員として@JAM。名古屋、大阪、ライブに出演できなかったこと。本当に悔しかった。何回も涙がでました」と記していた通り、本人もメンバーもファンも「全員で中野サンプラザのステージに立てるのか?」と不安に想う気持ちがあったことは間違いないだろう。しかし彼女は「私の怪我は完全になおりました。左手はしっかりとちゃんと動きます。明日はとにかくライブを楽しみたいです」と直前に完全復活を宣言! 3月26日、このポジティブなムードに背中を押されるようにTPDは9人揃って中野サンプラザのステージに登場、自分たちを眩く照らす「TPD DREAM CRUSADERS」の文字と共にフラッグを揺らしながら現れ、拳を振り上げ、満員のオーディエンスと共にハンドクラップを激しく鳴らしていく。客席からも色彩豊かなサイリウムで光の海を演出し、おそらくメンバーにとってこれまでで最も美しかったであろう光景と共に同公演はスタートした。

<“アイドル×総合芸術”の融合に対して精力的だったTPDならではの演出>

 その後もティンカーベルのように自由自在に光と戯れるパフォーマンスや、クラフトワークやサカナクションのステージを彷彿させる構成でのパーカッション演奏(ドラム缶まで楽器として使用!)、四角いLEDウィンドウ枠をその手に持って歌い踊るメディアアート、バーを設定したステージで大人の女性のドラマを展開していくミュージカル的アプローチ等、結成当初からプロジェクションマッピングやブロックパフォーマンスを用いたり“アイドル×総合芸術”の融合に対して精力的だったTPDならでは、それでいて過去最大規模の会場に相応しい演出を用いながら、肉体的にも技術的にも表現的にも過去最高級に洗練された9人の歌とダンスをど真ん中に据え、時に放射線状に客席へと飛び込んでいったりもしながら、ノンストップでひたすらに会場の熱量を上昇させていく。これだけでも驚愕するに相応しい公演だったのだが、ライブ中盤でとあることに気付いて更に驚愕する。まだ今宵のTPDはアノ曲もアノ曲もアノ曲もアノ曲も……投下していないじゃないかと。

<無数に存在するブースター=キラーチューンをマシンガンのように連発>

 前述した“アイドル×総合芸術”の融合をイメージさせる演出もTPDのアイデンティティのひとつではあるのだが、全34曲もの長丁場のワンマンライブにおいて何よりもメンバーにとって心強い武器は、1stアルバム『WE ARE TPD』から全50曲収録できる(それをリリースした直後に新曲が飛び出してくる)ほど無数に存在するキラーチューンたち。その選手層の厚さである。ライブでもアルバムでも、もっと言えば映画でもドラマでもアニメでも小説でもマンガでもストーリーがあるものは「いつどこでブースターを使うか」このタイミングひとつで作品が最高なものにも最低なものにもなる訳だが、大概の場合はこのブースター(必殺技という表現でもいいかもしれない)の数は限られている。しかし2017年現在のTPDには、恐ろしい事にこのブースターが無数に存在する。で、2017年3月26日 中野サンプラザでのTPDは、この無数に存在するブースターをマシンガンのように連発。しかもその命中力と破壊力は9人の日々の必死な訓練もあって最高値を記録していく。

 また、その連発していくキラーチューンたちの繋ぎ、切り替えの間も秀逸だった。単体同士である楽曲たちが超攻撃的な組曲のようになって一大絵巻を描き、その息のつく間もないスピーディーかつスリリングなストーリーを生めたことは、この日のライブの大成功に当然ながら大きく貢献している。無論、その息のつく間もないスピーディーかつスリリングなストーリーに喰らいついていける9人……いや、そのストーリーテラーを務められるだけの表現力を持ち合わせる今の9人だからこそ成立する話なのだが、特に再びの「Stay Gold」からの「TIME」「BE BORN –Rearranged ver.-」「東京ハッカーズ・ナイトグルーヴ –Rearranged ver.-」「逆光×礼賛」「SURVIVAL!!」「HEART WAVES」「純愛カオス」の畳み掛けはお見事で、後世に語り継いでいきたいほどのドラマを体感させてもらった。

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