仕事はかどる?コスパは?「キャンピングカーワーク」実践者にメリットを聞いた

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テレワーク(在宅勤務)が広く浸透しつつある昨今、地方移住でもなく在宅ワークでもない新たな選択肢「キャンピングカーワーク」を実践しているBizer株式会社代表・畠山友一さん。

日中は仕事の合間にサーフィン、冬場は家族と毎週のようにスキー旅行と、そのワーク&ライフスタイルの伸びやかさに注目しました。

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畠山 友一(はたけやま ゆういち)

2001年に株式会社富士通アドバンストエンジニアリング入社。2004年に株式会社リクルート(現:株式会社リクルートホールディングス)のFNXディビジョン(現在:株式会社ネクスウェイに分社化)に転職し、中小企業の業務効率化やマーケティング支援の業務に従事。2011年にグリー株式会社に入社。グリーアドバタイジング株式会社の代表取締役を経て、2013年株式会社ビズグラウンド(現:Bizer株式会社)を設立して代表取締役に就任。

キャンピングカーは書斎代わり

——畠山さんは「キャンピングカーワーク」をされていると伺いましたが、きっかけは何だったのですか?

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もともと「キャンピングカーで仕事をしたかった」というわけではありませんでした。キャンピングカー購入の理由は、家族と過ごす時間をもっと増やしたかったためです。妻の仕事が多忙ということもあり私が子どもの送り迎えなどをしていていましたし、また個人で起業したばかりの頃だったので、オフィスに勤務する必要もなかったんですよね。

さらにその後集まった社員も偶然パパ・ママの社員が多く、16時になるとお迎えのためみんな帰ってしまう。そこで「オフィスをもつ意味ってなんだろう?」と疑問に感じ、一時期オフィスを持たずにそれぞれが自宅付近のコワーキング・スペースで働き、週に一度だけ集まるという働き方を具体的に検討したことがあったんです。そのときに私はキャンピングカーで働くというスタイルを選びました。

——実際にキャンピングカーワークをされていて、いかがでしょうか?

それが非常に快適なんですよ!唯一の後悔は「もっと早く買えばよかった」ということくらい。書斎代わりに自宅の駐車場に止めたまま利用しています。子どもがいる家庭で、都内で暮らしながら個室を持つのは現実的に厳しい方が多いと思うのですが、キャンピングカーなら毎月の駐車場代でワンルーム増えたようなもの。どこかへ出かけなくても、集中したいときはキャンピングカーで作業をしていますね。

あるいは、例えば日が昇る前に海へ出かけて早朝から車内で仕事をして、昼前にサーフィンをします。すると疲れて昼寝をしてしまうのですが、その後非常に頭がクリアな状態で仕事を再開でき、とても捗るんです。また通勤時間がないという点も、リモートワークの大きな利点だと思います。

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▲車内は完全なプライベート空間。電源などの設備も整えたため、作業するうえで不自由はないそうです。(画像提供:畠山友一)

選び方を工夫すれば、キャンピングカー購入のハードルは低め

——使用しているキャンピングカーについて、もう少し詳しく聞かせてください。 選び方のコツなどはありますか?

いわゆる「典型的」なキャンピングカーを選ぶと街で使用しづらいという難点があり、妻にも反対されたので(苦笑)私はハイエースの内装をフル改造しました。専門の業者に依頼して、窓枠を調整して横幅を広くしたり、壁に断熱材を入れて冬でも車内で眠れるようにしたりと、細かい調整をしました。ガソリンからヒーターを引いたので、家族でスキーに行きそのままスキー場の駐車場に止めても問題なく車内泊できます。

通常キャンピングカーはオーダーメイドだと納車まで半年以上かかるのですが、私はすぐに乗り始めたかったので中古車も検討しました。すると運良く展示車を購入でき、車両価格は400万円ほど、改造もシンプルな仕様であれば100~200万円で抑えることができます。資産として購入したわけではありませんがハイエースは中古でも高値で取引されるため、数年後家族で出かけることが少なくなったら売却も視野に入れていますね。そう考えると、キャンピングカーの購入自体はそうハードルが高いものではないと思います。

週末に家族と出かけるときは行き先を決めず、とりあえず金曜日の夜に道が空いている方角へ行き、そのまま道の駅などに車を止めて、翌日「どこに行こうか?」とその地域から行き先を決めています。キャンピングカーがあると宿をとる必要が無いので、とても身軽ですし、色んな意味でコスパは良いと思いますよ。車には電源もついているので、子どもが寝たあと車内で仕事をすることもあります。

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▲子どもたちと一緒に過ごす時間を増やすために購入したキャンピングカー。気の向くままに、毎週末のように家族でお出かけ。(画像提供:畠山友一)

まずは目の前の課題を解決するために、一番良い働き方を模索

——畠山さんは仕事とプライベートを完全に切り分けず、生活の延長線上として自然に行き来しているように感じました。会社としてはどのような働き方を実践していますか?

先ほど、オフィスを持たない働き方を検討したとお話しましたが、「全員が完全にリモートワーク」は難しいと感じました。ですから現在は11時から16時をコアタイムとして対面で仕事する時間を取りつつ、バランスを大事にしています。16時を回ったら、子どものお迎えがあるメンバーはすぐに帰っていますよ。

これが実践できるのも、知り合い同士が集まった信頼関係がある職場だからこそだと思います。また私の会社は「35歳以上パパ・ママ」を採用条件としているので、平均年齢が高い。つまりみんな築いてきたキャリアがあり、また家庭があるせいか責任感が強いように感じますね。対面で仕事といっても「サボってないか」と監視しているわけではなく、困ったことがないかサポートし合う意味合いが強いです。いまどきSNS見ている=サボっているわけではなく、情報収集や社外とのコンタクトを取っている場合もある。そこを細かく制限したら、優秀な人材は離れていってしまうなと思いますね。

ですから社内ではメンバーを縛るようなことをせず、勤怠管理にも極力工数を割かないようにしています。社員とも家族や友人と連絡を取り合う感覚で、土日や夜中でも関係なくスマホで仕事の話をしていますね。このスタイルが良いかどうかは、人それぞれかもしれませんが……。

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——畠山さんにとって「理想の働き方」とはどのようなものでしょうか?

あまり考えたことは無いですね(笑)理想を掲げるより、まずは人を集めるためにはどうすればいいか、そして仕事のパフォーマンスを向上させ結果を出すにはどうすればいいか、と目の前にある課題から考えています。

例えば、28歳前後でハイスペックなスキルの若手スタッフは欲しいですが、世の中に幾千とあるベンチャー企業から当社を選んでもらうのは、現実問題として難しいですよね。そこで人材を確保のため差別化を図るべく、採用条件を「35際以上の、パパ・ママ」としました。そして「こういう働き方を実践したい」ではなく、会社に集まってくれた人たちに対して「この人達は、どういう働き方なら結果が出しやすいだろう?」と考えるようにしています。みんな仕事だけではなくて家族や生活がありますから、無理をせず仕事を続けられる道を常に探していますね。

キャンピングカーワークにしても、私にとってはカフェや家で仕事をしているスタイルと変わりません。最適な働き方は人それぞれなので全面的におすすめするわけではないですが、私は買ってよかったと思っています。キャンピングカーだと「特別車両」という扱いになって、商業施設の専用駐車場にスムースに入れたり、特別感を味わえますしね(笑)

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<WRITING伊藤七ゑ/PHOTO岩本良介>

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