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「隠れ心不全」を見つけよう・・・心不全が重くなる前に

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「隠れ心不全」を見つけよう・・・心不全が重くなる前に

心不全にも軽症から重症まである

心不全というと、人が亡くなる時の病気だと思っていませんか?
癌が、完全に治ることができる早期癌から、治るのが難しい末期癌まであるように、心不全も軽症から重症まであります。
特に初期の心不全では、患者さん本人も、家族も、主治医の先生も気づかないような「隠れ心不全」という状態が多いのですが、「隠れ心不全」を見過ごすと命にかかわることもあります。
「隠れ心不全」について考えてみましょう。

心不全とは?

2030年には「心不全のパンデミック」状態にはいり、高齢者を中心に爆発的に心不全患者が増加すると言われています。
心不全は日本人の死因の上位を占める怖い病気です。
心筋梗塞や弁膜症によって心不全になると、心臓の血液を全身に送るというポンプ機能が弱り、酸素を運ぶ血液が十分全身に回らなくなり、組織が酸素不足になります。
また、心臓から血液がうまくでないため、血液の渋滞が起こり、心臓と繋がる肺にも血液の渋滞が起こり、酸素交換ができなくなり、ますます酸素不足となります。
そのため、酸素がたくさん必要な運動時に症状が出やすく、階段を上るだけで息が切れたり、動悸がしたりします。
病気が進むと、むくみが生じたり、夜中にトイレの回数が増えたり、夜中に苦しくなり飛び起きるようなことが起こります。

「隠れ心不全」とは?

高血圧や糖尿病がきちんと治療されていないと、それだけで心不全が発症します。
心不全はゆっくり進むので、患者さんも動いたときに息が切れるのを歳のせいだと思ったりします。
ゆっくり安静にしているときは症状が出ないため、病気だと思わず治療をせず、そのうちに心不全はどんどん進んでいき重症になっていきます。
このような、症状の乏しい心不全を「隠れ心不全」といいます。
心不全患者さんは、重症になってしまい入院すると、その後入退院を繰り返すようになります。
早く見つけて治療することが重要です。

「隠れ心不全」を早く見つけるには?

「隠れ心不全」は安静時には症状がでにくいのが特徴です。
坂道を登ったり、階段を上ったりしたとき、息が切れるというのが、一番多い症状です。
息が切れると、動きたくなくなるので、あまり外出をしたくなくなるという症状の方も見えます。
寝ているときに、トイレに行きたくなり、寝始めてから4時間後に尿が出したくなり、その後1-2時間後にトイレに行きたくなるという症状を訴える患者さんもいます。

検査は、胸部レントゲンは有用ですが、必ずしも異常が出るわけではありません。
有用なのはBNPという心臓の負担をみる血液検査で、40pg/ml以上であれば「隠れ心不全」を疑います。

「隠れ心不全」の治療は?

アンジオテンシンIIや交感神経という心不全を悪くする物質を抑えることが重要で、血圧を下げるために開発されたACE阻害薬やARBやβ遮断薬というお薬が使われます。
しかし、もっとも重要なのは、心不全の一番の敵である「塩」をとらないことです。
そして、適度な運動、有酸素運動を行うことです。
心不全の原因となる高血圧や糖尿病の管理も重要です。

定期的な運動に心がけ、同年代の人と比べ階段や坂道を上るのが疲れやすくなったりしたら、早めにかかりつけ医や循環器内科の先生にご相談ください。
「隠れ心不全」を早く見つけた、早く治療を開始できれば怖いことはありません。
放置する方がずっとずっと怖いのが、「隠れ心不全」です。

(大西 勝也/内科医)

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