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Acid Black Cherry、音楽ライター・武市尚子がその10年の歴史を振り返る「2010年編」

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Acid Black Cherry、音楽ライター・武市尚子がその10年の歴史を振り返る「2010年編」

2017年7月18日よりソロデビュー10周年に突入するAcid Black Cherry。音楽ライターの武市尚子氏が、その10年の歴史を1年づつ振り返る連載がスタート。4回目となる今回は、シングル「Re:birth」を発売し、それを引っさげての全国ツアーを行なうなど、ABCが復帰した2010年に迫る。

2010年「Acid Black Cherry 2010 Live “Re:birth”」

yasuは、ツアー「2009 tour “Q.E.D.”」が終了した2週間後に手術をし、治療に専念するために、Acid Black Cherryとしての活動を一時休止した。

そこから約半年、yasuが唄う姿を見ることは出来なかった。

そして。2010年、夏。yasuはシングルを引っさげてファンの前に復帰した。タイトルは「Re:birth」。その歌詞の内容は、yasuの想いが赤裸々に語られたものだった。

「『Re:birth』の歌詞を書いたのも、実はこのツアー中(tour “Q.E.D.”)やったからね」

と、振り返って語るyasu。スタッフもサポートメンバーも含め、いつ中止してもいいという覚悟を持ったツアーの中、yasuは滞在中のホテルでこの「Re:birth」の歌詞を書いていた。

「今のyasuのそのままの気持ちを書けばいいと思う」というスタッフの言葉もあり、その時のありのままの想いを書いたのだ。

「歌詞を書いていた時期の自分の気持ちに嘘が付けなかったというか。その時期、どうしてもポジティブな歌詞が書けなかったんだよね。書こうと思えば書けたと思うんだけど、凹んでるときに、“頑張ろう! 俺、やる! 無理なんてない!”みたいな歌詞書いても、ほんまじゃないなと思ったんで、すごく後ろ向きな内容ではあるんやけど、自分の気持ちに正直に、素直に書いてみたんだよね。そこに嘘がないならいいかなって。ほんまに、この頃は、この歌詞のままの心境やった。「Re:birth」って、生まれ変わるっていう意味なんやけど、ほんまに、そんな心境やったからこそ生まれた歌詞やったし、タイトルやったと思うんだよね」

このシングルをリリースした直後、Acid Black Cherryはライヴツアー「LIVE Re:birth」を開催した。

自身初の横浜アリーナ2公演を含む、3ヶ所4公演で行われた「Acid Black Cherry 2010 Live“Re:birth”」は、“yasuの唄が戻ってきた!”という喜びで客席が包まれ、いつも以上に温かな空間となった。

yasuが透明な声を伸ばした「冬の幻」では、オーディエンスは、身動き一つせず、yasuのその声に聴き入った。あのときの曇りのない唄声を精一杯響かせたyasuと、その唄声に吸い込まれていったオーディエンスが向き合っていた光景は、美し過ぎて今でも忘れることが出来ない。

みんなの“おかえり”の言葉に、素直に“ただいま”というのが照れくさかったと言っていたyasuの言葉もとても印象的に記憶に残っている。

このときの照れくささを“学校を風邪で休んでて、久しぶりに学校に行ったときって、なんか恥ずかしいやん。それにちょっと近い感覚やった”と例えていたところでも、yasuという人間性が深く伝わってきた気がした。

このツアーからHIRO(G)が加わったことで、彼の持ち味である憂いを含んだギタープレイが、ABCの激しいサウンドの中で、奥行きを宿したように感じた。

また、yasuは、このツアーから、自分の中で少し変化が起こったと言った。

「このツアーから、いろいろと意見を細かく言うようになったのは、大きな変化かも。照明とかセットとか、舞台に関することすべてに対して」

それは、昔からyasuが持っている、“ライヴはSHOWにしたくない”という根本的な考えを具現化するための「進化」だったように思う。

また、このツアーは初のアリーナツアーでもあったことから、物理的に距離が遠くなってしまうことを補えるような、みんなが楽しめるツアーにしたいという想いも強く持っていた様にも見えた。

“どんな派手な特効よりも、自分がみんなの近くに行ってあげられることが1番だと思う”

yasuの中にはこの想いが常に1番強くある。

このツアーでも、アンコールでステージから降り、客席を一周するという突飛な行動に出たyasu。

この表現も、yasuの“ただいま”の形だった様に思う。

Writer 武市尚子

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Acid Black Cherry オフィシャルサイト:http://acidblackcherry.net

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