今のままで本当にいいの?“やりたいこと”が見えてくる「目標設定」のコツ

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『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマンです。そんな石川さんに「なりたい自分になるための目標設定」について教えていただきました。f:id:asukodaiary:20170323163211j:plain

今のままで本当にいいの?

「現状に大きな不満はない。だけど今のままで本当にいいのだろうか?」

「変わりたい、成長したい…そう思いながら数年経った」

「今の会社はもう嫌だ、転職したい」「現状から抜け出したい」

こんな悩みやモヤモヤを抱えているのに、

いつまでに、どこで、どうなりたいのか?それすら分からない(ありたい姿がイメージできない)。一体どうしたらいいのだろう。

何かを実現するには「目標」が重要ですが、そもそも「目標なんてない」「目標が分からない」という声もよく聞きます。そんな方へ、今回は「目標設定」のコツをお伝え致します。

そもそも「目標」とは何か?本当に必要?

実は私もそんな悩みを持つひとりでした。大学を卒業して入社した会社は、お世辞にもいい環境とは言えませんでした。怒鳴られ罵声を浴びせられる日々。現状から抜け出したいと思いつつ、いつまでに、どこで、どうなりたいのかをイメージできない。20代の頃は飲み歩き遊びまくりで時間だけが過ぎていきました。

やっと重い腰を上げ「これではいけない」と動き出したのは29歳のときでした。

さてここで質問です。

あなたは「目標」とは何で、達成するためには何が必要だと思いますか?

まずは「自分がどうなりたいか」をイメージしてみましょう。

自分がそうなるためには、何が必要でしょうか?資格を取る、転職する…人それぞれ手段は違いますが、「今の自分」が「なりたい自分」に近づくために必要なのが目標、その目標までの道筋が計画だと私は思うのです。

となると、まずは「今の自分」を知ることが大事なのは言うまでもありません。

いくらいい地図を持っていても、目的地が明確でなければ「自分の現在地」しか分からないし、地図内をさまよい続けるだけです。目的地がはっきりしていれば、そこまでの道順も見えてくる。目的地に着いたら、また次の目的地を見つけてどんどん経験も知識も増えていく。目的地つまり目標を設定することは、一歩を踏み出すために大事なことなのです。

目標設定その1-今の自分を知る(モチベーション曲線)

では、どうすれば自分に合った目標を見つけることができるのでしょうか?

先ほどもお伝えしましたが、まずは今の自分を知ることが重要になってきます。

そう、自己分析です。自己分析には「モチベーション曲線」が有効な手段です。

就職活動でやった人もいるかもしれませんが、社会人になった今、価値観や感じ方も変わっているはず。まずは「今の本当の自分」を洗い出しましょう。

縦軸がモチベーションの高低、横軸が時間の経過、あなたもメモ紙で良いので「モチベーション曲線」を書いてみましょう。

曲線を書いたら、なぜモチベーションが上がったのか、もしくは下がったのか分析してみて下さい。また、なぜ成功したのか、もしくは失敗したのかの分析もしてみて下さい。

この分析から、あなたの得意なこと、苦手なこと、欲求などが分かり、決断、行動するうえでの判断材料になります。

私もモチベーション曲線を描いて「今の本当の自分」を洗い出してみました。

私の場合、30代まで低空飛行でしたが、30代後半から資格を取りスキルアップし始めた辺りからモチベーションが一気に上がっています。

しかし、起業しよう!と一念発起して退職。妻も子どももいるのに…無職で税理士試験に落ち続け不安な日々が続きましたが、意外にもゆるやかな下がり具合。

「方向音痴で営業は無理だから、事務職でいいや」という理由だけで働いていたときの自分とは違い、この頃はちゃんと「目標」があったから。そして税理士に受かった辺りから仕事の量も質も上がり始め、今に至ります。税金からコーチングまで…今も毎日、勉強を続けています。f:id:asukodaiary:20170324151301p:plain

【“石川和男”を分析してみる】

●モチベーションが上がるポイント

新しいことを始めるとき、目標を決めるとき、結果が形になったとき

●モチベーションが下がるポイント

先が見えないとき、計画に失敗したとき

●得意なこと(強み)

妄想力、想像力「友達の○○が部下だったら…」と幼少期から妄想で培ったマネジメント力

●苦手なこと(弱み)

極度の方向音痴なので、外回りの営業などは絶対無理

●就職や退職など「決断」の判断基準

(1)まずは、どんなに小さくてもいいから動き始める

(2)自分がワクワクするか?を自分に問い、するものを選ぶ

(3)自分が苦手なことは得意な人にお任せする

可能であれば、家族や親しい方にも「自分がどう見えているか」を聞いてみましょう。こうして「今の自分」を明確にすることこそが、目標を見つけるための最強の手段になります。

目標設定その2-視野を広げ、軌道修正する(情報収集の3つの方法)

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「今の自分」が分かったらその先にある「自分のありたい姿」を見つけたり軌道修正したりするコツとして情報収集があります。大事なのは、一度自分の価値観を外すこと、乱暴に言うなら「取っぱらってみる」ことです。

(1)視野を広げる! 片っ端ノンジャンルセミナー法

自分の興味のあるものだけでなく、あえて興味のないものにも参加してみましょう。受講することで、新たな発見につながるし、興味が無かったとしても「やっぱり自分には向いてなかった」と、興味があるものを絞っていくプロセスにも役立ちます。

「セミナー受講の間に、仕事をしていた方が良かったか?セミナーを受けて良かったか?」を自分に問い続け、自分に必要な知識を広く身に付けていくのです。

例を出せばキリがありませんが、私が受けたセミナーの一例を紹介します。

「話し方」「ファシリテーション」「戦略的PR」「デザイン」「マインドフルネス」「コピーライティング」「カメラ」「会計」「恋愛心理学」「統計」「投資」「刑事塾」「英会話」…

(2)社外ネットワークを広げる! セミナー懇親会刺激法

セミナー後の懇親会は、会社と家の往復では出会えない人にまとめて出会える最高のチャンスです。ここで知り合った素敵な仲間たちによって、私は多くの目標を実現してきました。出版やセミナー講師への道もそうです。

また今後も、セミナー講師仲間と各出身地を回っての講演活動や勉強法の著書を出している方々との共同執筆なども予定しています。懇親会に参加していなければ、このネットワークは構築できませんでした。

(3)納得できる答えに出会える! 著名人に“無料相談”法

ビジネス書に自己啓発本…やはり本屋は情報の宝庫です。悩みやモヤモヤを著名人や有名コンサルタントに相談するのは無理ですが、松下幸之助氏、本田宗一郎氏…本屋は“完全指名制の無料相談”できる場所ともいえます。

ここでもあえて「興味のない本」にも手を出してみましょう。興味のない高額のコンサルを受けて失敗すると痛い出費ですが、本は仮に失敗しても1500円の出費で済みます。

共感したところ、合わないと感じたところはどこか?など、気になる部分にマーカーで線を引いたり付箋をつけたり。

本は読むのではなく何度も「使いこむ」ことで、自分のクセや価値観が見えてきます。

目標は紙に書く!すると、不思議なことが…

「いつまでに、どこで、どうなりたいか」が見えてきたら、必ず紙に書きましょう。

それこそが目標達成への第一歩だと私は考えています。それから、そこまでの道筋である計画を考えていくのです(計画の立て方はこちらを参照)。

仕事や家庭の状況、自分の気持ち…刻一刻と状況は変わります。

「なりたい自分」が変わってもいいんです。

その都度、軌道修正すれば問題ありません。

ちなみに、私の今の“本当にやりたいこと”は「伝え続けること」。

私のモチベーションの一つに「結果が形になったとき」がありますが、それは自分に対してだけではありません。勉強法や仕事術を人に伝え、それがその人の成功につながったら心底嬉しい。だから、今後も本を出版したりセミナー講師として登壇し続けていきたい。それが私の目標です。

最後に、目標を見つけたとき不思議な現象が起こることを覚えておいて下さい。

例えば、あなたが社会保険労務士を目指そうと思った瞬間から、社会保険労務士事務所の看板がやたら目に入ってきます。

そうなのです。

同じ風景なのに目に入らなかっただけ。興味が無いから気づかなかったのです。新しく車を買い替えた瞬間から同じ車を随分見かけるようになったと感じるように。このことを「カラーバス効果」と言います。

あなたも新たな目標を見つけたときに、その目標に突き進む道が見えてくるのです。

f:id:asukodaiary:20170309141602j:plain【プロフィール】石川和男(いしかわ・かずお)建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。

『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)は16刷中ほか、勉強法、時間術など3冊のビジネス書を出版している。

石川和男 公式サイト http://ishikawa-kazuo.com

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