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バスクリン社はなぜ、「銭湯部」の活動が社内外で評価されたのか?

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こんにちは。銭湯芸人のハブチン(写真中央)です。

今回は株式会社バスクリンに伺いました。同社には「銭湯部」という会社公認の部活動があり、そのユニークな取り組みが2016年度「グッド・アクション」を受賞されたそうです。銭湯部ではどのような活動が行われているのか、他の部活動とは何が違うのかを聞いてきました。

高橋正和氏(写真右):学生起業~ベンチャーでの経験を経て、2012年に株式会社バスクリン入社。ダイレクトマーケティング部に所属。2015年4月に「バスクリン銭湯部」を設立。部長として活動中。

齊藤翔大氏(写真左):株式会社バスクリン 総務部所属。バスクリン銭湯部では「人事」を担当。

バスクリン銭湯部 | 東京銭湯 – TOKYO SENTO –

銭湯で社員交流?部活動は「銭湯巡り」

— バスクリン銭湯部は具体的にどういう活動をしているのですか?

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高橋:まずは「銭湯巡り」ですね。定例活動として、都内を中心に各地の銭湯巡りを実践しています。あとは「銭湯コラム」を発信していて、銭湯やお風呂の魅力を伝えています。そこから派生して「バスクリン銭湯部」と「銭湯」との共同企画や、社外コラボ企画が生まれています。

— それはマーケティング活動の一環なのでしょうか?

高橋:いいえ、あくまで社内のイチ部活動という立てつけですね。

会社公認の野球部やサッカー部らと同じ位置づけですね。銭湯部は文科系部活動として存在しているのですが、会社のアイデンティティを探求する役割と、ベテラン社員から若手までを繋ぐ取り組みが社内外から評価してもらえるようになってきました。銭湯を通じて、バスクリン社らしい社員交流が生まれています。

会社のルーツを知るために銭湯部を設立

— 銭湯部を立ち上げようと思ったきっかけは?

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高橋:私は(株)バスクリンに中途入社したのですが、入社して気づいたのは、社外の方からよく「バスクリンを日頃から愛用しています。お世話になっております!」と言われるんです。そんなバスクリンを育んできたのは誰か、どういう風に愛されてきたのか、会社のことをもっと深く理解するためにルーツを探りたいと思いました。

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齊藤:バスクリンは、当社の前身である「津村順天堂(現株式会社ツムラ)」が明治時代に「中将湯」という婦人薬をつくっていて、その生薬の残りをお風呂にいれたところ、体が温まったり湿疹がよくなったりする効果があったことから、日本初の入浴剤として「浴剤中将湯」が生まれました。

当時は内風呂を持てる家庭が少なく銭湯が主流の時代。「浴剤中将湯」を使った銭湯は、庶民の人気を博したそうです。東京都新宿区の「大星湯」、愛知県名古屋市の「寿湯」など、現在も「中将湯温泉」の看板や暖簾が残っている銭湯も各地にありますよ。

— ルーツは銭湯にあったんですね。

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△ バスクリン銭湯部メンバーのみなさん。(写真提供:バスクリン銭湯部)

高橋:はい。ただ銭湯の数は減ってきているので、このままではルーツが失われてしまう。銭湯文化を残したい。活動を通じて銭湯の活気を取り戻すことにも一役買いたいと思い、20代のメンバー中心に社内の公認部活動として銭湯部を立ち上げました。

齊藤:部署の垣根を越えること、世代間を繋ぎ、社員の相互親睦を深めることもミッションのひとつです。総務部長が銭湯部の「番頭」という役割を担い、役員やベテラン社員にも参加してもらえるよう動いてもらっています。

原点に立ちかえることで社員がつながる

— 実際に銭湯部の活動をしてみていかがでしたか?

高橋:ベテラン社員の方から、業務上の関わりではめったに聞けない会社の昔話や逸話を聞くことをできました。たとえば定番商品である「バスクリン ゆずの香り」は62回も改善を重ねて商品化に至っているんだよとか。

入浴を通じて、普段は聞けない知識・教養を得ることができました。また、ベテラン社員から若手社員への文化の伝承や社内コミュニケーションの促進にもなったと思います。

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△ 色んな話題が生まれるのは、銭湯でのコミュニケーションならでは。(写真提供:バスクリン銭湯部)

— 年代が違うことで情報が分断されがちですが、そこを銭湯が繋いでくれたわけですね。

齊藤:そうですね。銭湯は我々の会社が生まれた原点とも言える銭湯に立ち返ったことで、「やっぱりお風呂っていいよね」という共感が生まれたのんだと思います。湯船のなかで、若い世代とベテラン世代が熱量をもって語りあうことが、自社の魅力や可能性を再認識するきっかけとなり、改めて自身の仕事や会社に誇りを持つ事ができていると感じます。

自社「らしい」部活を

高橋:当社の場合はルーツを探る手法が「銭湯」でしたが、他の企業が同様の取組みをされるのであれば、また手法は変わってくるのだと思います。

例えばコーヒー飲料メーカーなら「純喫茶部」が良いのかもしれません。そうやって歴史ある会社が、ルーツをめぐる部活動を取り入れると、社内親睦としても、ナレッジの共有化としても活性化につながると思うんです。

— 会社の売り上げや社員が大きくなるにつれ、組織や業務も細分化していきます。その中で、失われてしまった組織文化や社会的な使命みたいなものを、部活動という取組みを通じて取り戻しているのですね。

高橋:はい、この活動も当社だからできたというわけではなく、各社それぞれに根ざした活動方法があるとおもいます。ぜひ、いろいろなところでユニークな部活動が生まれ、活性化してほしいですね。

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【羽渕 彰博(ハブチン】

1986年、大阪府生まれ。2008年パソナキャリア入社。転職者のキャリア支援業務、自社の新卒採用業務、新規事業立ち上げに従事し、ファシリテーターとしてIT、テレビ、新聞、音楽、家電、自動車など様々な業界のアイデア創出や人材育成に従事。2016年4月株式会社オムスビ設立。

ハブチン (@habchin3) | Twitter

撮影:鈴木 健介


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