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家族になった保護猫たちへの手紙

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君たちはいいね。

猫だから、の一言ですべてのことが許されてしまうのだから。

新聞を広げると、横からスタスタとやって来て、
どっかりと座り込む。
しっぽがパタパタとして、可愛いんだけどね。
記事が読めないのですが。

パソコンに向かっていると、キーボードの上をワシャワシャと歩きまわる。
謎の文字を大量に打ち込むのはやめてくれないか。

なんで加湿器に飛び乗って電源をオフにするのかね?
そこは踏み台じゃないし。

ティッシュは一枚ずつ使ってくれないか。
トイレットペーパーをエンドレスで引き出すのは楽しいかい?
なんで限りなく大量に引き出すの。

人の足元に、そ〜っといるのもやめてね。
踏んづけてしまうから。

早朝の運動会も、ちょっと時間が早すぎないかい?
モミモミしてくれるのはいいんだけど、
顔はつつかれるし、ゴロゴロも結構うるさいし、
もうちょっと寝かせてくれ。

急に背中に飛び乗るのも、
うれしいんだけど、爪は出さないでくれるかな。
君たちの爪は、尖っていて痛いんだ。
爪切りさせてくれないくせに、爪を立てるのはかんべんしてくれ。

僕のジーンズは、爪とぎではないよ。
革のソファーも僕の鞄も、
バリバリと、よくやってくれるね。
もう諦めたけどね。

ほらほら、この腕を見てくれよ。
傷だらけだよ。みんな君たちがやったんだ。

「みゃ?」じゃねえよ。

*
*

まあ、許すよ、猫だからね。

君たちが、今ののんびりした暮らしを手に入れるまでの長い間、
どれほどの厳しい日々を過ごしてきたか、僕は知っているよ。

日差しの照りつける夏の暑い日も、
雪の降り積もる寒い日も、
いつもの場所でじっと、
ご飯を持って来てくれる人を信じて、
待ち続けていた君たちの姿を知っている。

あの日、突然に現れた、カゴの中に入った日のことを覚えているかい?
びっくりさせてしまっただろうね。

見知らぬ場所に急に連れて行かれて、
何がなんだか分からない不安な一夜を過ごさせてしまってすまないね。

君たちの仲間のほとんどは、元いた場所に戻っていったよ。

本当は君たちのように、
暖かい安全な部屋のなかにずっと置いてあげたかったけど、仕方ないんだ。

元の厳しい環境に戻してしまうことが、
どれほど辛くて、どれだけ心を鬼にしたか、
わかってほしい。

でもそういう、こっちの気も知らずに、
ものすごい勢いで、元気に戻っていったけどね。

正直言って、どっちの方が君たちにとって幸せなのか、僕にはわからないよ。

でもまあ、とにかく、
戻っていった仲間と違って君たちは、
今の場所にたどりついた。

そこはもう、飢えも寒さもないし、危害を加える人間もいない。
ずっと、ずっと安心して暮らせる家なんだよ。

どうぞのんびりと幸せな日々を満喫するといい。

君たちはもう保護猫じゃない、

立派な家族の一員なのだから。

〜ねこたろうより〜

 

著者:ねこたろう

 

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