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VR技術による鉄道会社の災害対策訓練とは?

2016年は、「VR元年」とも言われる年だった。商業的にも注目されて、昨今では”未来の技術”というよりは、もう身近な存在として、定着のムードが漂い始めている。

そんななか、2017年2月、KDDIは「VRによる災害対策訓練ソリューション」をJR西日本へ提供すると発表した。

さて、鉄道の運行における災害対策訓練において、VR技術が一体どんなソリューションを提供できるのだろうか。

運転士が地震や津波をVRで疑似体験

まずはこちらのデモコンテンツを見ていただこう。

パソコンで視聴する際は360°動画として再生可能

こちらのデモコンテンツ、実際に和歌山県を走る紀勢線の串本駅〜新宮駅間約43kmを撮影した実写映像をベースにつくられている。太平洋に突出した紀伊半島のこのゾーンは、南海トラフ地震が発生した際、「発生から5分以内に10mを超える津波に見舞われる」という想定がされているのだ。

JR西日本では、これまでそうした津波発生時の対応を、マニュアルや避難訓練を通じて徹底してきた。それを一層柔軟に、適切に行えるようVRによる疑似災害体験の導入を決めたのだという。

写真手前のヘッドマウントディスプレー(HMD)は、HTC社の「VIVE」という、高性能VRシステムのひとつ。PCのディスプレイに映し出されているのが、今回、HMDで体験できる映像。上の写真、左手前にあるのがコントローラー。VR映像内での表示を切り替えたりするのに使うものだ。

なぜ、災害対策にVRか。KDDIの強みは

KDDIビジネスIoT推進本部 前田さとみ

「もともと、JR西日本様では2Dベースのシュミレーターを活用して津波対策に取り組まれていました。それを刷新するタイミングで2Dを継続するのか、あるいはなにか新しいことはできないかを検討された際に、VRはどうだろうということでご相談いただいたのが、そもそものきっかけです」

そう語るのは、KDDIビジネスIoT推進本部の前田さとみ。今回のプロジェクトのリーダーだ。

もっともこだわったのは、9K解像度での撮影。VRは360度の映像をすべて収録するぶん容量も大きくなり、平面のテレビと単純に比較することはできないが、「世界のVR展示のなかでも、個人的には未知のクオリティでした」(前田)という。

「画質にこだわったのは、線路脇の電柱に掲げられた標識の文字が視認できることが条件だったからです。電柱には津波の際の避難所の方向が表示されています。当然、VR映像でも実際に運転している時と同様に、標識がしっかり見えなければ意味がありません」

高画質ゆえの、高い技術の処理が必要だったのが「スティッチング」だ。「VRは通常、上下左右前後に複数のカメラを向けて同時に撮影しますが、これらをつなぎ合わせて360°すべてが見える映像にする工程がスティッチングです。高画質になるほどつなぎ目のアラが目立ちやすくなり、高い技術が要求されるんです」

本番は、現場で実際に走る列車の運転台から、運転士の頭にカメラをつけて撮影したという。安全上の問題もあるし、先頭車両に乗る乗客の演技も必要なので、一般客に乗ってもらうわけにはいかない。始発前に特別ダイヤの回送電車を走らせての一発撮り。9Kのセッティングと撮影後のスティッチングは、事前に検証を繰り返し、満を持して撮影に臨んだ。

満足のいくVRコンテンツができた。しかし・・・・・・

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