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相手の“視線”から「ホンネ」を見抜くには?

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コミュニケーション総合研究所代表理事の松橋良紀さん。そんな松橋さんに「コミュニケーションの極意」についてお話しいただくこのコーナー。第9回目は「相手の気持ちを知る秘技」についてです。

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「そんなつもりじゃないのに…」

「悪気はなかったのに…」

あなたは不用意な一言で相手を怒らせてしまったことはありませんか?失言しないように注意をしていても、相手を不機嫌にしてしまうことがあります。

例えば、「あなたって変わってますね」と言われると、あなたはどんな感情がわきますか?

私ならとてもうれしいです。なぜなら私の仕事は、セミナー講師や執筆活動など「人と違う情報」を発信することに価値があると思っているからです。

でも人によっては、「なんだかバカにされた」「けなされた」と感じる人もいます。「変わってますね」と言った人は、相手をバカにするつもりはなく、単純にほめただけ。受け取り方ひとつで不機嫌になる人もいるわけです。

不機嫌になったことが明らかに表情に出ればいいのですが、困るのは多くの人は感情を出してくれないこと。

あとになって、「あの人にひどいことを言われた」とか言われることは避けたいものです。そこで大事になるのが、相手の感情を読み取る技術です。

人によって、受け取り方が違うのはなぜ?

当たり前ですが、まずは「自分の常識=他人にとっては常識ではない」ということを常に意識しましょう。

考え方の違いをどうすり合わせていくか、そこが大事です。

残念ながら、人は相手の頭の中をのぞいて相手の気持ちを知ることができません。

でも、話す言葉や声、表情などから「読み取る力」を磨くことはできます。

「全然気にしていませんよ」

こんなことをいいながらも、相手は内心怒っているかどうかを見抜くには、言葉ではなく表情などのボディランゲージや声に隠されたメッセージを読み取る必要があります。ポイントは、以下の10個です。

気持ちが表れる10のポイント

①姿勢

②視線

③呼吸

④血色

⑤顔の筋肉

⑥肩や腕のこわばり

⑦足の動き

⑧声のテンポ

⑨声のトーン

⑩間の変化

顔は笑っていても、血色が変化したり、アゴの筋肉に変化が見えて、脇が締まったりしたら、緊張度合いが高まった証拠です。

表情だけに意識が向きがちですが、姿勢や体全体を観察することです。

特に首、肩、腕の動きもよく見ましょう。足にもサインが出ることがあります。

この中でも一番「ホンネ」が表れるのは②視線です。

目は嘘をつけない―視線に表れる「ホンネ」

目は口ほどにものを言う、ということわざにもあるように、視線は嘘をつけません。

たとえば「気にしていないです」と言いながら、視線が左下に向くようなら、何かしらの感情が動いていることがわかります。

視線の方向によって、脳内で何が起きているのかがわかるのです。

目の動きによって、相手の頭の中ではどのような方法で情報に接しているのか推測できます。

夜遅く帰宅した夫を、妻が問い詰めました。

「ねえ!こんな遅くまでどこに行ってたのよ!」

「えっ、えーと、同僚の鈴木がさ、どうしても一緒に飲もうと言うんで、新しくできたばかりの居酒屋で飲んでたんだよ。ついつい遅くなっちゃってごめんごめん…」

こんな返事をしながら、夫の脳内ではどんなことが起きているのかは、次の6つパターンが考えられます。

【視線はどこを見ている?】f:id:asukodaiary:20170308125426j:plain

①左上 ⇒ 視覚的記憶:映像を思い出している

過去に見たものを思い出しているときには、本人にとって左上に視線が向かいます。

ですから、この場合は実際に見たことをそのまま正直に言っています。

脳の中では、同僚の鈴木さんの顔を思い浮かべて、居酒屋の風景や居酒屋の看板を見ていると思われます。

②右上 ⇒ 視覚的構成:映像を”創造”している

右上に視線が向くときには、見たことのないことを思い描いています。実際にはない映像を創り出している可能性がとても高いです。

同僚の鈴木さんの顔を、どこかで見た居酒屋の風景を構成して、“創造”しているということは、嘘を言っているということです。

つまり、質問に対して視線が右上に動くときは、かなり怪しい反応ということです。

③左横 ⇒ 聴覚的記憶:音を思い出している

左横に視線が動いているということは、以前に聞いた言葉や音を思い出している状態です。

鈴木さんの言葉や、居酒屋のざわざわした音を思い出していると思われます。

④右横 ⇒ 聴覚的構成:音を“創造”している

右横に動いたら、聞いたことのない音を頭の中で創り出している状態です。

実際には聞いていない言葉を探して組み合わせているわけですから、「鈴木が一緒に飲もうと声をかけてきた」というのは、嘘を言っている可能性が高いです。

他には、次のような場面でも、右横に動きます。

「カラスがアナウンサーになったなら、どう聞こえますか?」という質問をされたら、カラスの声とアナウンサーのしゃべり方を合成して、新たに構成しなおす必要があります。

そんなときには、右横に視線が向きます。

⑤左下 ⇒ 内部的対話:じっくり考えている

左下は、自分自身と対話している状態です。理屈を考えているのです。

「どうやったら、怒りを鎮めることができるかな。よし、正直に言おう」

こういう自己対話をしているかもしれません。

でも、次のようなことも考えられます。

「妻が怪しんでいるぞ。やっぱりバレたか?どう答えようか?そうだ、鈴木と飲んでいたことにしよう」

この方向だけだと本当か嘘かの判断はつきにくいので、表情や筋肉の動きなどからもホンネを読み取ることが必要になります。

⑥右下 ⇒ 体感覚:味や感触を感じている

右下に視線が動くようなら、触った感じや、体で感じる感覚、感情にアクセスしています。

飲んだあとで体が重い感覚がするとか、悲しいとか、嫌だなどの感情をイメージしています。

ここにアクセスして出て来るイメージは、言葉で表現しづらい感覚的な表現になりやすいです。「こんな感じ」というあいまい言い方が多くなります。

「ねえ!こんな遅くまでどこに行ってたのよ!」

「えっ、えーと、飲んで気分がいい感じなんだよ」

答えにならない返答になりがちです。

このように、相手がどの感覚にアクセスしているのかは、視線を観察することでわかります。

ところで、この方向が当てはまるのは、右利きの人で9割くらいです。左利きだと右左が逆になり反転する人が多いのでご注意ください。

「視線で相手の心を読む」のは、

信頼関係を築くテクニックの一つ

相手の視線を観察する癖を身につけると、相手の考えていることや感情を、今まで以上に読み取れるようになりますよ。

まずは話すときにしっかり「相手の目を見る」ことが大事です。と言っても、いきなり相手の視線を分析するのは難しい…という方は、相手が上・横・下のどこを見ているかに注目してみてください。

・①②を見ている ⇒ 映像を思い出している、“創造”している

・③④を見ている ⇒ 音を思い出している、“創造”している

・⑤⑥を見ている ⇒ 感じている、考えている

相手の気持ちを知ることで、「分かってくれているな」と共感度も上がり、信頼関係もぐっと深まります。

松橋良紀(まつはし・よしのり)

コミュニケーション総合研究所代表理事/一般社団法人日本聴き方協会代表理事/対人関係が激変するコミュニケーション改善の専門家/コミュニケーション本を約20冊の執筆家

1964年生青森市出身、青森東高校卒。ギタリストを目指して高校卒業後に上京して営業職に就くが、3年以上も売れずに借金まみれになりクビ寸前になる。30才で心理学を学ぶと、たった1ヶ月で全国430人中1位の成績に。営業16年間で、約1万件を超える対面営業と多くの社員研修を経験する。2007年にコミュニケーション総合研究所を設立。参加者が、すぐに成果が出るという口コミが広がり出版の機会を得る。NHKで特集されたり、雑誌の取材なども多く、マスコミでも多数紹介される。

約20冊で累計30万部を超えるベストセラー作家としても活躍。「コミュニケーションで悩む人をゼロにする!」を合言葉に奮闘中。

著書

「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」(明日香出版社)

「相手がべらべらしゃべりだす!『聞き方会話術』」(ダイヤモンド社)

「人見知りのための沈黙営業術」(KADOKAWA)

「何を話したらいいのかわからない人のための雑談のルール」(KAODOKAWA)

「話し方で成功する人と失敗する人の習慣」(明日香出版社)

公式サイト http://nlp-oneness.com

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