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次世代ロボットの鍵は「音声コミュニケーション」。高齢者の孤立を防ぐ家庭用ロボット「ELLI・Q」

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イスラエルのIntuition Robotics社(2015年設立)の「ELLI・Q」は、高齢者向け家庭用ロボットである。シニア層が社会的にも肉体的にもアクティブであり続けられるように、との願いを込めて開発された。

プロトタイプ版が公開されているが、ロボットといっても人に似せた顔もないし、二足歩行するわけでもなく、なんとなく頭の部分と、肩から下の胴体を思わせるボディーと、脱着可能なスクリーンを並べた形状をしている。

写真提供:Intuition Robotics

ロボットが散歩や運動に誘ってくれる!?

ELLI・Qは、スクリーンの補助を得つつ基本的には音声でやり取りする。クリックやスワイプ、フリックなどの操作をしなくても、既存のソーシャルメディアや通信アプリを活用して、離れた家族や友達とつながることができる。同社のサイトには、「75歳以上の女性の半数は一人暮らし」だと書かれているが、ELLI・Qを使えばいつでも世界とつながることができる。

単に受け身で、高齢者の音声コマンドに反応するのではなく、「散歩に出かけてみては?」とか、「運動しませんか?」などと、活動を促すような言葉を投げかけてくる。薬を飲む時間になれば教えてくれる。

ELLIQ – The active aging companion

次世代のロボットは「音声」によるコミュニケーションが鍵

高齢者のなかにもパソコンを使いこなして、メールやLINE、メッセンジャーで友達と連絡を取り合ったり、離れた場所で暮らす孫との会話を楽しんでいる人は大勢いる。プロバイダーの契約だのモデムやブラウザ、メールソフトの設定など初心者にとってのハードルが高かったのも遠い昔話で、パソコンもタブレットも格段にユーザー・フレンドリーになっている。

それでも電源を入れたり、アイコンをクリックしたり、キーボードで文字を入力するのは高齢者でなくても面倒な作業だし、マウスの操作で電源を切る作業もわかりにくい。パソコンは科学計算から会計処理、デザイン、電子出版、映像編集まで、なににでも使える万能マシーンではあるが、一方で、特定用途のために設計された専用機に比べると使いにくい。またスマートフォンやタブレットはパソコンよりも格段に使いやすいが、表示が小さかったり、文字入力が難しかったりする。

写真提供:Intuition Robotics

AmazonのAlexaを搭載したEchoが次世代プラットフォームとして大きな期待を集めているのは、画面を通したやり取りよりも、音声を使ったやり取りの方がずっと簡単で使いやすく、「他者」とのインタラクションに近いからだ。

Echoは無機質な円筒なのに対し、ELLI・Qは頭の部分を動かして、ボディーランゲージで感情のようなものを伝えてくれるのも、ロボットではなく他者とのコミュニケーションをよく表現している。

ELLI・Q demo

ELLI・Qの設計は、スイスのデザイナー、イブ・べアールとのコラボレーションで行われ、「誰のためのデザイン」で知られるドナルド・ノーマンがアドバイザーとして関わっている。機械側、開発側の都合ではなく、人間中心のデザインが行われている。

今後、ELLI・Qは、サンフランシスコの高齢者に実生活で使ってもらい、製品をブラッシュアップしていくという。やがては高齢者の体調の変化も察知してくれるように進化して、生活のさまざまな側面を支えてくれるようになるのだろう。

写真提供:Intuition Robotics

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関連リンク

ELLI・Q
Yves Béhar
Don Norman
Intuition Robotics

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