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上の子と泣く泣く離れて臨んだ2人目出産。ところが安産から一転、死の淵へ…?!

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私は晩婚、高齢出産でした。

36歳で結婚し、39歳の時と43歳の時に体外受精で授かり出産しました。

一人目の時は、28週で切迫早産になり入院したので、二人目の時も入院を覚悟していました。

でも、いざ27週で先生に「入院」と言われると上の子の事が頭をよぎり、「解りました」とすぐには言えませんでした。

「子どもを授かった経緯を考えると、大事にして入院した方がいいですよ」

内診を終えた先生がカーテン越しにそう言いました。

「でも上の子がいるので、家に帰りたいです」

何度かの押し問答の末、安静を条件に帰る事になりました。

私の家庭は、自営業で主人は忙しく殆ど家にいません。月に何度か泊まりで家を開ける時もあり、休みも殆どありません。

常に私と子どもの二人だけの生活なので、余計に子どもと離れるのが、不安でした。

「子ども見てくれる人いないの?」

待合室で待っていると、会計表を持ってきた看護師さんが隣に座りながら言います。

「主人の母が見てくれると思います。ただ、私が子どもと離れたくないんです。」

「通常はね、子宮頸管が2.5センチをきると入院なんだ。あなたの場合、2.2センチなの。」

そんなに短いんだ…と思いました。

「今は目の前にいる上の子が可愛いけど、二人目も産まれたら絶対に可愛いから!今、入院しないと後悔すると思うよ」

看護師さんのこの言葉で、気持ちが180度変わりました。頭では解っていても、目の前にいる子どもの事を優先に思い、涙が次から次へとこぼれ落ちます。

そして、次の日に入院する事にしました。

60日間の入院は、2回目ということもあり特に不安もなく過ぎてゆき、36週で無事退院する事ができました。

次の日は日曜日です。

主人は仕事ですが、用事を済ませる間付き合ってもらい、快気祝いの手続きをしに普段はあまり行かない少しだけ高級なスーパーへ行きました。

そこで偶然、実家の父と会いました。

その後、選挙の期日前投票に行くと、今度は偶然、実家の母に会いました。

同じ日に違う場所で父母に出会うという、滅多にない偶然に何かあるのかな?とふと思いました。

その週の金曜日は、子どもの幼稚園でプール実習の日です。

この夏は一度も見学に行っていないので、見学へ行くことにしました。

以前サークルで仲良くしていたママ友何人かと、リトミックで一緒のママ友、同じ幼稚園のママ友にも会いました。久しぶりに皆に会えて嬉しかったです。

午後一番で子どもが帰ってくるとお昼寝です。

一緒に横になって少し眠ると、なんとなく違和感がありました。

尿もれ?おりもの?

トイレに行って確認しても、特に変わった様子ではありません。

気のせい?なんだろう?

もしかして破水?

子どもはまだ夢の中です。

隣に横になると、なんとなく液体が出てくる感じがします。

やはり破水?

急いで病院に電話をして、破水なのか何か解らない事を伝えました。

病院へ来て下さい。との事なのでまず子どもを見てくれる人を確保しなくてはなりません。

主人に電話をします。

でません。

何度か電話をします。

それでもでません。

実家の母に電話をしました。母は農家なので、7月の夕方前はまだ外で仕事をしています。

それでも来てくれると言ってくれたので、子どもは家で見てもらい私は病院へ行くのにタクシーを呼びました。

母は30分位で来てくれるはずです。

入院の用意をしていると、動いているうちに完全に破水と解るほど、尿でもなくおりものでもない液体がでてきました。

あれこれ用意して、また主人に電話しても繋がらず、少しずつパニックになっていきます。

最初、なんとなくだった破水もナプキンいっぱいほど出てきました。

そして母もなかなか来てくれません。

タクシーがきて、外で待っていてくれてます。

初めての破水で、早く病院に行きたくても誰も来てくれず完全にパニックです。

どうしたらいいのかわからず、破水と解るともう一度病院に電話をしました。

陣痛がくる前に急いで来るように言われ、子どもは誰かに病院へ来てもらい落ち合うように指示されました。

「起きて」

寝ていた子どもに何度か声をかけても起きず、とうとう泣き出します。

「ごめんね、ごめんね。眠たいよね。でもお母さん病院へ行かなきゃ」

羊水は出続けタオルを当てながら起こします。

「ごめんね、お母さんまた入院しなきゃならないから、このまま会わないで行くのは嫌なの」

私も泣きながら訴えます。

泣いていた子どもはやっと落ち着いてくれ、一緒にタクシーで病院へ行きました。 関連記事:前日まで順調だったのに。夜中に突然の陣痛、上の子と2人きりでどうすれば…?!

病院に着くと、途中で連絡のとれた主人が待ってくれてました。

内診後、そのまま入院となり24時間以内に陣痛がこなければ、促進剤を使って出産する事になりました。

子どもを来てくれた主人の母に託し、主人も帰ると、陣痛が来るように階段を何度も往復します。

日付が変わる頃から、定期的な痛みがくるようになりました。

時間を計りながら様子を見ていましたが、少しずつ普通の体勢では辛くなっていきます。

1時半過ぎには、5分間隔ほどになったのでナースコールで助産師さんを呼びます。

すでに8センチ開いているので、主人に来てくれるよう連絡をしてから、分娩室へ移動しました。

一人目は41週で3,500グラムあったのに対し、今回は37週なので2,700グラム位です。なので前回よりは楽に出産できるはずです。

定期的にくる痛みに合わせて、押し出すようにいきみます。

「頭が見えてきましたよ」

助産師さんが声をかけてきます。

時たまその場を離れるので、少し不安になりながらも、まだ気持ちも体力も余裕はあります。

主人も病院に着き、待合室で待っています。

いきむ時に声を出すと、力がもれるので声を出さずに頑張ります。

「もう少しですよ」

痛みの波が去って、いきみを止めようとした時に突然、強烈な痛みが股の間を襲いました。

なに?なに?痛い!痛い!痛い!

何をしているの?痛い!

「~ん~!!」

声にならない声でいきむよりもふんばりました。

別の看護師さんが側に来て、バーを握っていた手を取り胸の前で握ってくれました。

看護師さんの手が折れるのではないか?と思う位の力で手を握り締めます。

痛い!痛い!痛い~~!

「ん~~!」

「産まれましたよ」

との声と同時に股の間を、生暖かい感触が通りすぎます。

午前2時半過ぎに元気な男の子が産まれました。

助産師さんが、いきみとは関係なく強引に引っ張り出すように、赤ちゃんを取り上げ胸の上に抱かせてくれました。

すると、先ほどまでの痛みは飛んでいきました。

赤ちゃんを抱っこしていると、胎盤を出していた助産師さんが、胎盤がなかなか出ないのかお腹を押したりしています。

するとまたしても激痛が走ります。

痛い!痛い!痛い!

「もう少しですよ」

助産師さんが言います。

あまりの激痛で赤ちゃんを抱っこできず、看護師さんに預けます。痛さから腰がひけて退けぞりました。

「すごい!赤ちゃんの頭より大きい胎盤ですよ~?」

助産師さんの言葉が不安に変わりました。

「…子宮?」

助産師さんの小さな声が聞こえ空気が一変し、側で待機していた先生と助産師さんが交代します。

痛い!

終わったと思ったのもつかの間、先生が子宮を戻すのに手を突っ込みます。

出産も終わり、我慢する必要もないので今まで以上の痛みに大声をあげました。

「痛い!痛い!やめて!」

隣で出産している人の事も、陣痛室で待機している人の事も考える余裕もなく、痛みが襲うたびに大声を上げ続けます。

ぐりぐりぐりぐりぐり。

「痛い!痛い!痛い!」

何をしているの?もう取ってしまって!

何度も何度も同じような痛みが続きます。

いつまで続くの?何をしているの?

痛い!痛い!痛い!

「内反(ないはん)だ」

先生が機械で調べて呟きました。

先生の指示で助産師さんが他の先生に連絡をします。

土曜日の早朝前、誰も電話にでません。

やっと繋がった先生は、自分の順番なのか確認をしている様子です。

「いいから早く来いって!!」

先生が股に手を当て止血をしながら怒鳴ります。

一旦電話を切ってからまた連絡があり、車で行った方がいいのかタクシーで行った方がいいのか聞いているようです。

こちらの緊迫した状況を知らない電話向こうの先生はのんきなものだな…

そう考えていると、連絡をした先生も到着し機械で内反を確認している様子です。

分娩室に主人が呼ばれました。

「赤ちゃん見た?」

「まだだよ」

そっか…。赤ちゃん大丈夫かな?誰かお世話してくれてるかな?

赤ちゃんの心配をしていると、先生が緊急手術をする事を伝えます。

少しずつ目を開けていられなくなると、他の助産師さんも来て周りがあわただしくなりました。

点滴針を刺すのに、腕や足の血管を浮かせる為に何度も叩かれます。

もう、手を握って血管を浮かせる元気もありません。

「眠たい。寝てもいい?」

「え?ダメだよ!起きていて!!」

そっか~寝ちゃダメなんだな。

ストレッチャーに乗せられ暗い廊下の中を点灯している灯りが瞼を通りすぎて行きます。

手術室に着くと、麻酔科の先生が口を大きく開けるように言います。

「麻酔を入れるからね」

喉の辺りに液体が入ってきます。

「あっ!飲んじゃった」

「いいんだよ」

助産師さんがそう言ったのを最後に意識が遠退きました。 関連記事:早産だけれど無事に出産…のはずが激痛!「子宮がひっくり返ってる」と言われ緊急処置に

目が覚めると、見たことのない天井が広がってます。

「ICUだよ」

いつ来たのか、看護師さんが声をかけてきます。

「今、午後2時半だよ。面会の時間だから用意するね」

口からの管を抜かれ、少しすると主人と実家の母と遠くに住んでいる姉が入ってきました。

「良かった。良かった。」

主人が泣きながら入ってきました。

初めて見る涙に思わず私も涙が流れ、危なかったのかな?と漠然と思いました。

「赤ちゃん見た?」

母と姉に声をかけます。自分がどんな状態でもやはり赤ちゃんが気になります。

ちゃんとお世話してもらってるかな?

ごめんね。

一旦、三人は帰り夕方に主人がまた来てくれました。

「先生から聞いた?」

「何を?」

先ほどよりは、ずいぶん意識もはっきりし気分も良く思えました。

「止血をしても子宮からの出血が止まらなくて、子宮を取った」

「…そっか~」

自分のむくんだ指を見ながら今までの経緯を聞きました。

胎盤が子宮に癒着して、引っ張り出したので子宮内反になり手術をしたようです。

分娩室でかなり出血していて、大量に輸血をしたため、アナフィラキシーショックでICUに運び込まれ、出てきた時には別人なほどむくんでいたそうです。

先生には覚悟して下さいと言われたようでした。

出産の2日後は私の誕生日でした。

いつ何があるか解らない人生、助けられたこの命はあと何年この子たちと一緒に過ごす事ができるかな?

これからも、子どもたちとの時間を大切にしていきたい思います。

著者:かりん

4歳男の子と6カ月男の子のお母さんです。

体力勝負の毎日ですが、自分の年齢に負けないよう頑張ってます!

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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