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SNSで作品を取り上げた人は拘束される 中国でタブー視される漫画家とは

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SNSで作品を取り上げた人は拘束される 中国でタブー視される漫画家とは

習近平を批判する漫画をネット上で発表したことで中国当局から迫害を受け、2014年以降亡命状態となっている漫画家・辣椒(ラー・ジャオ)さんが、2月28日、東京・神楽坂のイベントスペース「la kagu(ラカグ)」でトークイベントを行った。

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このイベントは辣椒さんの日本での初の著書となる『マンガで読む 嘘つき中国共産党』(新潮社刊)の発売を記念して行われたもの。

ライターの高口康太さん、東京大学准教授の阿古智子さんという中国通の2人とともに登場した辣椒さんは、ユーモアがありつつも辛口の体制批判で知られる自作の作風そのままに、習近平政権、そして中国への批判を展開した。

■SNSで作品を取り上げただけで拘束される 中国でタブー視される漫画家

中国で辣椒さんが置かれていた立場の厳しさについてはあまり理解されないことも多いようで、今でも「なぜ中国に帰れないのか。戻ったら迫害を受けるというのは考えすぎでは?」と言われることもあるという。

しかし、辣椒さんは実際に当局に拘束された経験があり、中国のSNS・微博(ウェイボー)のアカウントは200回以上削除されたという。

さらに、昨年9月には氏の漫画をSNSで取り上げた人物に10日間の行政勾留が課され、国外に脱出した氏に会いに来ようとした友人までもが妨害を受けるなど、弾圧は本人以外にまで及んでいる。

こうした経験をもつ辣椒さんだけに、トークの方もやはり言論の話題がメインになった。

中国共産党が現体制を強化するためにメディアを使ってプロパガンダを流していることはあまりにも有名だが、辣椒さんのようにそれに疑問を持つ人がいる一方で、今の中国にはそのプロパガンダを真に受けて日本でいうところの「ネット右翼」のようになってしまう人も多い。

権利意識が強く、自分の家族やグループの利益を守る意欲が高いために、ウソに騙されまいという気持ちが強いと言われる中国人だが、どうしてそんなことになるのか、というのは高口さんと阿古さんに共通する疑問だったようだ。

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この問いに対して、辣椒さんは「プロパガンダがすばらしく成功している」としたうえで、「中国共産党は“党性”という言葉を使い、人間としての性格よりも中国共産党員としての性格を大事にしようというロジックを広めることで人々を組織して、党に歯向かう人を告発する体制を整えた。しかし、その一方で一部の特権階級は利益を享受していた。今の中国には、文化大革命が終わるまでは貧しかったが幸福な時代だったと考える人が多いが、錯覚としか言いようがない」と、古くから続く中国共産党のやり方への批判を展開した。

「1949年、新中国が成立して以降の歴史はウソに塗り固められてきた」と最後まで手厳しかった辣椒さん。今後の活動については「プロパガンダによって頭が支配されている中国人を変えるために声をあげ続けたい」と意気込んでいた。

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イベント内の発言も過激だったが、著書『マンガで読む 嘘つき中国共産党』も負けてはいない。

安保法案成立時に見られた国会議事堂前のデモをモチーフに、自身を「ファシスト」だと叫ぶデモ隊への対策を協議する日本の総理(作中では「アベ」となっている)に習近平が乗り移り、戦車でデモ隊を鎮圧させ「これが本当のファシストさ」とするなど、日本人にとってもかなりパンチの効いた内容となっている。

(新刊JP編集部)

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