英語話せる?

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今回はsmall Gさんのブログ『small G』からご寄稿いただきました。

英語話せる?

実際のところはタイトルの問いかけ自体が間違っているといったほうが良いのかも知れない。
アメリカに来て随分長くなりますけど、英語に限らず言葉というのは使わないと上達しないし、使わないと忘れていく類のものだなと痛感することが何度もありました(子どもたちの場合は上達というより発達という方が適切な言い方なんでしょうかね。)。
何で今日はこのことを書こうかと思ったかというと、あるウェブ広告に「英語が話せないんですか」というものがあったから。タイトル見た瞬間にいろんなことが頭の中をめぐったんですけど、クリックしてみたら例によって下らない文句の羅列で、しかもその教材自体も旧態依然たる中身。もしこれにだまされるようだったら、「こんな広告にだまされるような連中だからこそ」いつまで経っても英語を話“さ”ないんだと思いましたね。ほんと腹たちましたよ。こんなんで人から金を巻き上げようという連中がこの21世紀にものさばっているという事実に。

誰であっても、必要がないと思うんならば、日本の中で外国語をしゃべらずにも生きていける日本の幸せな状況で徹底してそうやって生きていけば良いし、それはそれで全く問題ないと思います。しかし、話す必要があったり、どこか国外に住むのであれば、特に英語に限らず、現地の言葉を話せるようになるのは生活を豊かに、そして支障なくするうえでは“必須”のことというより“当たり前”のことです。言葉なんて、通訳や翻訳者に必要とされる特別に高いレベルの職業を選択でもしない限り、完璧である必要など“どこを探したってない”と思います。

卑近な例で申し訳ないのですが、私の勤めているアメリカの大学の授業でも、完全なネイティブの発音で授業をする教授なんて(大学にもよるんでしょうが)半分以下だと思います。書き言葉は別としても、話し言葉に至ってはインド系、中国系、東欧その他もろもろで、ネイティブの学生の一部には文句が出るくらい聞きづらい話し方で授業が行われることもあります。それでもここはアメリカ、生き残ってる奴が“勝ち組”なのですから、しゃべった者勝ちです(笑)。
インド人も、中国人も滅茶苦茶にクセのある発音で話しますが、相手のことなんぞ全く構わずしゃべりまくるし、むしろ冗談抜きで誇りに思っていますから(一部のインド人に至っては自分たちの英語をQueen’s Englishとまで真顔で言い切りますから(爆))。逆に言えば、だからこそこの連中はどこの国に行っても物凄くたくましく生きていますよね。日本人のように遠慮することがない(この際、それが良いか悪いかというのは別次元の話!)。

失敗を恐れて前に進めない人達には悪いんですが、ここでは文法がうんぬん、発音がうんぬんなんて言っていつまでも話さない輩は、そうやって躊躇(ちゅうちょ)している日数分だけ、後ろに取り残されていくだけのことです。コトは実に簡単。やるかやらないか(殺るか殺られるか)、という状況では、恥をかくのが嫌な奴は後ろに引っ込んで餓死するのを待つだけのことなのです。

実際のところ、誰も彼もが外国語を必要とするわけではないです。しかし、それでも外国語を話すことが生きていくうえで必要な人、自分の世界を新たな言葉を通じて何倍にも拡げたいと願うならば、どんなに泥にまみれてでも自分から話していくしかないんですから。
アメリカに来れば英語が話せるようになるなんてことはないし、日本にいるから英語が話せるようにならないなんていうことは詭弁(きべん)以外の何ものでもありません。日本から一歩も出たことがなくて素晴らしい英語を話せる人なんて、目立たないだけで実際は掃いて捨てるほどいますから……。

最初のタイトルに戻りますけど、外国語は“話せるか否か”ではなくて、“話すか話さないか”です。かっこつけて、恥をかくのが嫌なら、最初からツアコンが旗振る団体旅行で外国旅行をしておくのがいいと思います。そのほうが心の平静を保って生きていけるでしょうから……。
どんなに下手でも一生懸命話していけば、“まともな教育を受けた人間”ならきちんと話を聞いてくれます。逆を考えてもらえば簡単ですよね? どこかの外国人がたどたどしくとも、日本語で一生懸命話しかけてきたらあなたはどう反応しますか。当然、あなたが先入観のない、“まともな教育を受けた人間”ならきちんと耳を傾けてあげるでしょう(ここでいうまともな教育っていうのは当然、机上の勉強だけの話ではないです)?

執筆: この記事はsmall Gさんのブログ『small G』からご寄稿いただきました。

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