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【大人が出逢う、東京古着】古着のない街に古着を、巣鴨を変えたhumor

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—A day without laughter is a day wasted.(Charles Spencer Chaplin)

シニアのパワーがみなぎる街、巣鴨。昨年4月、街が誇る地蔵通商店街に前代未聞のニュースが舞い込んだ。当時25才のオーナーが、巣鴨唯一の古着屋をオープンさせたのだ。お店の名前はhumor(ユーモア)。

4のつく日に開催される縁日でいつも以上に賑わう商店街を歩く。
「入り口はこっちの階段上ね!」
下のお店松月堂のおねえさんが、チャキチャキと慣れた様子で声をかけてくれた。
聞かずとも、私たちの行き先がわかったのだろう。どうやらhumorの存在は、「巣鴨に若者はいない」という既来の都市定説を早くも動かしつつあるようだ。

何やら文字が書かれている、鮮やかなオレンジの扉。
言葉の意味は、この場に着いた時に聞いてみて欲しい。
こういうのは、発する人から受け取る人へ伝わる方が、なんとなくいい気がするからだ。
ガラスの向こうで待っているのは、色とりどりの古着たち。
一気に気持ちが高まるその勢いのまま、扉を開けた。

「すごい〜!」思わず声を上げてしまった。色とりどり、柄さまざま!
視界のそこかしこで、個性が同時多発する。

そんな賑やかな洋服たちを掻き分けていくと、素敵な男の人が2人、笑顔で迎えてくれた。いや、ここはもう一言はっきりと付け加えよう。
カッコイイ! ちょっと見かけない、かなりのムードを放つ美青年たち!
しかも2人は兄弟だという。

巣鴨のキャラクターすがもんを抱える、オーナーの裕太郎さん(右)と、
弟でスタッフの拓夢さん(左)。イケメン×ゆるキャラという見事なコラボレーションをパチリと抑えたところで、多くの人が抱くであろう疑問を裕太郎さんにぶつけてみた。
—どうして古着屋を巣鴨で?

「とにかく街が好きだったんです」裕太郎さんは迷いのない様子で答えた。
「他にもいろんな場所を考えてはいました。神保町、阿佐ヶ谷、谷根千あたり…。いわゆる古着屋がない街を探していたんです。でも降り立った時からこの街がすごく好きで」
“古着のない街に古着を”。
なかなかできないことだと思った。そして、愛と挑戦に溢れた選択だと思った。
前例のないことをやるのは、本当に勇気がいる。そして、いつの時代もその勇気を持つパイオニアが人や街、そして時代を動かしている。

前例のないことに勇気がいるのは、ファッションにおいても同じだろう。
自分史上前例のない服を買う時、例えば、着たことのない色柄の服に袖を通す時には、ちょっと緊張してしまう。
でも、ここに来たら、ちょっと背中を押してもらえる。
そんな風に思ってここに通う人も多いんじゃないだろうか。
鈴なりに鮮やかな顔を並べる服たちを見ながら、そんなことを思った。

裕太郎さんが古着に魅せられたのは、名古屋の大学に進んだ学生時代だったという。
師と仰ぐ、名古屋の古着屋「speech」や「the poem」のオーナーさんたちから、古着の魅力やノウハウを教わったのだとか。POP UP SHOPを手伝う機会があり、その時に古着屋を開業する気持ちは強固なものになったのだという。

店内に飾られている、名古屋時代の師たちの写真にhumorのルーツを垣間見る。
この場所ができてからはまだ1年だけど、そのもう一つ向こうにある裕太郎さんの古着におけるフィロソフィーやメソッド。
自分を導いてくれたルーツ。その存在や場所は、いつまでも自分を励まし、奮い立たせるもの。

オープン当初は裕太郎さん1人だったhumorに、弟の拓夢さんが入ったのは昨年11月。
「僕は服を1つ選ぶにも優柔不断だけど、兄はエゴの塊のような人(笑)。いつも自分のやりたいことをやっている感じの兄でした」。
笑いながら話すその言葉の裏に、兄に対する敬意が見えた。
同じ家で生まれ育ち、誰よりもさりげなく、そして深く互いを知る。
この場所を共に守るパートナーとして、拓夢さんの存在はとても心強いと思った。
一見はちょっと雰囲気が違う2人も、笑うと、目もとがとても似ている。
兄弟っていいなぁ、と素直に思う。

岐阜県で生まれ育ったという2人。
しっかり者の1番上のお兄さんと、離れた町からいつも子どもを気遣う優しいお母さん。
ここまでくるのに相当やりあったけど、今やお父さんは、家族きってのhumorユーザーだという。

そう、いくつもの“上京物語”で、東京という街はできているのだ。
“大人が出逢う、東京古着”もまた同じ。
どれもが違う色を放つ、いくつもの人間ドラマがそこにはある。

最後に、街に立つ2人が見たくて、お願いして外で写真を撮らせてもらうことになった。
階段を降りるやいなや、「今日も売れっ子だねえ〜」と近所のおばちゃんが声をかける。
新天地で街に人に愛される2人の姿が、多くの人に、家族の元に、届けばいいと思った。

裕太郎さんは、とても苦労したであろうことも、笑って話す人だった。
拓夢さんも、そんな兄の話に笑いながら頷く人だった。
その優しい笑顔に強いパワーを感じた。
諸説はあるが、humor(ユーモア)という言葉の語源は液体だという。
human(ヒューマン)は土。その土から湧き出る水がhumorだというのだ。
私は、この説が1番気に入っている。
そして、humorというお店が持つ魅力も、この語源に近いと思った。
人を愛し、人に愛される、そんな“人”から溢れ出る魅力が詰まった場所。
それを一目で物語るのは、よく似た2人の笑顔だ。

—無駄な一日。それは笑いのない日である。(チャールズ・チャップリン)


トレーナー ¥3000+tax、ジーンズ ¥6500+tax、スニーカー ¥2000+tax、キャップ ¥3900+tax


ジャケット¥6200+tax


シャツ ¥6200+tax
 

Photo:Kayo Sekiguchi
Edit:Namiko Azuma
Text:Miiki Sugita

 

humor(ユーモア)

住所:東京都豊島区巣鴨3-18-17NYビル202
営業時間:不定期(日によって異なるためtwitterにて更新)
休:不定休
twitter:@humor_store
Instagram:@humor.store
HP:http://humor-store.blogspot.com/

出典:She magizine

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