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生まれたばかりのダウン症の妹も、可愛いと言ってもらった。普通の接客が嬉しかったわけ

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第二子の娘が生まれて1か月が過ぎた頃。我が家にとってはそれは、大病院で娘のダウン症の確定診断を貰った直後でもありました。(その時のエピソードはこちら

とはいえ、幸いなことに本人はいたって健康。両親は揃って「まぁ人生、そういうこともあるよね」という感じで過ごしていましたが、「我が子がダウン症児」という事実を受け容れられていたのかというと、そうだとは言い切れないような、そんな感じの時期でした。

ともあれ、1か月健診時に主治医から「外出OK」と聞いていたので、とある週末に赤ちゃんも連れて、家族で出かけてみることにしました。

生後1か月の赤ちゃんと、2歳半の上の息子。こうした子連れで外出となると、行きやすいのはやはり近所のショッピングモール。地方によくある、大きなスーパーマーケットにドラッグストアや100均、雑貨店などが併設されており、休日には家族連れで賑わう感じのところです。

車で出かけ、少しばかり買物をしたらお昼時になったので、ショッピングモール内の洋食屋さんに行きました。いらっしゃいませ、と、応対してくれたのは年配の女性店員さん。スリングで抱っこしていた赤ちゃんに、笑顔を向けてくれました。

「あら、赤ちゃん! 生まれたてですよね?」

「1か月になったところなんです」

「とっても可愛いですね。ごゆっくりどうぞ。4名様、ご案内します!」

遠目ならともかく、間近で他人に顔を見られたら、この子がダウン症児だとわかってしまうんじゃないだろうか。

当時はついつい、そんなことを気にしてしまっていた。しかし、この時の店員さんの対応は特に何ということもなく、赤ちゃん連れの客である私達を普通に案内してくれただけで、少しほっとしたというか、拍子抜けしたような気分にもなりました。

(今となっては見知らぬ誰かに「ダウン症児なんだな」と思われたとしても、まぁそれはそれ、と流せるくらいに図太くなりましたが…) この記事を書いたTakoosさんの過去記事:「ダウン症じゃないといいね」医師の言葉にモヤモヤ…。答えはない「子供の障害」

大人と上の子が食事をほぼ終え、ミルクを作って赤ちゃんに飲ませていた時。先程の店員さんが再びテーブルに近づいてきました。子供にデザートのサービスがあるという話だったので、お願いします、と持ってきて貰うことに。

「お待たせしました、お子様のサービスのデザートです」

と、店員さんが運んできてくれたのは、小さなアイスクリームが載った器が2つ。

「…えっと、こっちの子はまだ食べられへんのですけど、いいんですか?」

「はい、大丈夫ですよ。お子様お2人ですので、おふたつサービスです」

そして、笑顔を浮かべた店員さんは息子に語りかけてくれました。

「なぁボク、赤ちゃん可愛いな。お兄ちゃんになったお祝いで、ボクがアイス2つ食べてもええからね」

そんな言葉と共に、テーブルに置かれたアイスクリームに息子は瞳を輝かせて大喜び。

思いがけない事態に、こちらもありがとうございますと頭を下げました。

結局アイスは、息子に丸々2つ食べさせるのもどうかと思ったので、両親も時折つつき、大人も美味しくいただきました。

――こうして思い返してみても、この時の店員さんはあくまでも「家族連れに対する普通の接客」であり、「赤ちゃん可愛いですね」といった言葉も単なるリップサービスというか、接客の一環だったんだろうなと思います。

けれど当時の私にはとても嬉しく、じんわりと心が温かくなるような、そんな気持ちになれました。

ああそうか、うちは今は子供が2人いるんだ、そしてダウン症児のこの子は、他人様から可愛い赤ちゃんって言って貰えるんだ…。

それが普通の接客であれ、社交辞令であれ。あの時の店員さんの対応が、私にとっては「子供の障害の受容」に一役買ってくれた部分があったんだろうなと、そんな風に考えています。 関連記事:新生児マス・スクリーニング検査で娘の病気が発覚。母として、最初の試練

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著者:Takoos

年齢:39歳

子どもの年齢:5歳・3歳

独身時代の海外在勤中に、福祉先進国な北欧の子育て事情を垣間見る。帰国後は関西と東海の狭間で、妊娠、出産、育児、在宅フリーランスと経験中。

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