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イチロー選手がブン回しているのは、バットではなく「PDCA」だ

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『まんがで身につくPDCA』(あさ出版)『トヨタの自分で考える力』(ダイヤモンド社)の著者である原マサヒコさんに「ビジネスにおけるPDCAの真髄」をお伺いするこのコーナー。第2回目は「イチロー選手のPDCA」についてです。f:id:k_kushida:20170221150854j:plain

こんにちは、原マサヒコです。

今回は、「イチロー選手のPDCA」についてお話ししたいと思います。

イチローさんのことを知らない人はいないでしょう。オリックス・ブルーウェーブ出身の野球選手で、現在はメジャーリーグで活躍中です。

1973年生まれ、既に40代に突入して数年経っているわけですが、現在もマイアミ・マーリンズに所属して最前線でチームに貢献しています。イチロー選手がこれまでに打ち立てた記録も、数えきれないものになっています。

・アジア人初、メジャー3000本安打達成

・史上8人目となる、メジャー通算500盗塁

・メジャーでのシーズン最多安打記録保持者(262安打)

・史上12人目となる、複数安打を通算900試合で達成

・プロでの通算安打世界記録保持者

そんな「生ける伝説」とも言えるイチロー選手のことを1人のアスリートとして分析するメディアは数多くありますが、今回はビジネスの基本である「PDCA」という切り口で彼のことを見ていきたいと思います。

実は、イチロー選手のこれまでの発言を分析すると、ビジネスパーソンでも非常に参考になる「PDCAに基づく考え方」をしていることがよく分かるのです。

イチロー選手の「PLAN」

仕事において計画を立てたり目標を設定したりすることは重要で、当然ともいえる行為です。しかし、やりたいことがやれずに終わってしまう人や、新規事業が計画倒れに終わってしまう企業も多いのではないでしょうか。では、イチロー選手はどのように目標を立てているのでしょうか。あるインタビューでこのように答えていました。

「頑張れば何とか手が届くところに目標を設定すれば、ずっと諦めないでいられる。そういう設定の仕方が一番大事だと僕は思います」

これはビジネスでは「ストレッチ目標」と呼ばれるものです。全く手の届かない夢のような目標を掲げるのは悪いことではないように思えます。しかしイチロー選手は「必死に頑張ってもその目標に届かないようであれば、諦めるクセがついてしまうし挫折感ばかりを味わうことになってしまう」と指摘します。

また、ビジネスパーソンは逆のこともよくやっています。あまり高い目標を設定すると今期のボーナスに響いてしまうからと、上司に突っ込まれない程度に無難な目標を設定してしまうのです。これでは自分の成長を自分で止めているようなもの。そうではなく、頑張れば何とか手が届くところに目標を設定することが大事なのです。

それから、262本目のヒットを打ってメジャーでのシーズン最多安打記録となった時の記者会見で「次はどのような記録を目標にしていますか?」と聞かれたイチロー選手はこのように答えていました。

「次の目標は、次のヒットです」

これは、細かい短期目標を設定していることの表れです。ビジネスにおいても、1年単位や1ヵ月単位の中長期的な目標を持ちながら、それをデイリー(1日単位)にまで落とし込んだ目標設定をすることが大事です。

イチロー選手はこういった目標設定も常に意識をしているということでしょう。これは大きく成長する人の特徴だとも言えます。

イチロー選手の「DO」

昨今、ビジネスの世界では残業時間が問題になっています。この残業時間に代表されるように、多くの「量」を働いている人はたくさんいると思います。しかし、重要なのは「行動の量」ではなく「行動の質」ではないでしょうか。

では、質を高めるために何をしなければいけないのか。イチロー選手は日頃のトレーニングや普段の生活について、次のように語っていました。

「自分のやっていることは、理由があることでなくてはいけないと思っている。僕は、自分の行動の意味を必ず説明できる自信があります」

そう、“意味のある行動”を意識することは、行動の質を高めるうえで非常に重要だといえます。仕事における「DO」は、ただ単に与えられた仕事をこなすとか、いつも通りに動いていればいいということではありません。

・「何のためにそれをやるのか」

・「これをやることでどうなりたいのか」

PLANで設定したこれらのことを常に意識しながら、目の前の行動に集中するべきなのです。

ただ漫然と日々の仕事をこなすビジネスパーソンになってしまうと、いつの日かロボットに置き換えられてしまいかねません。

イチロー選手の「CHECK」

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なにか行動をした結果、上手くいくこともあれば失敗してしまうこともあるでしょう。では、なぜ上手くいったのでしょうか?なぜ失敗したのでしょうか?それを振り返るのがPDCAにおける「CHECK」です。「CHECK」に関して、イチロー選手はあるインタビューでこのように答えています。

「どうやってヒットを打ったのかが問題です。たまたま出たヒットでは、なにも得られません」

失敗してしまった際に「次は同じ失敗をしないようにしよう」と振り返る人は多いかもしれませんが、大事なのはうまくいっている時も振り返ることだと思います。先ほどの「ヒットを打てた方法を探る」発言もそうですが、同様にこのようなことも仰っています。

「成績は出ているから今の自分でいいんだ、という評価を自分でしてしまっていたら、今の自分はない」

さらに、“振り返る頻度”も大事でしょう。毎年、年末になれば今年1年を振り返ることもあるでしょう。また、期末になれば上司と一緒に振り返る人も多いでしょう。しかし振り返るのは1年単位で良いのでしょうか。イチロー選手はこう言います。

「ぼくは、1試合、1試合、ふりかえっています。まとめてふりかえることはしません」

メジャーリーグのレギュラーシーズンは年間で162試合あります。また、地区で勝ち上がってワールドシリーズに進出したりすると最大で180試合にもなります。ビジネスパーソンは年間で240日程度働いていますが、野球の試合はオフィスワークと違って体力勝負であり、試合後はヘトヘトになるはずです。それでも試合ごとに毎回必ず振り返っているわけです。

私たちビジネスパーソンも、当然のように毎日の自分の仕事を振り返る必要があるのではないでしょうか。

イチロー選手の「ACTION」

PDCAのキモとも言えるのがACTIONです。「改善」とも呼ばれますが、これをするためにPDCAを回していると言っても過言ではありません。

振り返ることも改善することもせずに、同じ場所をぐるぐる回っていてはいけません。それでは成長できないだけでなく、世の中の変化に付いていくこともできなくなってしまいます。

40代になってもメジャーの最前線で活躍しているイチロー選手自身、そういった感覚を持つことの重要性を語っています。

「“少しずつ前に進んでいる”という感覚は、人間としてすごく大事です」

また、これも有名な発言なのですが、小さな努力や改善を積み重ねることの大事さも語っています。

「小さいことを重ねることが、“とんでもないところ”に行くただひとつの道だ」

実際、人間が毎日今の1%でも成長できるとした場合、1年間積み重ねると36倍も成長する計算になります。

毎日のトレーニングや体調を維持するための食事、規則正しい生活、そういった基本的なことの積み重ねや、これまでの様々な体験が現在のイチロー選手を形成しているのでしょう。

さあ、いかがでしたでしょうか。改めて、自分自身の習慣を見直してみようと思いませんでしたか?

イチロー選手は小学校6年生の修学旅行の時も、手首を鍛える「スナップボール」を持ってきてトレーニングをしていたと言います。友達に「せっかくだから遊ぼうよ」と誘われた際も、「これは毎日やっていることだから、これが終わったら遊ぼう」と答えたのだとか。

イチロー選手の発言や行動からも分かるように、毎日の積み重ねが、必ず未来の結果へとつながっていくはずです。一日一日を大切に、しっかりと振り返りながらPDCAを回して進んでいきましょう。

【プロフィール】

原マサヒコ(ハラ・マサヒコ)

株式会社プラスドライブ代表取締役CEO

神奈川トヨタ自動車にメカニックとして入社後、技術力を競う「技能オリンピック」に最年少優勝。カイゼンのアイデアを競う「アイデアツールコンテスト」では2年連続全国大会出場を果たすなど活躍。

IT業界へ転身すると、PCサポートを担当したデルコンピュータでは「5年連続顧客満足度No.1」に貢献。その後WEBマーケターとして一部上場企業を中心に成果を出し続け、2015年3月に株式会社プラスドライブを設立。

ソーシャルメディアを中心としたマーケティングにより、クライアント先のマーケティング施策の推進を図りPDCAサイクルを回し続けている。また、SMBCコンサルティングをはじめPDCAに関する講演依頼が後を絶たず、全国を飛び回っている。

著書に『トヨタの自分で考える力』(ダイヤモンド社)、『まんがで身につくPDCA』(あさ出版)、『トヨタで学んだ自分を変えるすごい時短術』(かんき出版)などがある。

原マサヒコ公式サイト:http://www.haramasahiko.com

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