スターシップの「愛はとまらない」が反同性婚表明企業CM曲に、曲のヴォーカリストが使用を許可した意図とは?

access_time create folderエンタメ
スターシップの「愛はとまらない」が反同性婚表明企業CM曲に、曲のヴォーカリストが使用を許可した意図とは?

 経営陣が反同性婚の立場を明確にしていることで有名な米企業Chick-fil-A(チック・フィル・エー)のTVコマーシャルで、スターシップの1987年のヒット曲「愛はとまらない/Nothing’s Gonna Stop Us Now」が使用された。このCMは、2017年2月12日(現地時間)に開催された【第59回グラミー賞】授賞式の放送中に初めて流れた。

 同楽曲でボーカルを務めた元メンバーのグレイス・スリックが、楽曲の使用を許可した意図を表明した。

 フォーブスに寄せたコラムでスリックは、「(あのCMで)皆さんが聞いたのは私の声です。私はあの広告で得た収入の全てをLambda Legalに寄付します。LGBTQの人々やHIVを抱えて生きる全ての人々の人権の向上に尽力している、全国で最も大きな法律扶助組織です。Chick-fil-Aが別の誰かの曲を使うことで、反LGBTQ勢力へ反撃する機会を失うくらいなら、あの企業が支持する運動に真っ向から反対することにお金を使い、同時にさらし者にしてやろうと決めたのです。(Chick-fil-A)からいくらか取り、(返すべきところへ)返金するのです」と自分の考えを綴った。

 「私は、最高入札者に魂を売るようなアーティストばかりじゃなくて、ミュージシャンが自分の立場を明確にしていた時代の人間なのです。歌のメッセージが”feed your wallet”(金持ちになれ)ではなく、”feed your head”(頭を満足させろ)だった時代。今こそ、そのような芸術的誠実さが求められています。全ての人々や可能性を受け入れる用意がなければ、口で言うだけでなく行動で証明しなければ、良質な芸術を生み出すことはできません」とジェファーソン・エアプレインの曲「ホワイト・ラビット」の歌詞を引用して訴えた。

 そして彼女は他のアーティストたちに、「自分の態度を明確にすることを恐れないでください。アーティストとはそういうものなのです。もっと多くのミュージシャンに、楽曲の使用を許可する企業について考えてほしいと思います。私たちの”gifts”(才能、文脈では楽曲の意味も)を使い、偏見の力を止める手助けができるのです。Nothing’s gonna stop us now.(誰にも私たちを止めることはできない)」と呼びかけた。
 
 ジェファーソン・エアプレインは、1960年代に活躍したサイケデリック・バンドで、今も現役のスターシップの前身。

◎「CowzVR Reality」CM映像
https://youtu.be/oeqOuxgLaDU

関連記事リンク(外部サイト)

スターシップのギタリスト、コンサート直後に倒れ死去
ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニーらが出演予定のサマー・オブ・ラブ50周年記念無料コンサート、会場使用が不許可に
ジェファーソン・エアプレイン、50周年記念プロジェクトが進行中

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. スターシップの「愛はとまらない」が反同性婚表明企業CM曲に、曲のヴォーカリストが使用を許可した意図とは?
access_time create folderエンタメ

Billboard JAPAN

国内唯一の総合シングルチャート“JAPAN HOT100”を発表。国内外のオリジナルエンタメニュースやアーティストインタビューをお届け中!

ウェブサイト: http://www.billboard-japan.com/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。