抱かれてもいい! 煮干ラーメンの優しさにクラクラ……!「煮干そば 藍」【京都】
全国のラーメン好きのみなさま、京都ラーメン担当・メシ通レポーターのナガオヨウコです。
今回ご紹介するのは、煮干し系の中華そば。しかし、煮干しガツン系とは異なる、たおやか~な味わい。優しい煮干し系は、京都でも(たぶん全国でも)珍しいんですよねー。正統派ながら異端な(どっちだ)お店です。
カフェみたいなおしゃれなお店
訪れたのは、京都市左京区。京阪電鉄・神宮丸太町5番出口から川端通り(鴨川沿い)を北上。近衛通りを東に入り、小さな道を北上。
京都大学・薬学部と医学部キャンパス近くにある「煮干そば 藍 ~Dried Sardine Noodle Indigo~」です。
オーナーの谷田祐平さんにお出迎えいただきました。谷田さんは東京出身、東京の有名店「中華そば しば田」などあらゆるジャンルのラーメン店で修行したのち、大好きな京都へ。そして2015年11月にこちらのお店をオープン。
ちなみに谷田さんは、テクノトランスやチルアウト&ラウンジ系のDJとしても活動されています。
BGMはファンク、ソウル、ディスコ、ジャズ、レゲエなど。ウッドづかいが印象的で、ラーメン店というよりもカフェやバーみたいに、ゆたああああ~~っとくつろげる雰囲気です。ラーメン界にもLOVE&PEACEな波がやってきた!
店名の「藍」にちなみ、壁画はインディゴカラーを基調に描かれています。でかいクジラがカッコいい。オーナーの友人である岩切章吾さんによるものだとか。
靴を脱いでくつろげる小上がり席があるのも珍しいですよね。
それでは、名物の煮干しそばをいただくとしましょう!
隠し味が効きまくりの煮干そば
▲煮干そば(700円)
澄んだスープに、全粒粉入りの細麺の組み合わせ。具は、鶏チャーシュー(モモ+ムネ)・水菜・刻みタマネギ、糸唐辛子。野菜は、近所の個性派な八百屋さん「ファンキーファーム」で、できる限り無農薬やオーガニックのものを仕入れて使っているそう。
ベースの煮干しスープは、カタクチイワシ、タイ、サンマの煮干しで抽出。他にも、利尻&道南の昆布なども合わせてあります。
ものすごお~く上品なのに、グッとくるバターのようなコクを感じるのは、煮干し風味の鶏油のおかげ。ん? 煮干し風味の鶏油って何だ?
はいっ、こちらが煮干し風味の鶏油を作っているところです。写真では水に見えますが、この液体は鶏脂。煮干しの香りのみを移すため、約1時間じーーっくり温めます。
スープを構成しているのは<煮干し3種スープ><煮干し風味の鶏油>そして<特製タレ>。
特製タレは、こんにちは!! というユニークなネーミングの料理酒・三河のしろたまり醤油・三河みりん、さらに濃口醤油やナンプラーなどを合わせてを火入れして一晩寝かせて、とかなり手を掛けて作られています。「タレにはかなりお金がかかっていますね」と、オーナー。
全粒粉入りの細麺は、老舗製麺所「棣鄂(ていがく)」製。全粒粉ならではのプチプチ感やパツパツ感がなく、つる~りしなやか。これが煮干しスープに合う!
鶏チャーシュー2種。写真右側は醤油ベースのモモ肉で、左はムネ肉。
ムネ肉の中にある、黄色い固まりはなんと、自家製塩レモン(!)。
ムネ肉は、塩レモンに加え、メープルシロップで下味がつけられています。砂糖ではなくメープルシロップを使っているのは、しっとり感を出すためだとか。
はああああ〜〜〜♡
うまかったああああーーー!!!
おだやかな煮干しスープとつるんとした細麺、そして刻み玉ネギの辛みや水菜のシャキッと感、鶏チャーシューの塩レモンがアクセントになり、ストーリーを感じさせる満足な一杯でした。
むちゃくちゃレベルが高くて美味しいんですけどね、なんかね、心に来るのよ。ハイレベルな優しさがじんわり染みいる。
今までマッチョ彼氏の男らしさにほれて付き合っていたけど、主張が強すぎず懐が深い草食系(あっ、煮干し系か)男子もいいじゃないの、っていう感じでしょうか。
そうこうしてたら別の一杯も気になりまして……。2杯目に突入することに!
煮干し×鶏白湯のWスープ
▲濃(こい)煮干そば(800円)※1日 10食限定
先ほどのクリアなスープとは異なり、しっかり濃いめのスープです。
砕いた煮干しで取ったスープに鶏白湯を合わせています。溶かしたジャガイモがとろみを後押し。さらにたまり醤油メインのタレを合わせています。
しっかり濃いのですが、全体的にはまろやかで穏やか。
2杯目、完食です。
オーナーによると、遠方から訪ねて来るお客さんは2杯食べて帰る方も多いそう。1杯目にあっさり系の煮干そば、2杯目に濃いめの煮干しそばという順番だと食べやすいようです。
わざわざ行く価値ありのお店ですから、お腹をすかせて&2杯食べる気合いで臨んでくださいね!
お店情報
煮干そば 藍 ~Dried Sardine Noodle Indigo~
住所:京都府京都市左京区吉田下阿達町29-1
電話番号:070-5503-2898
営業時間:平日 11:30~15:00、18:00〜21:00 土曜日・日曜日・祝日 11:30〜18:00
定休日:月曜日・第1・3日曜日 ※売り切れ次第終了
Twitter:https://twitter.com/noodle_indigo
※金額はすべて消費税込みです。
※この記事は2017年1月の情報です。
書いた人:ナガオヨウコ
ライター歴22年、京都在住のフリーライター。食、手芸、子育て、京都関連の雑誌や書籍、webに執筆中。10年間続けている自然農業の畑では、20~30種の野菜やハーブ、花を栽培。 ブログ:しましま畑でつかまえて
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