眼球が飛び出て戻らない 現代人に多い目の不調とは

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眼球が飛び出て戻らない 現代人に多い目の不調とは

肩こりや腰痛などで整体に行ったことがある人は多いはずです。そのせいか、整体には「病院に行くほどではないけど、体に痛みがある時に行く場所」というイメージがあります。

でも、『老いない体』(幻冬舎刊)の著者であり、Z‐MON治療院を主宰する整体師・寺門琢己さんによると、整体とは本来もっと奥深いもの。

今回はその寺門さんに、整体が本来志すものとそのアプローチについてお話をうかがいました。

■整体の真髄は「免疫力強化」アンチエイジングとの関係は?

――寺門さんは高校を卒業してすぐに鍼灸学校に入り、そこから整体一筋でやってこられたと聞いています。まずはこの道に入ったいきさつから伺いたいです。

寺門:僕は高校時代に水球をやっていたのですが、当時の運動部の顧問の先生に整体の方面の知識がある方が何人かいて、トレーナーのようなことをやってもらっていたんです。そこで日常的に整体に触れていたというのが一つあると思います。

それともう一つは母の影響ですね。僕の母というのが、整体や鍼灸といった自然療法で子育てをするという考え方の人で、小さい頃からそういうものに馴染みがあったんです。だからといいますか、僕の腕には予防接種の痕がありません。

――学校で予防接種を受けなかったんですか?

寺門:今よりも大らかな時代だったからできたのだと思いますが、母が断ってしまったんです。予防接種ではなく、普段から体の免疫力を強化することで病気を防ごうという考え方でした。

そういう育てられ方だったので、子どもの頃は風邪をひいたりすると「足をお湯に浸けて、汗が出るまで我慢して、それから寝なさい」というような原始的なことを言われるわけで、子ども心に病院に行って風邪薬のシロップを飲んでということには憧れていました。

だから、ある時病院にかかってみたんです。風邪をひいた時に一人でこっそり診察を受けてシロップを飲んだ。これでバッチリだと思っていたんですけど、ところがそうはならなかったんです。

微熱が下がらない状態が2週間も続きました。これは「足湯」では起こらなかったことで、「足湯」をしていた時は熱を出しているか元気かで、良くも悪くもはっきりしていたんです。

この治ったのか治っていないのかわからない微熱の期間が辛くて、もしかしたら母の言っていることは正しいのかもしれないと思い始めました。結局はそれが、高校を卒業して鍼灸学校に行くことにもつながったのですが、周りから反対はされましたね。

――周囲の反応としては、大学に行きなさい、というものが多かったんですか?

寺門:そうですね。通っていた高校がなかなかの進学校でして、特別な事情がなければほぼ間違いなく全員大学に行く環境だったので、高校を卒業してすぐに鍼灸学校にいくというだけで不思議そうな感じに見られるんです。僕自身はそこまで気にしていませんでしたが。

――寺門さんの著書『老いない体』は、広い意味での「アンチエイジング」を扱った本です。あまり寺門さんの専門分野である整体とは結びつかないのですが、この本をお書きになった動機を教えていただけますか。

寺門:整体というと骨を鳴らしたり、腰痛を治したりといったイメージをお持ちの方が多いと思いますが、本来整体はそういうものではありません。そのことを知っていただきたいという思いがまずあります。

整体は日本で生まれた希有な身体文化の一つで、その根本には自分で自分の免疫力を高めて体を強くしていこうという思想があります。

現代は病気というととにかく病院に行って薬を飲んで、という対応になりがちです。それがまちがっているとは言いませんが、たとえば自分の子どもが熱を出したけど、夜中だったり休日だったりで、すぐに病院にかかれないというケースはたくさんあります。

そんな時に、自宅ですぐできる対処というのは案外たくさんあって、それこそ額から汗が出るまで足湯に浸かって、汗を拭いて着替えて寝かせるというだけでも、個人差はありますが後の結果が違ってくる。

そういった、免疫力を強化したり、引き出したりするということが整体の根幹であって、骨格の歪みを直したり、ずれた関節を戻すといったことはあくまでその延長なんです。

――病気にしてもケガにしても、治すというよりは罹りにくくしたり、ケガをしにくくするというのが基本にある、というわけですね。

寺門:というよりは、症状の根本にあたるということです。体を痛めやすい人の多くは、痛める場所が決まっていて、いつも同じ場所を痛める。そういう場所は他の場所よりも血行が悪くなっているので、そこを改善せずに症状だけ抑えようとしても解決になりません。

風邪にしてもそうで、半年の間に5回も6回も風邪をひくようなら、それはちょっとウイルスに入られすぎでしょう。薬を飲むだけでなくて、それ以前に異物に対する体の防御機能を高めておきましょう、というのが整体の考え方ですね。

この考え方は、体をいつまでも若々しく保つことにもつながるわけで、整体と「アンチエイジング」は決して無関係ではないんです。

――「老い」を感じる瞬間は人それぞれですが、きっかけとして多いのはどんな点でしょうか。

寺門:やはり顔ではないでしょうか。特に女性ですよね。急に白髪が増えたり、肌が弛んだりといったことで老化を実感することが多いようです。

僕の整体院にも女性の患者さんがよく来られるのですが、たとえば腰が悪くて通っている方だと全身の調整になるんですね。そうすると施術が終わった後は顔の皮膚も上がるのですが、腰痛の改善よりもそちらを喜ぶ方が多いくらいです(笑)。

――『老いない体』というタイトルですが、これは本当に可能なのかという疑問があります。

寺門:「死なない体」と言っているのに近いですよね。このタイトルについては、出版社と話している時も、「そんなことは絶対にありえないからやめよう」と言われました。

ただ、人間はものすごく老け込む人と、いつまでも若々しい人の両極端に、歳をとるごとにはっきり分かれます。だからこそ、日頃の多少の注意によって誰でも若々しい側に行ける希望があるんだよということを、このタイトルで示したかったんです。

――アンチエイジングをテーマにしつつ、日常的な体の不調についても解説されています。「眼窩脱臼」などあまり見慣れない言葉を使っているのが特徴的です。

寺門:実は、「眼窩脱臼」は僕の造語で、眼球が前に飛び出してしまって、正常な位置に戻らなくなってしまったことで、目だけでなく脳や他の体の部位にも不調を抱えている状態を指します。

スマホやパソコンが普及して、デスクワーク主体の人が体の部位のなかで目だけを極端に酷使するようになったことで、この状態になる人が増えている。警鐘を鳴らす意味も込めて「眼窩脱臼」という言葉を使っています。

――他にも「目と、股関節のインナーマッスルは、連動している」などユニークな項目が多くありました。

寺門:一般的に年をとるにつれて目は悪くなってくるわけですが、それと同時に足腰の動きも悪くなっていきます。これらは別々のことだと思われがちなのですが、実は関連性があるんです。

だから、僕の治療院では、軽度の近視であれば股関節の内側の緊張をほぐして治すんです。これは「秘伝のタレ」みたいなもので、詳しいやり方まではお話しできないのですが。

(後編につづく)

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