アーティストたち、民ともにまちの魅力を掘り起こしていく都市型アート・プロジェクト

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東京都現代美術館では、大規模改修工事のため休館中のプログラムとして2017年2月11日から3月20日まで「MOTサテライト 2017春 往来往来」を開催。「MOTサテライト」とは、休館中の美術館が外に出て、近隣のさまざまな拠点と協力し、アーティストたちや住民とともに、場所や人、記憶や歴史と関わりながら、まちの魅力を掘り起こしていく試みだ。 地域の一員としての美術館が、アートと社会の関わり方を多角的に提案し、新しい都市型アート・プロジェクトを展開する。
「往来往来」の舞台は、遠い昔、松尾芭蕉が居を構え、隅田川を上って 「おくのほそ道」の旅へと出発した地でもある。この旅で彼が達した「不易流行」という境地−変わらない本質的なものと、時代によって革新されていくものとが結びつくこと−は、川と運河に囲まれてゆるやかに変化し続けてきたこのまちが、時代を超えて培ってきた精神を言い当てているように思える。古いものと新しいもの、人々のさまざまな思いや記憶の往来の舞台となってきたこのまちの姿をともに感じることから、アーティストたちと美術館、ここに立つすべての皆様が、新たな往来へと出発することを企図している。

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松江泰治《JP-13 26》2016年

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ひがしちか(Coci la elle)

 

 

プロジェクト/参加作家紹介
飯山由貴+remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]
飯山由貴 1988年神奈川県生まれ。過去の歴史資料などの綿密なリサーチをもとに、個人/共同体の物語が作られるメカニズムに焦点を当てたインスタレーションや映像作品を展開。
remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織] 「文房具としての映像」というアイデアを手がかりに、表現活動や日常生活における“メディウム(媒介)”のあり方を多岐にわたって実践・研究する非営利組織。
カニエ・ナハ+大原大次郎

 

カニエ・ナハ 1980年神奈川県生まれ。2010年『ユリイカ』の新人に選ばれる。2016年詩集『用意された食卓』で第 21回中原中也賞を受賞、現在最も注目される若手詩人のひとり。装幀家として本の装丁や手製詩集のプロジェクトなども手がけ、現代美術家とのコラボレーションや朗読パフォーマンスも活発に行っている。
大原大次郎 1978年神奈川県生まれ。2003年武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。同年omomma設立。タイポグラフィを基軸としたデザインワークや映像制作に従事するほか、展覧会、ワークショップ、パフォーマンスなどを通して、言葉や文字の新たな知覚を探るプロジェクトを多数展開する。
クサナギシンペイ
1973年東京都生まれ。「nowhere now here」(タカ・イシイギャラリー、東京、2015年)などで個展を開催。書籍の装丁画も数多く手がけ、2013年求龍堂より清澄白河周辺を描いた画文集『清澄界隈』を出版。
ごはん同盟
ごはん好きの、ごはん好きによる、ごはん好きのための、炊飯系フードユニット。試作係(調理担当) のしらいのりこ、試食係(企画・執筆担当)のシライジュンイチの二人で活動。お米やごはんに関連する料理教室、ワークショップ、イべントの企画運営、執筆活動、メニュー開発などを行っている。
佐野文彦
1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店にて数寄屋大工として弟子入り。2011年佐野文彦studio PHENOMENON設立。日本の伝統的な意匠や素材、技法など数寄屋大工だった経験を生かした空間設計やリノベーション、インスタレーションを国内外で多数手がける。世界各国で現地の素材を使い、地域に根差した空間を作る事で各地の文化を浮き上がらせるプロジェクトを展開している。

 

花代
1970年東京都生まれ。玉川大学文学部美術学科彫刻専攻在学中にパリへ留学、その後1989年に向島で半玉修行を始める。1995年に花柳界を引退し渡英。現在、東京・ベルリンを拠点に、写真家、芸妓、 ミュージシャン、モデルとして多方面で活動を展開。自身の日常を幻想的な色彩で切り取る写真やコラージュ、またこれらに音楽や立体表現を加えたインスタレーションを発表。国内外での多数のグループ展・国際展に参加、ライブ・パフォーマンスも行う。
ひがしちか
1981年長崎県生まれ。2010年に「Coci la elle(コシラエル)」を屋号にブランドをスタート。手描き の絵や刺繍を施した1点物の日傘には作品と商品の間の魅力があり、日傘の新たな価値観をつくりだす。 2012年にイラストレーターの塩川いづみ、前田ひさえとともに布にまつわるプロジェクト「meme (ミーム)」を始動。現在は清澄白河にアトリエを併設した「コシラエル本 店」を構える。

松江泰治
1963年東京都生まれ。 1987年に東京大学理学部地理学科を卒業後、1991年のイエメン旅行をきっか けに世界各地の地表を撮り始め、「地球の表面のサンプルを収集する」というテーマのもと、一貫した スタイルで撮影を続ける。2006年の『JP-22』以降は空撮を取り入れ、2010年からは「動く写真」と彼が呼ぶビデオ作品も発表。無機質な俯瞰の中に豊かな細部を含んだ独自のスタイルを持つ写真は、国内外で高い評価を集めている。 2002年、第27回木村伊兵衛写真賞受賞。東京国立近代美術館、東京都写真美術館、横浜美術館、ヒューストン美術館、サンフランシスコ近代美術館ほかに作品収蔵。
mi-ri meter
宮口明子と笠置秀紀によるユニット。建築、フィールドワーク、プロジェクトなど、ミクロな視点と横断的な戦術で都市空間や公共空間に取り組む。 日常を丹念に観察し、空間と社会のさまざまな規範を解きほぐしながら、一人ひとりが都市に関われる「視点」や「空間」を提示する。各地のアート・プロジェクトにも参加している。

毛利悠子
1980年神奈川県生まれ。現代美術家。2006年、エリック・サティをモチーフとした《vexation》で 「アルスエレクトロニカ オノラリー・メンション」、「トランスメディアーレ 銀賞」受賞。2016年には「六本木クロッシング」に参加したのち、ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムとカムデン・アーツ・センター(ロンドン)にて滞在制作。「コーチ・ ムジリス・ビエンナーレ」など国内外での発表を多数予定している。

 

吉増剛造プロジェクト(吉増剛造、カニエ・ナハ、高柳克弘 ほか)
吉増剛造は1939年東京都生まれ。1964年に『出発』でデビューして以来、現代詩の最先端を疾走し続けている。主な詩集に『黄金詩篇』(1970年)、『「雪の島」あるいは「エミリーの幽霊」』(1998年)などがある。2015年、日本芸術院賞・恩賜賞、日本芸術院会員。朗読パフォーマンスの先駆者としても知られ、1960年代から現在まで、日本各地およびフランス・イタリア・アメリカ・ブラ ジル・韓国などで詩の朗読を行っている。本プロジェクトでは、詩人のカニエ・ナハ、俳人の高柳克弘らとともに深川の地を多層的に描き出す。

 

フェロー・プロジェクト
地域の特色あるオルタナティブな拠点と「MOTサテライト」との共催プロジェクト
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清澄白河を拠点とし、「音」を入り口に活動してきた二組が、合同でプロジェクトを行います。

 

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空間からコンテンツまで広く「場をつくること」にまつわるさまざまなデザインをおこなうチーム 。その探求(lab)の「場」として、清澄白河にスタジオ、カフェ、セレクトショップ、ギャラリー、コミュニティサロンの機能を備えたgift_labを構え、モノやコトを超えて状況をつくりだすことを企図する。ここを拠点に音楽のライブやワークショップを行うとともに、越後妻有に山ノ家cafe&dormitoryを構え、 都市/ローカルの複数の拠点を持つ新しいライフスタイルを提案する。

AS(アンドレアス・シュナイダー)
べルリン芸術大学卒業。江東区在住。1996年に多摩美術大学の情報デザイン学科設立に携わり、教鞭をとった後、2001年から2010年までIAMAS 国際情報科学芸術大学院大学・インタラクションデザイン研究室で教鞭をとる。デザイナーとして活躍する一方、デザイン開発のプロセス研究者である。清澄白河に居を構えてからは、ここを拠点にサウンド・アートのイベントを数多く企画している。

アートト
現代美術のゼミやスクールを展開する拠点が「MOTサテライト」を観察、リサーチし、地域とアート/美術館の関わりの可能性を探ります。 アートト/art to はキュレーター・小澤慶介が主宰する学びの場。社会人や学生、アーティストたちが集まり、現代美術やヨガを通して、よりよく生きるためのヒントを探る。地元のアートファンたちも参加している。

地域パートナー
地域の大きな魅力であるギャラリー、工房、ショップ、映画製作委員会などの拠点の皆様も同時期にさまざまなプログラムを開催します。

 

 

開催概要
名 称:MOTサテライト 2017春 往来往来
会 期:2017年2月11日(土・祝)-3月20日(月・祝) メイン会場(MOTスペース1−7)は木・金・土・日・祝開催/MOTスペース以外(清澄白河エリアの施設、カフェ、ショップなど)は会場ごとに定休日・開催時間が異なります。Webなどで事前にご確認の上ご来場ください。
主 催:東京都、東京都現代美術館・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
後援:江東区
特別協力:深川資料館通り商店街協同組合/ 江東区深川江戸資料館/ 共同紙工株式会社/ 日本仕事百貨/ GRANTCHESTER HOUSE
協力:江東区芭蕉記念館/ 江東区立深川図書館/ 公益財団法人東京都公園協会 清澄庭園/ 法苑山 浄心寺/ あづま屋文具店/京呉服・宝石の店 田巻屋/ 大久保クリーニング/ 三河屋精米店/ 杉原商店/ Coci la elle/ アライズ コーヒーロースターズ/fukadaso CAFE/ / オールプレス エスプレッソ/ mamma cafe 151A/ しまぶっく/ smokebooks/ NOiS 清澄白河/ 深川ワイナリー株式会社(株式会社スイミージャパン)/ / 宮坂醸造株式会社/ WHITELIGHT,Ltd.,/ 株式会社Bcc
協賛:株式会社 資生堂
会 場:清澄白河エリアの各所
お問い合わせ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)

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ウェブサイト: http://www.neol.jp/

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