うなぎが高ければ山芋を食べればいいじゃない! 普茶料理の「もどき蒲焼」で子どもも納得するか試してみた

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なんせ貴重な食材ですから

連日の残暑に負けちゃいかんと、家族にナイショでうなぎを食べに行ったときの話です。ええ、こう見えても一家の大黒柱ですからね、フンパツして松竹梅の「竹」をオーダーしましたよ。野口先生を3人出して、お釣がちょろっと返ってくるくらいの値段です。

で、やってきたうな重様! 嬉々としてお重のふたを開けたら「あンれぇ、小っちゃくねっ!!」。味のり2枚分くらいのサイズ……、というのはさすがにオーバーですが、体感的にはそんな感じですよ。まあ、絶滅が危惧されている貴重な食材ですから仕方ないですが、もし家族連れで来店していたらと思うと……、自分の懐が先に絶滅しかねません。

中国式精進料理に「もどきうなぎ」があるらしい!

懐を気にせずうなぎを食べる方法はないかな~なんて考えていたら、普茶料理なるものの存在を知りました。普茶料理とは、江戸時代初期に明の僧であった隠元禅師によってもたらされた中国式精進料理のこと。

その代表的なメニューといえば、みなさんもご存知の胡麻豆腐。そんな普茶料理の中には、山芋などの野菜を使った「もどきうなぎ」があるというじゃないですか! それなら1人一尾食べたって食材費は知れてます。さっそく自宅で挑戦。「父ちゃんがうなぎを食わしてやる」と偽って、子どもたちに振舞ってみました。

「もどきうなぎ」の作り方(2人分)

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材料
大和芋 100g
レンコン 50g
ゴボウ 30g
豆腐(水切りしたもの) 1/4丁
焼きのり 半切2枚
片栗粉 大さじ1杯

調味料
蒲焼のタレ(市販品)

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豆腐以外の材料の皮をむいたら、ざく切りにします。次にすべての材料をフードプロセッサー(なければおろし器ですりおろし)にかけます。

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材料がペースト状になればOK! ゴボウ入れるのはツブツブの食感がうなぎの小骨っぽいからみたいっす。

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のりを準備しましょう。うなぎの皮に見立てるので、尾に当たる部分をそれっぽい形に切っておきます。

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これに先程のペーストを塗りつけていきますよ。

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フライパンにやや多めに油をひき、のり(皮?)面を下にして中火でじっくり揚げ焼きにしていきます。

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身のエッジがカリカリになってきたら、ひっくり返します。

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身がキツネ色になればOK。このままでもよいのですが「もどき」料理なので、うなぎに見えるように筋を入れていくとそれっぽく見えます。

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ここに蒲焼のタレを塗れば完成です!

果たして子どもは「もどきうなぎ」にだまされるのか!?

さて、ここで我が娘たち、長女エッカちゃん(7歳)、次女あーたん(4歳)に登場してもらいましょう。もちろん本物のうなぎを知らなければ、もどきを見破ることはできません。これまでの2人のうなぎ歴といえば……。
スーパーで売ってるうなぎ→これまでに家で10回弱くらいは食べたことはある。
うなぎ専門店での外食→ウチで1回、祖父・祖母に連れられて1回の計2回ある。
その他→奥さんの実家に半月前に泊まった際、お中元できた贈答用うなぎを食べた。

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数週間前に本物のうなぎを食べたばかりというのが気になるが、とりあえずカゲゾウ特製の「もどきうなぎ」を出してみました。

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早速うな重にしてかぶりつくエッカちゃん。

おお、食いつきが良いぞ! 感想を聞いてみると「おいしい、おいし過ぎる」だって。

「この前おばあちゃんちで食べたうなぎと比べてどう?」と聞いてみると、「こっちの方がおいしい!」だって。マジか!? その後、一瞬でお茶碗をカラにしたエッカちゃん、その後おかわりまでしてました。

よかった、「もどきうなぎ」とはいえ「これなら子どもたちに腹いっぱいうな重をたべさせることができるよぉ」と1人感動していたら、

「あ、アレ!? あーたんが一口も手をつけてないじゃん!」

聞けば「食べたくない」そうで、なぜかと聞いても特に理由はないらしい(普段は普通に食べているのだが)。やれやれ、4歳児とはいえ乙女ということか。父ちゃんには女心がわからんよ。

ここで「もどきうなぎ」であることをネタばらし、あーたんの反応は案の定にぶいものの、エッカちゃんは「えーーーー!!! だまされた~」とナイスリアクション。世のお父さん、お母さん、小学校低学年くらいまでなら、「もどきうなぎ」でもいけそうですよ。

ついでに「なんちゃってうな肝吸い」なども

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実は見破られた時用に本物のうなぎも買っておきました。うな重にするなら肝吸いもつけたいところです。が、うなぎのキモは普通のスーパーだとほとんど売っていないので、鶏のレバーで代用することに。

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数時間牛乳に漬けて臭みを取った鶏レバーをボイル。お湯から取り出し、一口大に切ったら三つ葉と一緒に味噌汁椀に。そこに濃ゆ~く出汁を取り、塩と薄口醤油で味を整えた汁を張れば「なんちゃってうな肝吸い」のできあがり。本物のうなぎと共に大人だけでおいしくいただきました。

※この記事は2017年2月の情報です。

書いた人:飯炊屋カゲゾウ

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1974年生まれの二女一男のパパ。共働きの奥さんと料理を分担。「おいしいものはマネできる」をモットーに、料理本やメディアで紹介されたレシピを作ることはもちろん、外で食べた料理も自宅で再現。家族と懐のために「家めし、家BAR、家居酒屋」を推進中。「双六屋カゲゾウ」名義でボードゲーム系のライターとしても活動。「子育屋カゲゾウ」として育児ブログも更新中。 Twitter:@kagezou268 ブログ:子育屋カゲゾウの今日は子どもと何にしよう!

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