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ワカメたっぷり、すっぱいスープのご当地麺「平塚タンメン」はこだわりもたっぷりだった!

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神奈川県平塚市のご当地麺の存在を知ったのは、いつのことだったか。透き通ったスープにストレートの白い麺、刻みタマネギが浮かんで、ワカメがたっぷり。

こちらの名前はおそらく「ワカメラーメン」? と思いきや「タンメン」。炒めた野菜がのっていないのにタンメン? なぜ!?

メニューは「タンメン」と「ギョウザ」、「おみやげ」の3つ

というわけでやってきました、JR平塚駅。ここから歩いて3〜4分の「老郷(ラオシャン)本店」が、平塚タンメン発祥のお店です。

昭和32年(1957年)創業、現在のご主人は三代目の岩間和治さんです。

店内は明るく清潔感にあふれ、カウンター席も厨房もすべてピカピカ。ゆっくりと過ごしたい人には奥にテーブル席も用意されています。

食券機を見ると、メニューは「タンメン」「ギョウザ」「おみやげ(タンメン)」の3つ。みそ味のタンメンを作ったこともあったそうですが、お客さんのほとんどが「タンメン」を注文するので現在は発売していません。

お客さんは老若男女。昔から何年も通っている、20年ぶりに来た、お店の前を通ったら食べたくなったという人などでにぎわい、多くの人が「タンメン」と「ギョウザ」を注文しています。

初代が考案した、唯一無二のさっぱり麺

さて、この「タンメン」。考案したのは第二次世界大戦時に中国へ出兵し、現地の人たちが料理に酢をたくさん使うことを印象深く思っていたという、初代の岩間敏到さん。

戦後日本に引き揚げてから、その酢とアメリカから大量に入ってきた小麦粉を使って何か新しい料理を作れないかと試行錯誤。5年以上の月日をかけて、夏でも冬でもさっぱりと食べられる酸味のきいた「タンメン」を完成させたそうです。

「タンメン」の食券を差し出して注文すると、ご主人が大鍋にぐらぐらと湧いた湯に麺を入れます。

この白いストレート麺、かん水や保存料をはじめとする添加物をいっさい使用していないため、一日に提供する分だけを仕込んで、毎日作りたて。麺をすすったときに広がる小麦の味や香り、コシが出るように最高級の小麦粉を使用しています。

麺を大量の湯の中で泳がせるようにゆでるのは、火を均一に入れるため、小麦のぬめりを取って麺同士がくっつき合わないようにするため。ちなみにこの大鍋は50年以上使っているものだそうです。

親子三代、60年にわたって守り続けている味

麺がゆであがる間、ご主人は「熱いものはアツアツで出すのが料理人の仕事ですよね」と、どんぶりに湯を入れて温めます。

どんぶりが温まったら、タレ、酢、刻みタマネギなどのほか、白ワインを入れます。これは酢と相性のよいワインを入れることによって、スープにコクを出すためです。

スープのベースは豚骨。豚骨というと白濁スープのイメージがありましたが、濁りや臭みが出ないように、つきっきりで徹底的にアクを取り除いているのだとか。

また、酢を入れるのでスープの味がさっぱりしすぎないように、じっくりと煮込んで濃厚なコクを引き出すようにしているのだそうです。

こうしてできたアツアツのスープをどんぶりに注いで、麺がゆであがったら、平ざるを使い、目にもとまらぬ速さの見事な手さばきで湯切りして、どんぶりへ。

最後に、三陸産の最高級のワカメと厳選した国産メンマをのせて、できあがり。

はい、おまちどうさま

▲タンメン 550円

スープを一口飲むと、すっきりさっぱり、ほどよい酸味。その奥にじんわりとうま味やコクが感じられ、シャリシャリとした食感の刻みタマネギがいい仕事をしています。

麺はやさしい味わいで、つるつるとなめらか。喉ごしがよくて、箸を持つ手が止まらない、というのはこういうことをいうのでしょう。

そして、ワカメ。肉厚でコリコリの食感で、もうびっくり。潮の香りが口の中に充満して、こんなにおいしいワカメ食べたことがあっただろうか! です。

カウンターやテーブルには自家製ラー油が置いてあって、垂らして食べるのが、こちらのお店流。

辛味が出る唐辛子と香りが立つ唐辛子の2種類で作ったもので、ピリッとした辛味と芳ばしい香りが追加されるとともに、スープにさらなるコクが生まれます。

タマネギの甘味を楽しむ「ギョウザ」もご一緒に

▲ギョウザ 500円

多くのお客さんが「タンメン」と一緒に注文している「ギョウザ」。国産タマネギを細かく手切りし、その甘味を逃すことなく具に練り込んでいるため、「タマネギの甘味を食べるギョウザなんです」とご主人。

強い火力で一気に焼き上げ、外はカリカリ、中はとろとろ。とにかくアツアツなので、気をつけないとやけどしてしまいます。

すっぱいスープの「タンメン」と、甘味でいっぱいの「ギョウザ」は相性抜群。常連のお客さんたちは「ギョウザ」の半分は普通に食べ、半分は「タンメン」のスープの中に入れて水ギョウザとして楽しむのだそうです。

「わざわざ足を運んで、お金を払って食べてくれるお客さんの健康を損なうようなことはできない」と、初代から食の安全を第一に考え、質のよい食材を使用。カロリーも控えめにするなど、お客さん本意の商売を続けてきた「老郷本店」。

60年間変わることなく同じ味を受け継いでいる「タンメン」は、食材も作り方も、すべてにこだわりがたっぷり詰まった一杯でした。

そうそう、なぜタンメン? の疑問ですが、中国ではスープ麺を「湯麺(タンメン)」といいますよね。なので本来、野菜がのっているのは「野菜湯麺」、こちらの酢が入っているのは「酢湯麺」というわけで。

「おみやげ用の袋には『酢湯麺』って書いてあるんだけどね」とご主人。確かに、「平塚スタンメン」というより「平塚タンメン」といったほうが、なんとなくおさまりがいいかもしれませんね。

お店情報

老郷本店

住所:神奈川県平塚市紅谷町17-23

電話番号:0463-21-3658

営業時間:11:00〜23:00

定休日:月曜日

ウェブサイト:http://www.raosyan.net

※この記事は2017年2月の情報です。

※金額はすべて税込みです。

書いた人:森田奈央

散歩と猫が好きなフリーライター。カルチャースクールで散歩講座も行っています。おいしいものと出会えるとやっぱり嬉しいです。

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