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猫への愛情と人の優しさが融合する空間-保護猫カフェ&猫ホテル ねこんチ

猫とお客様を繋ぐ場所。“猫カフェ”を巡るそれぞれのストーリー(7)

ふとしたきっかけで、自分の暮らしが変わることがある。特に新しい仕事を始めることは大きな変化をもたらす。仕事をする上で高い志があれば、いつのまにか周りの人を巻き込んでいくだろう。例えばその仕事が「猫のいのちを守る」ことが中心になり、人が集まる場所が出来るのであれば、それはとても嬉しいことだと思う。

サスケ

猫への愛情と人の優しさが融合する空間-保護猫カフェ&猫ホテル ねこんチ

大阪府泉大津市にある「ねこんチ」の室山さんの前職は会社員。キャリアを重ねていく中で「もっと身近な地域に貢献できるような仕事を自分でやりたい」という気持ちが高まっていきました。その思いが保護猫カフェの開店に結びついたのは、一緒に暮らす猫を探し始めたことがきっかけです。
「5,6年前に2匹の兄弟猫を立て続けに亡くして、ペットロスになりました。暫くして新しい猫と暮らしたい気持ちが芽生え、ペットショップで買うよりも何処かで猫を貰いたいと思い、インターネットで調べました。以前の猫も「子猫あげます」の張り紙から引き取ったので、何処で猫と出会えるのか、あまり知識がなかったのです。やがて、保護猫カフェの存在に辿り着きました。地元に猫が好きな人が集まれる空間を作り、里親を探している猫を預かってお世話をして、猫を欲しいと思った方に譲渡する場所があったら、自分や他の人も嬉しいのではないか?と思いました。その気持ちと、会社員から独立して何かをやりたいという思いが重なり、保護猫カフェの開店に動き始めました」
外観

柔らかいタッチのイラストが描かれた看板が、町の中に溶け込んでいます。
内装

白を基調とした店内は清潔感に溢れており、猫たちもゆっくりくつろいでいます。
雑貨

温もりのある手作り雑貨はお客様に好評で、頻繁に新しい商品が並びます。

開業前には、保護猫活動をする団体の里親会に何度か通います。今後の協力者や、里親会では中々選ばれない大人の猫を保護している方との出会いが目的でした。最初は保護猫活動やボランティア未経験で相談をしても、中々相手にして貰えなかったそうです。何度か通ううちに室山さんの熱意が伝わり、力を貸してくれる人が見つかります。その方達はボランティア活動の長い経験があり、保護活動の現状や、引き取って里親が見つかるまでの猫のケア等、沢山のことを教えてくれました。そしてボランティアの方達と親交が深まる中で、猫の幸せを第一に追求している姿を見ながら、自分が理想とする保護猫カフェのイメージや方向性を固めていきます。店内にはテレビや無料Wi-Fiを設置して、飲み物もフリードリンクにして、「お店」というよりも「猫がたくさんいる家」のような雰囲気作りを心がけました。定員6名と少人数のため、少し混み合う時もゆっくりと猫達と触れ合える空間となっています。
「お店は敢えて「譲渡型・保護猫カフェ」と謳いませんでした。譲渡目的ではない方にも気軽に遊びに来て貰いたかったのです。また一方では譲渡が進まなくても、お店が存続すれば、猫たちは此処でゆっくり暮らせばいいという想いもありました」

お店初の譲渡は「まっちゃん」というおっとりした茶白の2歳男の子。室山さんにとって保護猫活動は未経験のため、お店で愛情をかけた猫が別の家に行くことを寂しく感じました。お店でくつろいで過ごし、お客様にも可愛がられていたので、余計その思いが強かったようです。しかしある日、里親先の自宅での写真を見る機会があり、そこには幼い子猫のような表情のまっちゃんが写っており、お店にいるときとは違った表情を見せていました。この経験から、愛情を沢山浴びてお店にいても、家猫としての幸せが猫にとって格上と感じた室山さんは、お店は猫の幸せへの通過点のような存在と考えるようになります。在籍する間は出来ることを精いっぱい行って、卒業する時には心からよかったと送り出してあげたい。愛着のある猫を譲渡した後に、新しい猫をお店に迎えることで、多くの猫が家猫になるチャンスを広げられると今は思っているそうです。

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