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ナガオカケンメイさんインタビュー「等身大の生活に合う家具を見極めるリアルな時代」

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ひとつくらいならギリギリできるよくできた椅子

D&DEPARTMENT創設者、グラフィックデザイナー、ロングライフデザイン活動家、大学教授…さまざま肩書を持ち多方面で活躍するナガオカケンメイさん。MARUNI60(マルニ60)のプロデューサーでもあり、全国のD&DEPARTMENTでマルニ60を売る販売者であり、また、自宅でマルニ60のオークフレームチェアを使うオーナーでもあります。

2017年2月、マルニ60からはナガオカケンメイさんがセレクトする限定品が発売されます。マルニ60が新たな動きを見せるこのタイミングで、生みの親であるナガオカさんに改めてマルニ60について、そして話は転がり「限定品をつくること」「近年の家具の選ばれ方」についてお伺いしました。

■ナガオカさんプロデュースで2006年に誕生した「マルニ60」ですが、数ある家具メーカーの中でなぜマルニ木工だったのでしょうか?

ナガオカケンメイ:日本の1960年代って、あらゆるメーカーが日本のためにものをつくっていました。マルニ木工は、広島を代表する家具メーカーでありながら日本のために革新的にデザインをしていった。特に「工芸の工業化」っていうテーマを掲げ、手仕事でありながらも量産をしていくというのが日本の産業の未来を予見してるっていうか、その時点で好きになっちゃったんですよ。

あとはマーケティングをしてものづくりをしていない。自分たちがいいなと思った形を社内でちゃんとつくられている発想のオリジナリティがすごい好きです。柔軟性がある会社で「マルニさんだったらお願いしたらやってくれるかな」みたいなところがあると思うんです。

大企業になればなるほどなんとなくみんなが気に入る、無難で合理的なものになっちゃうんですけど、マルニさんが目指しているマーケットの大きさっていうのがあって、そこが好きなんですよ。「誰にでも」って言ってないところが。 is4_a085e87bb1a0cb15a0dba2aa7d7b5a53

■マルニ60のファーストプロダクトは「オークフレームチェア」でした。どうしてあの製品を選ばれたのでしょうか?

ナガオカケンメイ:あの「傾斜角」で選んだところはありますね。傾斜がついたものだと「何もしない」っていうか、お客さんが来てぐだーっと座って対話する。直角に近いものは、勉強もできるし、ご飯も食べられるし、がんばったらちょっとのんびりできる。オークフレームチェアは座面も背も傾斜がついているので、ご飯を食べたり、ものを書いたりとかできないんですよね。「なんでもはできない椅子」なんです。すごく用途が限られるんです。

ひとつくらいならギリギリなんかできる。なんかこう、本読みながらお湯割りの焼酎を飲んで置くぐらいのことはできるんです。そういう用途が見えたんで、「ああー、いいな」って。家で長時間座る椅子として、オークフレームチェアはすごくよくできてる椅子なんです。

なので売る立場に立つとちょっと難しいんです。今は多用途に使えることが求められるので。僕個人の場合は用途がひとつ、「だらっとする」って用途しかなかったんでもうぴったり。

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ご自宅でもマルニ60のオークフレームチェアをお使いなんですよね。

ナガオカケンメイ:僕は出張が多いので、家にいる時間がすごい短いんですよね。そうなると、その時間に使うものがすごい重要なんです。座る椅子はマルニ60の椅子とYチェアの2種類しかないんですけど、このふたつにほとんど座っていて。くつろぐ椅子と食べる椅子です。

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