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不気味なドット絵世界をさまようADV『The Count Lucanor』少年は伯爵になるべく城の試練へと挑む

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今回は、昨年11月24日に日本語が公式に追加された、ドット絵で表現されたアドベンチャーゲーム『The Count Lucanor』を紹介。インディゲームデベロッパー「Baroque Decay」が手がけ、ゲーム配信プラットフォーム「Steam」にて980円で販売されている。

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本作は『ゼルダの伝説』、『ゆめにっき』、『サイレントヒル』に影響を受けて制作され、不気味な世界観から「ホラー」とタグ付けされてはいるが、ホラー耐性「0」の筆者でもクリアできたおすすめゲームだ(一部グロテスク表現は存在する)。ゲームを進めるたびに謎が深まる物語や、マルチエンディング制も特徴となっている。

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主人公は「ハンス」という少年。彼の家は貧しく、父親は戦争に行ってしまい、母一人子一人の生活をしていた。物語は、早く大人になりたいと願う少年が10歳の誕生日を迎えるところから始まる。早く大人になりたいとは思うものの、まだ子供だ。

ある日、ハンスは家に帰るなり母に誕生日プレゼントやケーキをねだる。しかし、自分の希望とは異なる母からの返答に、少年は怒り家を出る決意をするのであった。

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貧乏に嫌気が差し、探検家や王子様になりたいんだと言い放った少年に対し、心配し優しく母は語りかける。そして、叔父の形見である「杖」、なけなしの財産である「金貨」、食料の「チーズ」を手渡す。少年は愛犬に別れを告げて森へ目指す。

行く先で出会う怪しげな人たちからの要求

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豚にとってはこのままじっとしていた方が良さそうだ
 
このおばあさんは、市場へ豚を売りに行く途中で「杖」を壊してしまって困っているらしい。少年の手には、母から渡された叔父の形見の杖がある。「くびつりの森」と名付けられた物騒なこの森で、おばあさん1人で夜を迎えさせるのは心配だ。このまま見捨ててしまうのはどこか胸が痛む。

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森を抜けると、「のろわれた峡谷」に出る。そこで、またしても困っている人と出会う。この商人は品物を運んでいたところ荷台が壊れてしまって立ち往生しているようだ。荷台を直すために金貨を欲しがっている。家にある全ての金貨を賢く使いなさいと母に言われたが、渡された金貨をどう使うかはプレイヤー次第。

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ヤギ飼いは腹を空かせてチーズを欲している
 
困っている人を見捨てず、無償の愛で救っていくのも良し。優しく気をかけてくれた母からもらったアイテムを大事に残しておくのも良し。この他にも、選択を迫られるシーンがいくつかある。あなたが取った行動が正しいか間違っていたかの判断は、ご自身の目で見届けていただきたい。

少年が目覚めると、そこは歪んでいた

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先程のヤギ飼いが無残な姿となっている。ヤギは2足歩行に!?
 
森の探索を進めていく内に少年は気を失ってしまう。目が覚めるとあたりは暗く、夜になってしまったようだ。足元に落ちていたロウソクを拾い来た道を戻ろうとするのだが、どこかおかしいことに気づく。

突然少年の目の前に現れた青い妖精。話しかけようとするが、闇の奥へと逃げて行ってしまう。後を追い、少年は導かれるように城の中へ足を踏み入れる。

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とっさに少年は青い妖精に対し貴族と嘘をつくが……
 
城の中へと入ると、青い妖精からこの城は、「ルカノール伯爵」が持つ「テネブレ城」だという紹介を受ける。城があることも、伯爵が家の近くに住んでいたことも少年は知らなかったようだ。青い妖精は、伯爵が慎重な性格だからと返す。いくら慎重な性格とはいえ、存在すら気づかないものだろうか。そして、伯爵は自分の跡を継がせるために立派な男を探していると聞く。

後継者になることができれば、巨万の富を得られると気づいた少年はとっさに「自分はある国の貴族だ」と自分を偽ってしまう。もし自分が伯爵になれば、家を出る時に母に言い放った王子様になるという夢も叶うのだから。

しかし、誰でも後継者になれる訳ではない。後継者にふさわしい人間かどうか試したいと青い妖精は言う。後継者が下劣であってはいけないと考えているからだ。それは貴族であっても例外ではない。慎重な性格である伯爵は、こうやって幾度もの人を試してきたのだろうか。少年は、自分の身分を隠しながら伯爵になるために試練へと挑むのであった。

伯爵の後継者になるために与えられた試練

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檻に囲まれた宝箱を開けるためには、装置を起動させなければならない
 
試練を達成するためには、あるアイテムが必要となる。青い妖精が出した問いへの返答が間違っていた場合、ダメージのペナルティを受けてしまうので、いい加減に答えるのはやめておこう。

アイテムは各部屋の宝箱に隠されており、部屋には鍵がかかっている。鍵の種類は複数存在し、部屋の入口に旗が垂れ下がっている「旗の色=鍵の色」となっているので把握しやすい。

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このドクロは、自分と同じく後継志願者なのか……
 
鍵を入手して部屋に入っても、容易くお目当てのアイテムを手にすることはできない。ルカノール伯爵の後継志願者を妨げるトラップが多く仕掛けられている。上記画像の部屋では、しっかり足元を確認して歩いていかないと、突然床から針が飛び出してきて串刺しになってしまう。床や壁に残された血痕を頼りに進むと良し。

アイテムを求め探索を続けていくと「J.F」という人物のメモを発見する。彼もまたルカノール伯爵の後継者になるべく試練に挑戦していたのだろうか。城の中を進み歩いてもメモしか見つからずJ.Fの姿が無い。彼の行方は一体……?

暗闇に包まれた城内を、少年を狙う刺客が見回る

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マップは分かりやすいので道に迷うことはない
 
城内の通路はとにかく暗い。ただ、部屋と部屋の間を歩き回るだけであれば暗くても問題が無いのだが、城内には危険な「伯爵の召使い」が巡回している。10歳になったばかりである少年に召使いを倒す手段は無い。召使を目視しようとも少年が持つロウソクの明かりでは自身の周りを照らすのが精一杯だ。

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攻撃を回避するためにテーブルの下へ隠れる
 
攻撃手段が無い本作では「ロウソクを置く」と「隠れる」行動を駆使していく必要がある。そう、少年が持つロウソクは複数入手可能で床に置くことができるのだ。1本のロウソクの照らす範囲は少なくとも、道中や曲がり角に置くことで周囲の監視として活用しよう。召使いには「赤の秘書長」と呼ばれるボスがおり、召使い以上に危険なので警戒は怠らないでほしい。なるべく城内を明るくし身を狙う刺客から見つからないことが先決だ。

設置したロウソクを使い、刺客をいち早く発見してテーブルの下やカーテンへと身を隠そう。息を潜めてヤツらが離れていくのを待つしか無い。ロウソクやセーブは有限だが、残しておくくらいなら使っておくことをおすすめする。

人々らを侵食していく「狂気」

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道中に出会った人たち。おばあさんは豚を連れていたはずだが?
 
城内には少年が城に辿り着く前に出会った人々がいる。少年のことを覚えているのだが、どこか会話がおかしい。「彼らは本物なのか、それとも正気を失っているだけなのか」。物語が進むに連れて、この庭園にいる彼らの行動も狂い始めていく。

また、ルカノール伯爵には、ルクレツィアという娘がいることが発覚する。彼女がどう物語に関わってくるのだろうか。謎は雪だるま式に増えていくばかりだ。

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血塗られた家は、どこか見覚えのがあるような……
 
ドット絵でありながらグロテスクな表現、狂気に包まれた城内で起こるストーリー、ゴシックテイストのBGMが相まって、中断することなくぶっ通しでプレイしてしまった。筆者はクリア後、おとぎ話や童話を読み終えた時と似た感覚に浸った。

本作はマルチエンディングとなっている。試練に挑んだハンス少年は伯爵となることができるのか? 登場人物たちの行く末をエンディングで確かめていただきたい。

[作品情報]
タイトル:『The Count Lucanor』
開発元:Baroque Decay
プレイ時間:4時間程度
価格:980円

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