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ネットメディアは「情報の検証」をさらに検証する方向に進む?

ジャーナリストの須田慎一郎氏とIWJ代表の岩上安身氏

 インターネット上のニュースメディアは、従来のジャーナリズムを変える力を持ち合わせているのだろうか。東日本大震災以降、ネットメディアを通して、政府や東京電力の記者会見を視聴した人も多いだろう。だが、「ネットはデマ・流言ばかり」という声も聞かれ、実際に真偽不明の情報が数多く拡散したのもまた事実だ。2012年1月12日のニコ生×BLOGOSでは、「2012年、ネットメディアでジャーナリズムは変わるのか」というテーマで議論が行われ、ネットメディアの強みとして、ジャーナリストの須田慎一郎氏が「(情報の真偽についての)検証作業の”検証”」を挙げるなどした。

■ネットメディアに情報の真偽は検証できるのか?

 インターネットメディア「インディペンデント・ウェブ・ジャーナル(IWJ)」代表の岩上安身氏は震災後、政府や東電の記者会見を生中継してきた。その岩上氏は、「ネットの中でも『ライブ配信』の影響力が大きくなった。速報性があるのは当たり前で、もう一つは情報量に制約がないこと」と特徴を語り、震災直後には24時間体制で中継を行い、多くのネットユーザーが会見を視聴したことを紹介した。

 これに対して、須田氏は「情報量に制約がないという強みを提供されていて、それはメディアとしては魅力的」とした上で、

「でもジャーナリズムとしての役割もあると思う。素材をそのままドンッと提供するのではなくて、事実の検証作業は必要。発言の内容が正しいのか誤っているのか。そこはどう考えるのか」

と問題提起した。岩上氏は、既存メディアによる従来のジャーナリズムにおいては不可能であった「発言(の有無や文脈)が事実かどうか」を、インターネットメディアは市民も知ることを可能にした点を強調。次の段階として「発言内容をもっと深掘りできるかというテーマは残っている」とし、調査報道の必要性などに言及した。

■検証作業自体の可視化、そして参加できる

亀松編集長「プラットフォームに重点を置こうと考えている」

 「ニコニコニュース」編集長の亀松太郎氏はこの点について、「我々はどちらかと言えば、いわゆるプラットフォームに重点を置こうと考えている」と語り、すべての情報の真偽を検証するには困難が伴うが、議論の場を作ることで検証作業に寄与し得るとの考えを示した。また、フリーランスライターの畠山理仁氏は、ネットメディアの利点として「コメントがヒントになる」点を挙げた。すなわち、

「視聴者が知っている事実があるので、『こういう見方もあるのではないか』というのを一挙に集めることができる。レスポンスをリアルタイムに見られるということで、たった一人ではなく、視聴者も巻き込んで事実を検証していく」

ことで、情報の質を高められるのではないかということだ。

 これらを受けて須田氏は、既存メディアでは、検証作業が「ブラックボックス」で行われており視聴者の目に直接触れないことが問題点だと指摘。一方でネットメディアは、「検証作業の透明性が高く、それを見ることができる、あるいはそれに参加することができる。検証作業の”検証”と言ったらいいのか、そういう方向に向かっているのでは」と分析した。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 須田氏の問題提起から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv76797292?po=news&ref=news#0:23:08

丸山紀一朗

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