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“ブルックリンの村上春樹”は遅咲きだった

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“ブルックリンの村上春樹”は遅咲きだった
J-WAVEで放送中の番組「ACOUSTIC COUNTY」(ナビゲーター:坂倉アコ)のワンコーナー「LINES SING」。2月8日(水)のオンエアでは、米ニューヨーク・ブルックリンに暮らす大人気作家、ポール・オースターの「ブルックリン・フォリーズ」をご紹介しました。

まるで村上春樹のように新刊が出るたびに大きな話題を呼び、ベストセラーリストに名を連ねるポール・オースターは、現代アメリカ文学において最も成功している作家のひとりです。ただ、作家としてのデビューは遅く、若い頃は石油タンカーの乗組員や、パリでボヘミアン的な暮らしをしていたり、翻訳の仕事をしていたり…。

80年代半ばに発表したニューヨークを舞台にした3つの小説「ガラスの街(シティ・オブ・グラス)」「幽霊たち」「鍵のかかった部屋」。ハードボイルドミステリーのようなスタイルをとりながら、ベケットやカフカにつながる不条理世界を描いたその3冊は、後に“ニューヨーク三部作”と呼ばれるようになり、オースターは一気にアメリカ文学界のみならず世界中の寵児となりました。

そしてそんな謎解きのスタイルで、人の心の奥に潜む闇を描くことが常だったオースターが、ちょっぴりコミカルに、軽やかに描いた喜劇が「ブルックリン・フォリーズ」です。舞台はオースター自身が長年暮らすブルックリン。主人公も、どこか彼を感じさせる60歳の男。長年勤めた会社を最近リタイアしたばかり。結婚も離婚も経験し、今は年老いてひとり、自分が生まれたブルックリンのアパートに住んでいますが、そんな熟年男による青春小説とも呼べる物語が綴られていきます。

悲観も楽観もせずブルックリンの街角で暮らす主人公は、特に何かやるべきことがあるわけではなく、お気に入りのダイナーで毎日同じ食事をとり、気になる店主がいる古書店に顔を出す日々。ところがある日、長年会っていなかった甥と出会ったところから、いろいろな事件が起こり始めます。

「フォリーズ」とは「愚かな奴ら」という意味。次々と出てくる愛すべき愚かな人間たちによって進む物語は、オースターによる人間の最高の喜劇、そして愛と再生の物語でもあるのです。

【番組情報】
番組名:「ACOUSTIC COUNTY」
放送日時:月・火・水・木曜 14時−16時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/acoustic/

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