【ITビジネスマンの寺業計画書】 お坊さんHacks!〜不在連絡票編〜

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【ITビジネスマンの寺業計画書】 お坊さんHacks!〜不在連絡票編〜

檀家寺のお坊さんとして日々あれやこれやと跳び回っておりますが、まだまだ慣れないことも多く、ミスの連続です。お檀家さんにご迷惑をかけてしまうことも少なくありません。それでも経験を積み重ねることで色々と自分なりの工夫が出来るようになりました。

流行りのGTD(Getting Things Done、たまったタスクはITツールを利用し、やり方を工夫して片付けてしまおう!)ならぬ、お坊さんHacks!と題して、そんな日々の工夫をご紹介していこうと思います。

第一弾の今回は、毎月のお参りで活用したい「不在連絡票」です。

僕は毎月、150軒ほどお檀家さんのお宅に伺っています。これは、亡くなられた方の命日に仏壇の前でお勤めをさせて頂く「月参り」というものです。僕にとっては、お檀家さんの変化(お孫さんが結婚されたとか、おばあさんが風邪を引かれたとか、お供えされている野菜やお花から季節を感じるなど)を知ることが出来る貴重な機会でもあります。

もう少し具体的にどのようなことを行なっているかというと、

1.お宅を訪問(インターホンを鳴らす)
2.ご在宅の場合、仏間へおじゃまする。
3.ろうそくやお線香に火を入れ、お勤めの準備をする
4.読経する(15分程度)
5.お話をする(世間話もあれば、法事や納骨の相談などもある)
6.来月のお参り日程をお伝えし、退室する

ということをその日にお参りする軒数だけ繰り返します。

毎回翌月の日程をお伝えし、都合が悪い場合は事前に電話でご相談の上で日程変更させて頂くようにしていますが、実際にお参りに行ってみると留守だったということがよくあります。(僕のお参り時間が遅れてしまったり、逆に早くなってしまったりすることも原因のひとつです)

そのような場合、今までは同じ日にお参りをするご近所さんに伝言をお願いしたり、お寺に戻ってから電話をかけたりして来月の日程をお伝えしていました。しかし、うまく伝わっていなかったり、お電話がすれ違ってしまったりすることも多く、もっとスマートな方法がないかと悩んでおりました。

というのも、一度お参りがお休みになると、それ以降の日程調整がうまくいかず、月参りが途切れてしまうことがあるからです。檀家さんにとっても僕にとっても貴重な機会を無くしてしまってはなりません。

そんなある日、檀家さんのお宅の玄関先で、宅配便を運ぶおじさんが不在連絡票をポストに入れている光景を目にしました。

(あれ、これからお参りするんだけどお留守なのかな)

「いや、そうだ、これだ!そう、お坊さんも不在連絡票を使えばいいんだ!」と、とんでもない発見をした気分でした。

ここで、あらためて宅配便の不在連絡票を見てみましょう。

it_42.jpg

荷主や配達物の内容、配達日時などの情報に加えて、再配達の為の手続き方法が分かりやすく記載されていますね。このよく考えぬかれたフォーマットを利用しない手はありません。

まだまだ改良の余地はありますが、現在僕が月参りで持参しているお参り不在連絡票がこちらになります。

it_43.jpg

留守のお宅があった場合は、伺った日付と時間、来月の日程を記載してポストに入れておきます。これで「あとで連絡しよう」と思っていながらそれを忘れてしまう心配もなくなりました。また、留守にされていた方がお戻りになられ、当日再訪問を希望される連絡がお寺に入ることもよくあります。その場合はお寺からその旨を携帯電話へメールしてもらい、確認次第改めてお伺いさせて頂きます。

小さな紙切れ一枚ですが、宅配便業者が荷物を確実に届けるように、仏の教えを毎月しっかりとお届けするための大切な一枚となっています。

○『彼岸寺』より転載:ITビジネスマンの寺業計画書
 

 

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松島靖朗

松島靖朗:彼岸寺

ウェブサイト: http://www.higan.net/bizplan/

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