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組織の中で自由に働くコツは「KPIになっていない仕事」をすること――楽天“自由すぎるサラリーマン”仲山進也さんの「奇跡のキャリアプラン」

日本最大級のネットショッピングモール「楽天市場」を運営している楽天株式会社に「自由すぎるサラリーマン」と呼ばれている社員がいるのをご存知だろうか。

楽天の正社員でありながら、出社の義務がない勤怠フリーかつ、楽天以外に仕事をしてもいい兼業フリーで、実際に「仲山考材」というご自分の会社も経営し、さらには横浜Fマリノスとプロ契約をしている。そんな規格外の働き方を実現しているのが仲山進也さん(43歳)だ。

仲山さんはどのようにして「自由すぎるサラリーマン」になったのか。前回は「自由すぎるサラリーマン」になった、まさにその理由について語っていただいた。

最終回となる今回は、組織の中でも自由に楽しく働くコツや、幸せなキャリアの作り方について語っていただきます。f:id:k_kushida:20170130174708j:plain

【プロフィール】

仲山進也(なかやま しんや)

1973年北海道旭川生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。シャープを経て、楽天へ。初代ECコンサルタントであり、楽天市場の最古参スタッフ。2000年に「楽天大学」を設立。楽天が20人から1万人の組織に成長するまでの経験をもとに人・チーム・企業の成長法則を体系化、社内外で「自走型人材・自走型組織」の成長を支援している。2004年、Jリーグ「ヴィッセル神戸」の経営に参画。2007年に楽天で唯一のフェロー風正社員(兼業フリー・勤怠フリーの正社員)となり、2008年には仲山考材を設立、オンライン私塾やEコマース実践コミュニティ「次世代ECアイデアジャングル」を主宰している。2016年からJリーグ「横浜Fマリノス」でプロ契約スタッフ。著書に『あの会社はなぜ「違い」を生み出し続けられるのか 13のコラボ事例に学ぶ「共創価値のつくり方」』『あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか ネット時代の老舗に学ぶ「戦わないマーケティング」』(ともに宣伝会議)、『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則 『ジャイアントキリング』の流儀』(講談社)など。

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夢中とモヤモヤのメカニズムがわかる「フロー理論」

──仲山さんは「自由すぎるサラリーマン」として楽しく生きているように見えるんですが、それをうまく維持するために努力していることや、苦労していることなどはありますか?

最近働き方についていろいろ考えているのですが、フロー理論が役に立つんです。フロー(flow)というのは、夢中とか没頭という意味です。フロー理論を提唱している心理学者のミハイ・チクセントミハイさんの『フロー体験 喜びの現象学』という本に1個だけ出てくる図表があります。それを僕が少しアレンジしたのがこのシンプルな図です。f:id:k_kushida:20170130172907j:plain

縦軸が「挑戦」で、横軸が「能力」です。能力を大きく超えた挑戦をすると、人は「不安」になります。逆に、能力が高いのに挑戦しないと「退屈」になります。仕事でモヤモヤを感じるときは、「不安」か「退屈」になっているわけです。逆に、挑戦と能力のバランスが取れているとき、人は「夢中」になりやすいというのが、この図のメッセージです。

フロー状態の真ん中に、勝手に対角線を引いてみました。③と④ではちょっと意味合いが違うので。③は、ちょっとだけチャレンジしている状態。④は、職人さんがいつもの作業を集中してやっているようなイメージです。

働き方を考えるにあたっては、人生の中で夢中ゾーンに入っている時間の割合をいかに増やせるかが大事だなと思っているんですよ。僕の場合、新しいプロジェクトを始めたときは不安ゾーンで、試行錯誤するうち夢中ゾーンに入れるようになって、でもそれが軌道に乗ってルーティンになってしまうとすぐ飽きて退屈ゾーンに入ってしまいます。これまでの体験に当てはめてみても、Eコマース草創期に楽天大学を立ち上げて店舗さんたちと「どうやったらネットでお客さんに買ってもらえるか」を試行錯誤しているときは夢中ゾーンで、Eコマース市場が成長軌道に乗ってしまうと退屈になったし、出店者さん向けの月刊誌も1年やって形ができあがったところで次の担当者に引き継ぎました。退屈ゾーンに入るとすぐに、たまたま運よく新しい仕事が舞い込んでくるのでラッキーです。

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