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世界一有名なタイムマシン『デロリアン』の一周まわって知らない話

デアゴスティーニ・ジャパンから、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場したタイムマシン「デロリアン」(1/8スケール)が登場すると聞いて、おお!組み立てたい!と思った方……あなたは映画ファン?それともデロリアンファン?

 

 

デロリアンは、映画のなかだけの“架空のクルマ”ではない。実際に市販されていた【デロリアンDMC-12】というスポーツカーだ。販売期間は1981年~82年のたった2年間。そのため、この元祖デロリアンには大変なプレミア価格がついている。

 

栄光と挫折のクルマ“デロリアン”

生みの親は、ジョン・ザッカリー・デロリアン。才能と技術力を認められ20代でゼネラル・モーターズ社(GM)にヘッドハンティングされたジョンは、1961年にGM社で歳少年のチーフエンジニアに抜擢され、そこから華々しい出世街道を歩みはじめる。

 

1965年には、ポンティアックの責任者となり、1969年代には停滞していたシボレーを復活させ、1972年、ついに乗用車トラック部門を統括する副社長にまでに登りつめた。

 

しかしジョンは、「下らない社内闘争にあけくれるよりも目指す理想のクルマを造りたい」と副社長の椅子を蹴り捨てて、デロリアン・モーター・カンパニーを設立。そこで誕生したのが、【デロリアンDMC-12】だ。

 

ジョルジェット・ジウジアーロによるデザインと、ステンレスのボディにガルウィングというスタイルは熱狂的なクルマファンによって歓迎され、初年度6500台を販売し好調な滑り出をみせた。しかし製造工程の不備や、工場のあった北アイルランドの港湾スト、アメリカの景気の減速などで受注が減るなど、度重なるトラブルに見舞われたことで、たった2年で製造中止に。

 

さらに、じり貧となったジョンが縋った資金提供者が麻薬関係者であり、ジョン自身も会社の資金繰りのためにコカインを売ったとして逮捕。その後、ジョンは無罪になったが、結局その騒動が終止符となり、1982年のクリスマスイブに工場は閉鎖。天才エンジニアの純粋すぎた夢は散ってしまった。

 

つまり、1985年に映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で「デロリアン」が登場した時には、すでに本物の【デロリア DMC-12】は生産の終わった幻のクルマだった訳だが、映画のなかで天才博士(あるいはマッドサイエンテイスト)として登場するドクが、タイムマシンに改造する車種として当時のアメリカではリアリティがあったのかも知れない。(映画のなかでは、「ステンレスボディーがタイムマシンにとって都合が良い」と語られている)

 

その後『バック・トゥ・ザ・フューチャー』モデルが発売されるなど、さまざまなタイプが登場し20世紀でもっともカルトな人気を誇るクルマとなった。日本では、俳優の京本政樹さんが「デロリアン」のオーナーとして有名だ。(公道で走るにはあまりに目立つため、2度購入し2度とも手ばなしているらしい)

 

「デロリアン」は倒産後、オークションによって権利を落札したステファン・ウィン氏に引き継がれ、ウイン氏は現在もDMC-12のオーナーに修理用パーツを供給し続けている。

 

デロリアンは今でも買えるのか?

【デロリア DMC-12】は、近年の衝突安全基準や排ガス規制などをクリアできないため、デロリアン専門店での購入や、個人売買、オークションを利用して、中古のみの入手になる。その値段はノーマルタイプで1000万くらい。…マンションが買えてしまいそうなお値段だが、もちろん、そのままでは公道を走ることはできない。

 

ところが昨年、それらの基準をクリアして作りなおされた“2017年モデル”が登場!映画さながらの、ガソリンを使わないEV車仕様にファンならずとも大注目に。現在、新生デロリアン・モーター・カンパニー(DMC)では、デロリアンの予約申し込みを受け付けている。

 

※デロリアンの予約申し込み専用HP http://www.delorean.com/pre-order-form.php

 

さて、そんなデロリアンだが、映画ファンならずともメカマニア、カーマニアならば乗るだけでなく、その手で一度は組み立ててみたいもの。さすがに本物は無理でも、そんな夢を掌の上で叶えてくれそうなのが、デアゴスティーニの週刊『バック・トゥ・ザ・フューチャー デロリアン』。毎号付属するパーツを組み立てると「デロリアン」(1/8スケール)が出来上がる。

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