体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

流産のショックに追い打ちをかけた「胞状奇胎」の告知。私はもう一度妊娠できる…?

f:id:akasugu:20160829164102p:plain

結婚して1年。

独身の頃から生理不順だったので、ちゃんと排卵されているのか不安になり、近所の婦人科に2ヶ月分の基礎体温表を持って行きました。

『この日にタイミング取ってみて』と言われ、取ってみると次の月に見事、陽性!

ウキウキしながらその病院に行ったところ、まだ早かったので胎嚢だけが確認でき、心拍はまた2週間後に確認しましょうとの事でした。

嬉しくて嬉しくてその日のうちにマタニティ雑誌を買って帰宅しました。夫もすごく喜んでくれて、こんなスムーズに妊娠出来るなんて!と思いました。

そして2週間後、私は1人でその病院に行きました。

台に乗りカーテンの向こうで先生が「じゃあ赤ちゃんの様子見てみましょう!」と明るい声で言いました。

私もドキドキしながら待ってましたが、先生はいつまで経っても無言でした。何か問題があるんだ。私はそう思いました。

「残念ながら心拍動いてないですね。この時期に心臓が動いてるのが確認出来ないと赤ちゃんが成長していないという事になります。稽留流産です」と言われました。

先生の言っている事が理解できず、その後の手術等の話も頭に入りませんでした。

帰宅した夫に話しながら、涙が溢れ止まりませんでした。

手術の日も「心臓が動いてなくても、まだお腹にいる我が子を掻き出すなんて…」と涙は止まらない。

手術も無事終わりましたがそれでも涙は自然と流れ出ていました。でも自分達なりに受け止め、少しずつ前向きになっていたときでした。

術後の経過を見るため、再び病院に行きました。

そこで私は「胞状奇胎」という病名を初めて聞きました。

掻爬した内容物を病理にまわした検査結果で、私は胞状奇胎という病気のために我が子を亡くしたという事が分かりました。

胞状奇胎。簡単に言うと妊娠に必要な細胞が異常増殖をして子宮を埋め尽くして妊娠継続ができなくなり、経過によっては癌になる可能性のある病気です。

妊娠をしなければ絶対にかかることのない病気で、大切な我が子を失う代わりに癌になる可能性のある病気だけが残る異常妊娠の一つです。

この病気になると、もう一度掻爬手術をした後、数値が上がってないか確認しに月1で病院に通い、半年から一年以上妊娠をしてはいけません。

そんな病名初めて聞いた私は頭が真っ白。今でも告知された時の手の冷たさは忘れられません。

我が子を失うだけでもショックなのに、次の妊娠への希望も失った気がしました。

認知度が低いために心ない言葉をかけられたりもしました。 関連記事:「特殊な流産」、そして1年間の妊娠禁止…胞状奇胎の処置とその後

胞状奇胎はたとえ癌になったとしても、抗ガン剤がよく効くらしく亡くなる事は本当に稀だそうですが、それでも癌になるのではと怯えて過ごすのは本当に辛く、周りの友人がどんどん母親になっていく中で絶対妊娠してはいけないというのは、精神的に本当にキツかったです。

でも夫が支えてくれたので、亡くなってしまった子のためにも毎日を大切に楽しんで生きようと2人で決めました。毎月の病院も付き添ってくれて、夫婦の絆は強くなったと思います。

それから2年。完治した私は娘を無事に出産し毎日慌しく過ごしています。

あの辛く泣いてばかりいた日々は絶対に忘れる事は出来ませんが、苦労した分、妊娠出産が奇跡の連続であるという事が実感出来ましたし、支えてくれた夫への感謝の気持ちも常に持つ事ができています。 関連記事:「妊活してまで?」と思っていた私が、ありがたみを教わった。流産が教えてくれたこと

胞状奇胎は繰り返す病気でも不妊症でもありません。夫婦のどちらかが悪いというわけでもありません。誰のせいでもないのです。

少しでもこの病気の事を知っている人が増えたらいいなと思います。

著者:めぐみ

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

関連記事リンク(外部サイト)

口唇口蓋裂の我が子。産まれてすぐに出てきたのは、ただただ愛おしいという感情でした
「子宮筋腫合併妊娠」で早産になった助産師の私。自分の出産を素直に喜べないのはどうして?
妊活、死産、やっと産まれた赤ちゃんの手術…。次々襲ってくる不安を乗り越えられたわけ

赤すぐnet みんなの体験記の記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。