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カウボーイ・ジャンキーズ東京公演レポート、円熟味を湛えた演奏に心から酔わされる夜

カウボーイ・ジャンキーズ東京公演レポート、円熟味を湛えた演奏に心から酔わされる夜

 2017年1月21日、カナダ出身のロック・バンド、カウボーイ・ジャンキーズの来日公演が六本木・ビルボードライブ東京にて行われた。

 1990年以来、27年ぶりとなるカウボーイ・ジャンキーズの来日公演は、結成以来変わらぬメンバーによる円熟味を増した演奏に、心から酔わされた至福のひと時だった。ブロンドの歌姫、マーゴ・ティミンズのソフトながらも静かなエモーションを湛えた歌声と、そのヴェルヴェット・ヴォイスを最大限に引き立てるべく抑制の効いた演奏で寄り添うバンドとの一体感。そのしなやかなアンサンブルが醸し出す芳醇な味わいこそ、デビュー時から大きく変わることのない音楽性を更に完成度の高いものにしていることを「200 More Miles」や「MISGUIDED ANGEL」といった初期の曲を聴くことで納得できたのが収穫だった。

 この日の1stステージで一番印象に残ったのは中盤で演奏した「Building」で、サイケデリックとジャズ、ブルースの要素が渾然一体となってスパークするようなインプロヴィゼーションを含むヴァイタルな演奏に、カウボーイ・ジャンキーズが秘めているバンドとしてのポテンシャルの高さを改めて実感させられた。そして驚くべきは、1stと2ndステージの両方で演奏したのがルー・リードの名曲カヴァー「Sweet Jane」を含むわずか2曲のみで、それ以外は全て異なるセットリストだったのも、キャリアの長いバンドらしいファンへの気配りだろう。

 この日演奏したどの曲も、ブルース、カントリー、ロック、フォーク、ジャズ等、多彩な音楽要素を内包しながらも、絶妙のバランスでミックスしてまろやかに聴かせるスタイルがカウボーイ・ジャンキーズ。マーゴのヴォーカルもこの夜演奏した曲のタイトル「Supernatural」ではないが、シャウトすることもフェイク気味に歌うこともなく、どこまでも自然体で穏やかだからこそ心に滲みる。とはいえ、穏やかでエレガントなヴォーカルの中に潜む激しいエモーションも端々で感じられるところが、テクニックを超えた彼女の持って生まれた才能だと改めて実感できた一夜だった。(保科好宏)

◎公演概要
ビルボードライブ東京
2017年1月20日(金)※終了
2017年1月21日(土)
1stステージ開場17:00 開演18:00
2ndステージ開場20:00 開演21:00

INFO:http://www.billboard-live.com/

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