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ママになりたい…その一心で手繰り寄せた運命。子宮外妊娠の手術後、体外受精へ

初めての妊娠。

けれど、やっとの思いで授かった命は子宮外妊娠だった。心拍確認と同時に、全身麻酔で摘出した。

不幸に際限はなく、特定の人をめがけて波のように次から次へと絶え間なくやってくるのだと思った。

いっそのこと、君の命が尽きるその瞬間まで私の体内に留めておきたかったけど、そしたら今、私の腕の中で健やかに眠る娘はきっとここにはない。

生まれてくる命もそうじゃない命も一つのさだめだと言ってしまえばそれまでだけど、私は絶対忘れない。

授かれること、育めることを身をもって教えてくれてありがとう。

最初で最後の君の心拍確認、私に訪れた人生最初の奇跡を絶対に絶対に忘れない。 関連記事:見る見るうちにおなかが蛙のように膨れ、気付くと手術台の上。私の初めての妊娠は、子宮外妊娠でした

3度目の人工授精の末に授かった命を子宮外妊娠で左の卵管と共に失い、半ば強引に体外授精へステップアップ。

絶対失敗するわけにはいかなかったし、まかり間違えて再度子宮外妊娠を経験することになってしまったら、当時の私の心は脆くも砕け散ってしまうに違いなかった。

だから、より安全、確実にと思い、体外授精に踏み切った。

判定日の朝、マグカップを握る手がカタカタ震えていたことを今も鮮明に覚えてる。

血液検査の結果を待つ30分、期待や不安を交互に感じ取る余裕はなく、ただただ生きた心地がしなかった。

私の受付番号が呼ばれ、震える足取りで恐る恐る診察室に入るも、先生の顔が見られず、いつもよりゆっくりと回転イスに腰掛けた。

『数値、出てますよ』

いつもは感情をあまり露わにしない先生が笑っていた。

『妊娠はゴールではありません。あくまでここがスタート地点です』

前回のことがあり、胎嚢が確認できるまでは引き続き生きた心地がしなかった。

そんな矢先、OHSSで卵巣が腫れ上がってしまった。

妊娠4週足らずにもかかわらず、臨月間近のようなお腹になってしまい、デスクでPCに向かうにも息苦しく、緊急で診察を受けた。腹水が肺にまで達し、そのせいで呼吸がままならなかったらしい。

胎嚢も確認できない命はまだ胎児とも呼べず、それでも私にとって、母体より我が子を優先することは至極当然だった。

あの時、主治医がホルモン投与を続行してくれたことには今でもとても感謝している。

正産期を迎えて逆子となり、お腹の張りもあったので、予定日の3週間前に緊急帝王切開で娘はこの世に産まれてきました。

沢山涙し、沢山凹んだ妊活でしたが、ママになることを諦めたことは一度もありませんでした。

欲しいものは欲しい、なりたいものにはなりたい、生まれて初めて感じ持った、こんなにも強い欲求を諦めてしまうこと以上に、辛いことなんて何一つなかった。

私にとって、妊娠は授かり物ではなく、自らが手繰り寄せた運命でした。

あの手この手を使い、もがいてもがいて手繰り寄せた何より素敵な運命でした。

そして最後に、空に帰った私の第一子へ。産まれる前から愛してた。ありがとう。またいつか。 関連記事:ピコピコ光っていた、あの子。人の命のはかなさと重みを教わった最初の妊娠

著者:あっちゃん

不妊治療の末、娘を授かりました。愛娘と過ごす日々は驚きと喜びと疲弊と落胆の連続。それでも、人生で一番素敵な時を過ごしています。娘よ、飴と鞭、経験と共に歩む未来をありがとう。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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