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海外リモートワークの最先端[下] 会社員が実践するためには?

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オフィスではない場所で働くことを許容する、いわゆるリモートワークを導入する企業が増えている。育児や介護など自宅を離れられない従業員のベネフィットというだけでなく、“好きな場所で働く”ことで高いモチベーションを生む効果もあるようだ。

そんなリモートワークを究極的な形で実践しているのが、尾原和啓さん。2015年4月に生活の拠点をインドネシア・バリ島に移し、以来、バリ―東京間でのリモートワークを続けている。一般的な会社員にはハードルが高いことのように思えるが、尾原氏は「海外でのリモートワークは特別なことではなく、5年以内に誰でも実践できる世の中がくる」と語る。

5年後、海外リモートワークは特別なものではなくなる?

[上]編では尾原さんが実践する海外リモートワークについて、[中]編では住まい選びや街へのこだわりについて伺った。では、尾原さんのように海外に拠点を持ち、日本の企業と仕事をする働き方、自由な生き方を実践するには何が必要なのか? 超優秀なエリートや特殊な技能をもつ人だけの特権ではなく、一般的な会社員でもそれは可能なのだろうか?

「僕は5年後にはみんなが普通にできるようになると思っています。例えば、5年前にどの職場でもやたらと語られていた『ペーパーレス』って今ではほとんど意識しなくてもできていますよね。それはみんながノートパソコンやタブレット端末、スマホを持ち、会議室にはプロジェクターがあり、クラウドでファイルをシェアする環境が整い、紙の資料を使わないことが誰にとっても“当たり前”になったから。リモートワークもそれと同じだと思っています。光ファイバーが整備されていて、クライアントにゲストWi-Fiがあれば誰だって実践できる。ゲストWi-Fiだって今では特段珍しいものではなくなりましたし、すでにハードウェア的には環境は整いつつあると思います」

―― それでも日本にはまだ「直接顔を突き合わせて仕事する」ことを良しとする風潮があるような気がします

「リアルで会わないと仕事のクオリティが落ちるっていうのは不思議な思い込みですよね。もちろん寿司職人とかハウスキーパーといったサービス産業の方はその場所に行かなければ仕事ができませんが、ホワイトカラーの人が本当にオフィスやお客さんのところに足を運ばないといけないことって、じつはめちゃくちゃ少ないはずなんですよ。今日の取材だって、ライターさんたちはFringe81のオフィスに来ていただいていますが、本当にここに来る必要ってありました? 皆さんのパソコンにだってカメラついてますし、写真だってドローンを動かしてオフィスの撮影ができたかもしれない。お互い自宅と自宅で取材ができるはずですよね」

―― 確かにそれなら僕らも移動時間を短縮できるし、体もラクだし、メリットしかないですね。ただ、世の中的に環境が整ったとしてもそれが許されるのはやはり一部の優秀な人に限られるような気もします。尾原さんのように、海外にいてもいろんな仕事のオファーが来る人の条件って何があるんでしょうか。

「大事なのは自分の仕事上の評価・評判をどういう形で蓄積していくか。リモートワーカーも自分の評判情報がたくさんあればあるほど仕事が来るわけです。それはクラウドワークスさんみたいなクラウドソーシングの評価ポイントだったり、あとプログラマーであれば自分でつくったプログラムをみんなが使えるように共有できて、自分の貢献度が可視化できる場所もある。そこでコントリビューター(※編集部註:貢献者)になっていると、向こうからご指名でお前と仕事をしたいと言ってもらえる。そうなると、場所にとらわれることなく、永遠に旅をしながら仕事をすることができるんですよね」

―― 仕事が集まりそうな然るべきコミュニティの中で、自分の価値を示し続けることが大事なんですね。それはプログラマー以外の職種でも可能なんでしょうか?

「はい、実際リモートワーカーの職種も多様化しているように感じます。プログラマーだけじゃなく、今は例えばクラウドソーシング上でプロジェクトをマネジメントできる人間に人気が集まっています。要はプログラマーがリモートで働くことが当たり前になってくると、その人たちを支援するホワイトカラー的な仕事もリモート化するんです。リモートワーカー専用のメンターなんかもいますよ。あなたはこの技能を伸ばしたほうがいいとか、今はこういう見せ方をしたほうが得だよねっていうアドバイザーが職業になっているんです。今後、現場で作業をしなければいけない職種以外はすべてリモート化していくし、グローバルで働いてもその人の評判情報が可視化される方向にネットは進化していくと僕は思います」

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