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セブに住むという選択[下] 女性が仕事で活躍しやすいワケ

セブに住むという選択[下] 女性が仕事で活躍しやすいワケ

前回は35歳以上で取得できるビザについて紹介したが、最後となる3回目は「女性」の移住について紹介しよう。セブ島に行ってみて、一番驚いたのは、圧倒的に女性が元気だということだ。私が通っていた英会話学校の先生もほとんどが若い女性だった。みんなプロ意識をもって優しく厳しく「先生」という仕事をしている。そんなパワフルな女性の代表を紹介してもらった。セブ島の総合情報媒体「セブポット」を立ち上げた佐藤ひろこさんだ。

子どものころから日本よりも海外で暮らしたいと思っていた

佐藤さんのお宅はバニラッドという日本人が多く住むエリアにある。治安がよく、大きなモールからも近い便利な立地だ。最初は「セブでは知らない人がいないほど有名な女性で頼りになる存在だ」と聞いて、女将さんタイプの女性を想像していたが、会ってみると華奢でおしゃれな女性でびっくりした。とても2人の子どもを育てながら社長業をしているとは思えない。

「13年前にセブに来ました。日系企業のリゾート部門に就職してセブのスパに赴任、最初は長く住むとは思っていませんでした」と佐藤さん。ただ子どものころから自分はいずれ海外に住むと漠然と思っていたそうだ。「みんなが同じことをするのがいいとされるような日本の学校の環境になじめず、いつかは海外で暮らしたいと思っていました。仕事をするにしても、どこかに所属するよりも独立したほうがいいと考えていました」

そのため、大学時代にたくさん海外を旅行したそうだ。1年間は休学してマルタ島で英語のための留学も経験した。

旅や留学は楽しかったが、自分自身の経験や知識が少ないため、もっと自分の幅を広げる必要性を感じた。そのために自分が好きなことだけではなく苦手なことにも挑戦することにしたそうだ。「なので、自分が一番苦手だと思っていた『日本の会社で働く』ということにチャレンジしてみました。ベンチャー起業だったので、がむしゃらに働きましたよ」 しかし激務が続いて、疲れ果ててしまったそうだ。

「自分が体調を崩したこともあり、インドの伝統医学アーユルヴェーダやハーブなどの勉強を始めました。退職したあと、これからは『癒やし』に関するビジネスがいいのではと思い、見つけたのがセブのスパのマネージャーでした」30カ国以上海外を訪れた佐藤さんにとって、セブはたまたま転職した先だった。

セブで起業しようと思い立った意外な理由

3年間働いてみて、独立するならセブだと思い立った。その理由について聞いてみた。「まず島であること、なんとなく南の島で暮らしたいという希望が以前からありました。そして英語が通じること。フィリピンは非ネイティブ英語スピーカーのビジネス英語能力指数(BEI)をはかるランキングで世界一なんですよ。しかも親日の人が多くて暮らしやすいと感じました」と佐藤さん。

起業するにあたってのコストパフォーマンスの高さもポイントだったそうだ。「家を借りるのも人件費もセブは日本に比べて抑えられるので、失敗してもやり直せると思ったのも事実。28歳で独立すると決めていたので、勤めていたスパには止められましたが挑戦することにしました」

そして一番大きな理由は、女性が働きやすい環境だったことだそうだ。「女の人にとってフィリピンは先進国です。管理職の半数以上が女性、家庭と仕事をしっかり両立している女性が多いことに驚きました」と佐藤さん。

セブは頑張らなくても子育てと仕事が両立できる

佐藤さんが感心したのは、日本に比べてセブの働くママたちがすごく楽しそうなことだった。「⽇本では⼥性がキャリアを手に入れるためには男性以上に頑張らなくてはいけないムードがありますね。仕事をするためにプライベートや家庭⽣活などを犠牲にして一生懸命に頑張っているイメージがあります」セブなら⼥性が女性らしくありながら働いていけるイメージが湧いたそうだ。

佐藤さんには2人の子どもがいるが、無理なく子育てと仕事が両立できるのがセブの良いところだそうだ。「2人ともここで出産しましたが、医療施設も整っていて大満足です。フィリピンの女性たちは子どもを産んでも仕事するのがあたりまえなので、私も楽しんで仕事と子育てができます」そのヒントはワークシェアの考えが行き届いているところにもありそうだ。

「日本ではお手伝いさんを雇うことが特別視されますが、セブではむしろ雇用を生み出すという考えから歓迎されます。ひとりで頑張るのではなく、お手伝いさんやベビーシッターさんに子育てのサポートを頼むことがあたりまえになっているんです」周りからむしろ「なんで人を雇わないの?」という質問をされたそうだ。セブでは男女の区別なく、お金を稼げる人が外に出て働き、家事はできる人がするかほかの人に頼む。日本とは根本的に考え方が違っているそうだ。【画像1】キッチンで夕食の準備をするお手伝いさん(写真撮影/四宮朱美)
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