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「麻酔打ってください!」と喉元まで出かかる。ヘタレな私の難産体験記

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「今週中に産まれなければ、帝王切開かもしれません」

医師にそう告げられ、ほっとしていた。

情けないと思われるかもしれない。帝王切開だって痛いのは知っているつもりだ。けれど、お産を乗り切れる自信がない。怖くてしょうがない。ものすごいヘタレなのだ。

「困ったね」実母がため息と共にそうつぶやいた。

出産のすごさを表現する言葉で鼻からスイカが出てくる痛みというが、考えれば考えるほど、そんな痛みに耐えられるわけがない。完全に鼻が破裂してしまっている。しかも何時間かかるかわからないことにチャレンジするより、日時も終了時間もはっきりしている帝王切開のどこが悪い。などとは母には口が裂けても言えない。

帝王切開いつになるかな?と変に安堵している私を、その夜陣痛が襲った。

夕食後、しばらくしてお腹の張りがきつくなってくる。すぐ横になったが、いつまでたっても張りがおさまらない。もしや、陣痛がきたか?と手に汗握る。なんとか喋れるものの、地味に痛い。時間を計ってみると、やや!10分間隔ではないか!自分のもくろみとは裏腹に、順調に陣痛がきた事に心の準備が追い付かずショックを受ける。

翌朝、一晩中陣痛で眠れず、喜ぶ母と語り明かし、そのまま病院に向かう。

「まだまだだから、いったんおうちに帰ってください。」医師の言葉に打ちのめされる。 関連記事:痛みに超弱いヘタレな私。無痛分娩できなかったけど結果オーライ??

お昼前に心配した妹が到着。陣痛促進のツボにお灸をすえてくれる。効果はてきめん。痛みがどんどん強くなり、うなり声と涙しか出てこない。うめきながらも、まだ帝王切開と麻酔への執着で頭はいっぱいだ。

こうして過ごすこと、6時間以上。早めに帰ってきた夫と母と共に再度病院へ。入院が決まり、夫と共に陣痛室へ泊まる。

初めは優しく声をかけたり、さすってくれたりした夫。次第に飽きてきたのかマンガ本を読み始める。あれ?と思いながらも、痛みでそれどころではない。ひたすらベッドにしがみついてこらえる。

しばらくすると、この世のものとは思えない痛みになってくる。さすがにまずいぞと思ったのか、夫も手を握ったり、さすったり、声かけを再開する。

「がまんしないで声を出していいんだよ」としきりに夫がいうので、ラマーズ法を大きめの音量で声に出してみる。看護師さんに叱られる。

看護師さんを見るたび、「麻酔打ってください!」と喉元まで出かかる。数時間後、痛みはどんどん強くなり、次第に痛みと痛みの合間に気を失い、痛みで起きるというのを繰り返す。

明け方、看護婦さんが子宮口の具合を確認。「まだ全開ではないけど、開けちゃいましょう」と言って手で開いてくれて、ようやく分娩台へ。

陣痛で体力を使い切り、いくらいきんでも赤ちゃんが出てこない。最後は吸引分娩となる。また私の呼吸がかなり乱れてしまい、酸欠状態で産まれてきた子はすぐに保育器へ。およそ37時間におよぶ難産だった。

達成感と同時に、酸欠にしてしまった後悔の念で泣きそうな私だったが、横にいた夫のあまりの号泣ぶりに涙が止まる。

スイカが出て裂けてしまう鼻が痛いんじゃなくて、スイカが通過している時が痛いんだな としみじみ思う私であった。 関連記事:促進剤3日目、ゴールの見えない痛みにもう限界! なのに「帝王切開は出来ません」?!

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著者:ともり

年齢:40代

子どもの年齢:3歳

自然の中で息子と遊ぶひとときに癒されてます。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

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