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’92 MERCEDES-BENZ E-CLASS(W124)【EDGE/名車への道】

▲1991年から1995年まで発売されたミディアムサイズセダンのW124に用意された325psのV8エンジンを積んだスポーツグレード。当時アメリカで人気だったSL500の4ドア版を望む声に応えて作られたとされ、開発や生産にはポルシェが深く関わっていた。前期モデルを500E、後期モデルをE500と車名を呼び分ける場合もある。各部の作りの良さはメルセデス・ベンツの「古き良き時代」と評価する人も多い。

▲1991年から1995年まで発売されたミディアムサイズセダンのW124に用意された325psのV8エンジンを積んだスポーツグレード。当時アメリカで人気だったSL500の4ドア版を望む声に応えて作られたとされ、開発や生産にはポルシェが深く関わっていた。前期モデルを500E、後期モデルをE500と車名を呼び分ける場合もある。各部の作りの良さはメルセデス・ベンツの「古き良き時代」と評価する人も多い。

クラシックカーになる直前の80、90年代の車たちにもこれから価値が上がる車、クラシックカー予備軍は多数存在する。そんな車たちの登場背景、歴史的価値、製法や素材の素晴らしさを探ってみたい

メルセデスの古き良き時代を代表する名サルーン

EDGE:今日の名車なんですけど、よくお邪魔しているヴィンテージ湘南さんに500Eがあるんです。

松本:程度良さそうだね。今まで紹介したことなかったし、少し変わった歴史のあるモデルだから良いんじゃない。

EDGE:確かに取り上げたことなかったですね。あれってV8が搭載されているんですよね。乗ってみてどうでした?

松本:僕が乗ったモデルは最初期型だったけど、まったく300Eとは別モノでさ。フロントにあんなに大きなエンジンを積んでいるにも関わらず、バランスがいいんだよね。メルセデス・ベンツのサスペンションじゃない感じがしたよ。ちょっと硬め、でも振幅をすんなりと減衰して、それでいてハンドリングに影響を与えない感じはまさにスポーツサルーンだよね。

EDGE:僕も乗ったときに思ったのが、安心感があってしっかりした印象でしたかね。あれってどこまでポルシェでやったんですか? エンジンなんかも違うんですか?

松本:メルセデス・ベンツって大きなモデルに大きなエンジンを搭載してパワーで引っ張るような考え方があってね。もともとサルーンの場合は大きなエンジンを搭載した方が乗り心地は断然良いんだよ。でもメルセデス・ベンツの場合は乗り心地というより、大きなエンジンのトルクで加速力を高めたかった。60年代の300SEL6.3や70年代の450SEL6.9なんかはまさに空気抵抗をモノともしないで押して走るようなイメージだよね。

EDGE:今回見に行こうとしている500Eはどんな考え方で計画されたんですかね。

松本:メルセデスは鈍重なサルーンじゃなくて、当時新しく設計されたDOHCのV型8気筒を搭載した軽快なスポーツサルーンを作りたかったんだと思うよ。ミディアムサイズのメルセデスは大きなエンジンを搭載して、例えばワインディングであっても気持ちよく走らせられる、ちょうど良いサイズだったんじゃないのかな。

EDGE:89年に登場した500SLのエンジンをそのまま載せたらしいですけど……。

松本:500SLに搭載したエンジンをポン付けというわけにはいかないよ。W124はエンジンルームを見て分かるとおり、V8を搭載するような設計になっていないんだ。だから500Eはどこかのチューナーが押し込んだんじゃないかと思うくらいビッシリ詰まっているでしょ? でもそこは自動車メーカーだからね、ちゃんと作っているわけだ。その設計に参画したのがポルシェ社だったんだよ。メルセデスとポルシェは同じシュツットガルトだしね。ポルシェはエンジニアリング会社もあるから依頼したというわけじゃないかな。

EDGE:なるほど。あ、車はアレですね。遠くから見ても存在感ありますねぇ。

松本:ちゃんと整備されている感じがするよね。手を入れた車は若々しいというか、凛としているよね。

EDGE:この時代の車って、今見てもサイズがすごくコンパクトで、今の時代でもちょうど良い気がしますよね。ところで、ポルシェが関わったのはどの辺なんですか?

松本:どこがじゃなくて全部に関わってるんだよ。例えばバルクヘッドなんか別もんなんだ。エンジン、ステアリング、サスペンションをSLのコンポーネントと協調するとか、設計からポルシェが請け負ったんだよ。フロントがワイドになったのもSLのサスペンションアームを使ったりしたからなんだ。

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