体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

仕事が速いリーダーは「選択肢」が多い

『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)の著者である石川和男さん。石川さんは、建設会社総務部長・大学講師・専門学校講師・セミナー講師・税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマンです。そんな石川さんに「仕事が速いリーダー・仕事が遅いリーダーの特徴」について伺うこのコーナー。第3回目の今回は「リーダーの持つべき選択肢の幅」についてです。 f:id:k_kushida:20170111161033j:plain

ビジネスに「唯一の正解」はない

様々な選択肢の中から、より最善な方法を選び出し会社の方針を決めていく。今回は、仕事が速いリーダーは「選択肢」が多いというテーマでお話します。

今回はまず「会計」を例にしながら説明を進めたいと思います。

スポーツやゲームにルールがあるように、会計には「真実性の原則」というルールがあります。これは「会社の経営状況について、企業を取り巻く利害関係者に、真実な報告をしなければならない」というルールです。

企業を取り巻く利害関係者は、仕入先、得意先、国、地方公共団体、税務署、債権者、債務者、銀行、協力会社、関係会社、親会社、子会社、株主、投資家、消費者など実に多く、これらの利害関係者に「嘘偽りのない報告をして下さいね」というのが「真実性の原則」です。

では、ここでいう真実性とは、どのような意味なのか?

例えば、会計では建物や車の価値が下がったときに、価値の目減り分を計算しなければなりません。その方法は、唯一1つだけの方法ではなく、定額法や定率法、級数法など様々な方法が認められています。商品を売ったり買ったりするときも、三分割法や分記法、総記法など様々な会計方法が認められています。つまり会計処理は、唯一の方法(絶対的真実)ではなく、法律で認められた範囲内なら会社の実情に応じて様々な選択肢(相対的真実)の中から選んでも良いのです。

ちょっと難しいかもしれませんので、例を変えて。小学1年生の授業風景。

先生に「1+1は?」と聞かれたら、大きな声で「にぃ~」と答える子供たち。これしか選択肢が無いと考えるのが絶対的真実。

しかし学年が上がるにつれ、「ふたつ」やワンツースリーの「ツー」、そして無言で「Ⅴサイン」を掲げるという正解も導き出せるようになります。様々な選択肢がある。これが相対的真実。

これをリーダーに当てはめると、仕事が速いリーダーは相対的真実を求め、仕事が遅いリーダーは絶対的真実を求める傾向があります。

選択肢が少ないと仕事は停滞する

私は建設会社に勤めています。

建設物の特徴は、請負金額が一般の製造業と比べて高額なこと。物件によっては、数十億円、数百億円になることもあります。生産期間つまり工事の期間が長い。大手ゼネコンに勤め、4つのダム工事を完成させたら定年を迎えたという所長もいます。1つの工事でも、土工事、コンクリート工事、鉄筋工事など実に20種類もの工種から構成されている場合も多くあります。個別に受注して生産するので、オーダースーツと一緒で、同じ工事は1つもありません。

そのため担当した現場の所長の責任は重く、工事完成のための全権を握っています。その工事現場の中では、所長(リーダー)は社長と同じなのです。

そんな現場のリーダーである所長。工事がうまくいかない傾向にある所長は、選択肢が無い「絶対的真実」を求める所長です。ワンマン社長のように自分が言ったことが絶対。この仕事の手段は自分の考えた方法が絶対。部下に自分の考えだけを強要し部下の考えを狭める所長(リーダー)です。

早く、安く、安全に仕上げるためには様々な手法、様々な選択肢があります。どこに優先順位をおくかでも正解は変わってきます。たとえば過去の成功事例を唯一の方法であると勘違いしてしまい、工期を短縮する・コストダウンするための様々な選択肢を検討することなく進めてしまうリーダーに、最善の工事を行うことは出来ません。

工事を完成させる上で唯一絶対の方法だけを主張するリーダーの下では、部下は窮屈になり、最終的にはリーダーの顔色ばかりうかがうようになります。自分で考える力まで失い、その都度上司に判断を仰ぐことになり、チームとしての仕事まで遅くなるのです。

仕事が速いリーダーは選択肢が多い

1 2次のページ
リクナビNEXTジャーナルの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。