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雄大な自然が息づく熊本五家荘を舞台に、一人の女の子が“あの時の蝶”に導かれ、記憶の旅をする。圧倒的な映像美と詩のような物語が、心の隙間に入り込む、映画『冬の蝶』。第33回テヘラン国際短編映画祭では、栄えあるグランプリに輝いた。抜擢から、撮影秘話、受賞への想い、そして、生と死といのちについて静かに問う本作の魅力について、今後の国内での上映に先駆け遠山昇司監督とプロデューサーのKiNGさん、そして初主演で快挙を成し遂げたUnaさんに話を聞きました。
 

映画「冬の蝶」

—映画『冬の蝶』撮影に至るまでの、みなさんの出会いのきっかけは何だったのでしょうか?

Una:初めはプロデューサーのKiNGさんでした。でも、初対面は、正直覚えていないんですよね。パーティーだったとは思うんですけど、気がついたら仲良くさせていただくようになっていて…。

KiNG:すごく自然な感じだったんだよね。だからお互いちゃんと覚えていなくて(笑)。

Una:すごく友達が少ないので、スッと仲良くなれたのが珍しかったです。そのくらい貴重な人でした。同性代の友達がほとんどなので、年上の方とこうやってお話をじっくりさせていただくのはすごく新鮮だった。先輩だけど、あえて同じ目線に立って話を聞いてくれる方で、私の中ではKiNGさんのそういう大きさに惹かれました。いい意味で親しみやすく、でも人生の先輩ならではの視点からもお話してくれる。

KiNG:Unaちゃんとはそういう縁に導かれたような流れで親しくなったよね。遠山監督と私は5年くらいの付き合いで、監督の3作品ご一緒しているんです。最初は美術で携わって、前回と本作はプロデューサーとして。
 

Una

—それで、監督にUnaちゃんをご紹介されたということですね!

遠山監督:そうですね。今まで長編ばかりを撮っていたので、初めて短編を撮ることになり、KiNGさんと話をしていて。主人公のイメージを伝えた上で、合いそうな誰かいい人はいないかって相談をしていたんですよ。いろいろ候補を教えてくださって。女優さんだったら自分のツテがあるし、事務所に問い合わせればいい。でも、そうじゃない逸材を探していたんです。人として面白かったり、魅力のある人。

KiNG:監督の映画って、主演を始め、必ずしも女優さん俳優さんっていうわけじゃないんですね。アーティストや一般の方を作品に入れて、その存在感を作品に撮る方が多いんです。セリフ数も少ないので、その研ぎ澄まされた空気感をとても大切にされています。

—確かに、詩のような、行間を大切にされている映画という印象を受けました。

KiNG:そうなんです。ロケ地の五家荘にここで撮ろうと決めていたつり橋があって、そこに立った時に遠くから見ても存在感のある人、美しさのある人っていうのは条件だった。雄大な景色の中のコントラストというか。それで、彼女しかいないなって。

Una:嬉しい…。

遠山監督:それで、早速じゃあちょっとお茶でもってセッティングしてくれたんだよね。

Una:でも、映画の話とかは全く聞いていなくて。「紹介したい人がいる〜」くらいの感じだと思っていて、気楽な感じで、お茶をしたんです。

遠山監督:そうそう、伝えなかったんだよね(笑)。

Una:だから、映画とかのその前に結構いろんな話を監督ともしました。家の話とかおばあちゃんの話とか。それで、最後の最後に映画のお話をいただきました。

遠山監督:でも、それが映画を撮るにあたってもすごい大事だった。
 

遠山監督

—遠山監督とも、とても自然な流れの中でお出会いになられたんですね。

遠山監督:そうですね。彼女の人間性とか人間味っていうところが決め手でした。毎回、スクリーンに出てくれる人のそういう部分を重んじているので。だから、僕にとってもオファーに至るまでのお話の時間はすごく大事だったんです。脚本もある程度できていて、五家荘っていう場所に生まれて育って、でも都会に出て行ってっていう主人公…。Unaさんも沖縄から東京に出てきてっていうヒストリーを持ってる。そういう部分が理解できる人がよかったんです。

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