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Yeti 代官山ユニットでツアーファイナル公演:興奮に身を浸してゆくこの感覚が、止まらぬループとなって続けばいい

Yeti 代官山ユニットでツアーファイナル公演:興奮に身を浸してゆくこの感覚が、止まらぬループとなって続けばいい

アルバム「哲学」を手に昨年9月よりスタートしたYetiの全国ワンマンツアー『Yeti ONEMAN LIVE TOUR〜Antitheses 2016 – 2017〜「哲学。』。そのファイナル公演が、1月8日東京・代官山UNITで行われた。

「もっと光を」、Yetiの描く音楽は触れた人たちの心を輝く光(未来)へ連れていった。

水面に生まれた波紋のように、切々とした涼木聡の歌声が場内へ広がりだした。Yetiのライブは、アルバム「哲学」の冒頭に収録した「ナスカ」から幕を開けた。彼らの奏でる音の滴たちが、触れた人たちの意識を果てのない大地広がる異世界へ連れ出してゆく。その音色は、これから始まる物語を綴るための招きの調べ。誰もが優しくも切々とした音の滴に心を寄り添え、微睡みを覚えていた。

ソリッドなギターの音が羽ばたくように舞台上から飛び出した。激しさを持った「哲学」が、観客たちの意識を彼方な世界へ導きだした。痛く身体へ刺さる音なのに、意識は心地好く揺れていた。何時しか大勢の人たちが大きく手を振り、その音楽に身を委ねていた。

「最高の夜にしよう」の言葉に続いて身体を直撃したのが、タイトなドラムビートに唸る重いベースと切れ味鋭いギターが絡み合った「xi-sai-」。「もっと光を」、その言葉通り気持ちが心地好く天へと吸い上げられてゆく気分だ。Yetiの描くキラキラとしたメロディに乗せたギターロックは、会場中の人たちの心を輝く光(未来)へ連れ出していった。

演奏に合わせ手拍子を返してゆく観客たち。勢いを持って「picasso」が走り出すと同時に、フロアー中の人たちが身体を上下に動かした。「もっとアガりますか?!」、熱を抱き始めた場内、その空気を煽るメンバーたち。身体の奥底からムズムズとした興奮が止めどなく沸き上がってゆく。その感覚が何よりも嬉しかった。

背中へ生まれた羽根を広げ、この目で耳で心で感じるがまま跳ねればいい。それこそが、何よりもの興奮と快楽じゃないか!!

「目標にしてたこの場所に無事に辿り着きました。今日のために生きてきたと言っても嘘じゃない。だから、今日逢えて本当に嬉しいです。本当にいい仲間を持ったなと実感出来るツアーでした。今夜もファイナルに相応しいライブを一人一人に届くようにYetiは音楽をします。さらに深い『アンチテーゼ』の世界をお楽しみください」(涼木聡)

ふたたび水面へそっと波紋を起こすように、澄み渡る音のゆらぎに乗せ、Yetiは「Life」を奏でだした。歌声のひと言ひと言が、一つ一つの旋律が、想いを届けるように身体へスーッと染み込んでゆく。意識が遠のくよう?!。その感覚に近いくらい演奏へ大勢の人たちが気持ちを寄り添えていた。幸せの裏に隠された痛い真実を歌を通してえぐりながらも、その想いをこの日はとても愛おしく感じられた。それは、心の本音を見透かされつつも、彼らが痛みを分かつよう優しく問いかけてくれたから?!

心の野生を目覚めるように轟く多村直紀のドラムへ導かれ、フロント陣の織りなすメランコリックな音のアンサンブルに誘われ、「森林に生息する」が流れだした。美しくもドープな音色が感覚を無色に塗り上げてゆく。何より、舞台上から響く音に抱きしめられていたかった。

涼木聡の弾き語るアコギの音色と歌をリードに、意識をゆっくりと覚醒させるよう「◯◯と僕」が場内を浸食してゆく。無駄を削ぎ落としたシンプルな演奏。だからこそ、その言葉が生々しさを持って目の前へせまってきた。

意識を心地好くトリップさせるように響くクリーンなギターの音色、『ハロウ』の演奏が場内へ優しく渦を巻いて広がっていく。ゆっくりと、でも確かな熱を持って演奏は上がってゆく。サビで想いは一気に爆発。熱を持った高揚とスーッと広がる優しい抑揚、二つの表情を巧みに絡ませながら、Yetiは場内に恍惚へ導く空気を生み出していった。

一転、荒々しく掻き鳴らされたギターの音色が気持ちを掻きむしる衝動を導き出した。疾走する「Unbalance」に合わせ、場内中の人たちも心地好く身体を揺らしていく。

ラウドな衝撃とクールでスリリングな音をクロスオーバー、サビで感情を一気に破裂させるように「limiter」が轟きだした。「限界なんて超えてゆけ!」の言葉通り、熱く大きな唸りを上げる楽曲へ頭を揺らし、掲げた両腕を大きく伸ばしながら、大勢の人たちが沸き上がる高揚をその身から発散させていた。

歪みを上げた涼木聡のギターのリフが合図だった。躍動する「Scissors」へ飛び乗り、ただただ熱を抱けばいい。背中へ生まれた羽根を広げ、この目で耳で心で感じるがまま跳ね続ければいい。それこそが、何よりもの興奮と快楽じゃないか!!

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