体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

また帰ってしまうんじゃないかと怖くて…はじめての妊娠は流産、2度目も7週に大出血

f:id:akasuguedi:20160908152905p:plain

結婚して8年目の春、待望の赤ちゃんを妊娠しました。

妊娠がわかったときは同居している義理の母と抱き合って喜びあいました。

家族は祖父母、父母、兄弟と私たち夫婦に白猫一匹。

猫はお嫁に来るときに実家から連れてきた子でした。甘ったれで懐っこくて人間が大好きなので、きっと赤ちゃんのいいお姉さんになってくれるだろうと思っていました。

産院の初診が5週目で、6週に心拍が確認できましたが、うっすらと茶色の出血があったので7週も受診するよう言われ義母と家に帰りました。

男の子かな、女の子かなと話しながらの帰り道はとても楽しかったのをおぼえています。

次週、主人が仕事を休んでついてきてくれました。

内診室には本人しか入れなかったので、中待合で待っていてもらい部屋にはいりました。

前回はうれしそうにモニターを指差し、

「このキラキラしてるのが赤ちゃんの心拍ですよ」

と言ってくれた先生が、カーテンの向こうでご主人と一緒に診察室に入ってくださいとだけ言いました。

赤ちゃんの様子が見られるとワクワクしながら主人が入っていきます。

わたしはその後ろをついて行きました。

「赤ちゃんの心拍が、止まりかけています」

先生は淡々と話します。

赤ちゃんは一週間でほとんど大きくなっていない、前回確認できた心拍よりずっと弱くなっている。

このままお腹の中で赤ちゃんは亡くなるでしょうと。

自然流産と子宮内膜掻爬、どちらにしますか?

そう聞かれました。

赤ちゃんは、まだ生きているのに。

「待ちます」

そう言って診察室を二人で出ました。

嫌いだった果物が食べたくてしかたなくて、この一週間イチゴばかり食べていました。

主人もそんなわたしを見て「つわりって不思議だね」と笑っていました。

赤ちゃん、帰っちゃうんだな。

おいしいごはん、食べさせてあげたくて。

きれいな景色を見せたくて。

いつ流産がやってくるかわからないけど、夫婦で旅行に行きました。

帰ってきて検診に行くと赤ちゃんの心拍は完全に止まっていました。

次の検診までに出てきたら、持って来院してくださいね。

持って…。

わたしの赤ちゃんはモノなのかな。

寂しくて悲しい。

産婦人科では日常なのだとは思います。

わかってはいますが、悲しかった。

次の受診でも赤ちゃんは出てきたくないようで、掻爬の日程が決まりました。

無理やり追い出すような気がして、ずっとずっと謝って過ごしました。 関連記事:もう次の「あと1週間待って」はない…上の子を抱きしめて泣いた、稽留流産の診断

それから8か月後。

赤ちゃんは再びわたしのお腹に宿ってくれました。

本当は怖くてしかたなかった。

また帰ってしまうんじゃないか。

そして6週。また茶色のおりものがありました。

絶望。恐怖。

3日後の7週の検診までがものすごく長かった。

結果は良好。

赤ちゃんはすくすく育っており、経過にも問題なし。

出血はよくあることだから大丈夫ですよ。

そう言ってもらって安心して帰った翌日、夜中の4時。

お手洗いの水が真っ赤に染まるほどの出血。

その後も出血は止まらず鮮血が流れ続け、夜用の生理用品が10分で重たく全面が染まる。

もうダメだと思いました。

病院に電話するとすぐ来るように指示を受け、主人の運転で受診。

赤ちゃんは元気でした。

ポリープからの出血で、止血処置をしましたが出血量が多かったため入院に。

看護師さんに、

「無事に産まれてきたら『こんな大変なことがあったのよ』って笑い話で話しなさい」

と言われ、少し怖さがほぐれました。

そのあたりから一緒に暮らしていた白猫の具合が悪くなり、安定期に入ってすぐ白猫は亡くなりました。

まるでわたしたち夫婦と赤ちゃんを守るかのように。

ずっと続いていた出血は止まり、赤ちゃんはどんどん大きく育ち、40週と5日で元気に女の子が産まれました。

その二週間後に祖母が亡くなりました。

たくさんの命に守られ、1歳になった娘は猫が大好きです。

いつかまた家族に猫を迎えられたらと思っています。 関連記事:ばあちゃんもがんばってる! 出産前日に意識不明になった祖母が息子にくれたもの

著者:ふくねこねこ

高齢出産ですが毎日楽しくすごしています。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

関連記事リンク(外部サイト)

思い描いていた「幸せな妊婦生活」とは真逆…私たちの十月十日は長い祈りの日々
ピコピコ光っていた、あの子。人の命のはかなさと重みを教わった最初の妊娠
喜びからどん底へ

赤すぐnet みんなの体験記の記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。