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「モーションキャプチャー」が結ぶ、シン・ゴジラと野村萬斎さんの関係

シン・ゴジラと野村萬斎さんの関係

最近の映画やゲームを見ると、CG(コンピューター・グラフィック)でつくられた人間や宇宙人やロボットの動きがあまりにスムーズかつリアルなのでビックリしてしまう。一体どうやってつくっているのだろう。と、不思議でならないあなた、まずは下の動画を見ていただきたい。答えは「モーションキャプチャー」にある。

画面右の女性ダンサーが踊っている動きにぴったりシンクロするように、画面左側のCGの少女も同じ振り付けで踊っている。これがモーションキャプチャーだ。実際の人間の動き(モーション)を特殊なシステムを使ってデータ化し、コンピュータに取り込んで(キャプチャー)、CGの動きに反映させるというわけだ。

モーションキャプチャーと聞いて、映画『シン・ゴジラ』を思い浮かべた人も多いかもしれない。そう、シン・ゴジラは狂言師の野村萬斎さんの動きをモーションキャプチャーを使ってCG化したものなのだ。昔はゴジラの着ぐるみに人間が入って演じたが、今はモーションキャプチャーを通して「演じる」というわけだ。とにかく今じゃ、SFやファンタジーものの映画でモーションキャプチャーを使っていないものはほとんどない。

モーションキャプチャーの仕組み

さて、上の動画『CatSong』を制作したのは、最先端のモーションキャプチャー技術を誇るMOCAP JAPANという企業だ。今回は、このMOCAP JAPANのCEOである青木和之さんにモーションキャプチャーの仕組みとワクワクする未来についてうかがってみた。

まずは、この動画『CatSong』で用いられている技術について、青木さんがこう説明してくれた。

「これはアクティブLEDというPhaseSpace(フェーススペース)社独自の技術を用いたモーションキャプチャーで、女性ダンサーの体のさまざまな部位に、LEDのマーカーが取り付けられています。このLEDは肉眼ではわからないほどの高速度で点滅していて、その点滅速度の違いによって、それが手なのか頭なのか、どの部位についているLEDなのかがわかるようになっているんです。これを周囲に何台も配置した専用のカメラで撮影し、コンピュータがそれぞれのLEDマーカーの位置をデータ化して、CGのプログラムに計算させているんです。実際、これはダンサーの動きをリアルタイムにCGで再生しているんですね」

つまり、縦・横・奥行きの3次元座標軸のどの位置に、手やつま先や頭といった身体の部位があるかを、高速点滅するLEDからコンピュータが瞬時に割り出し、その座標データをこれまた高速に処理してCGを動かしているというわけだ。

バーチャルアイドルが観客に反応する日

青木さんによれば、モーションキャプチャーの技術は、1990年代から現在に至るまでに、さまざまなタイプ(光学式、ジャイロ式、画像認識等)のモーションキャプチャーの技術が研究され、浸透してきたとのこと。

「それまではCGの技術者が膨大な時間をかけてつくっていた人間や動物の動きも、モーションキャプチャーを使えばその時間を圧倒的に短縮できるし、しかも自然でリアルです。しかも、今では動画『CatSong』で示したように、人間の動きをリアルタイムにCGに変換できるので、いろんなことが可能になりました。わたしが今、取り組んでみたいのは、バーチャルライブのステージでのモーションキャプチャーとVR/ARゲームの世界に進出するモーションキャプチャーと3Dスキャンとモーションキャプチャーの融合になります」(青木さん)

バーチャルライブのステージでのモーションキャプチャー

ライブのステージで、観客からは見えない場所にモーションキャプチャーのシステムを設置し、そこにアクティブLEDをつけた女性を立たせる。ステージに映し出されるバーチャルアイドルのCG映像とこの女性とは、モーションキャプチャーで結び付けられている。この女性が観客の反応に応えて、手を振ったり、観客を指さしたり、ジャンプしたりすると、ステージ上のバーチャルアイドルも同じ動きをするわけだ。つまり、これまではCG動画上映会にすぎなかったバーチャルアイドルのライブが、臨機応変に観客と掛け合いをするなどしてコミュニケーションできる、文字どおりの「ライブ」になるわけだ。

VRゲームの世界に進出するモーションキャプチャー

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