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TK(凛として時雨)、原田郁子、Ametsub、稀代の音楽家によるコラボがライブで実現

TK(凛として時雨)、原田郁子、Ametsub、稀代の音楽家によるコラボがライブで実現

 今年はソロプロジェクトでも精力的な活動が続いたTK(凛として時雨)が、12月22日に東京 恵比寿ガーデンホールでのライブイベント【L’ULTIMO BACIO Anno 16 “December’s Calling”】に出演。ステージ上でクラムボンの原田郁子、Ametsubとコラボするスペシャルなアクトを実現した。

それぞれのアクトの模様など計9枚

 ホットスタッフ・プロモーションによる大人の音楽系ディビジョン L’ULTIMOが行う冬のイベントとして、12月中旬より計7日間、同会場で行われた【L’ULTIMO BACIO Anno 16】。自然エネルギーの水力発電で創られた電力を使用したアコースティック形式の当イベントの中盤戦となったこの日も、当代随一の音楽家たちが集結。独自の“アコースティック・スタイル”を昇華させた無二の歌と演奏で、衝撃的な音楽体験を観衆に届けた。

<先の登場は原田郁子 with Ametsub>

 先の出演は、クラムボンの原田郁子。まずは小さなボディのガット・ギターを爪弾きながら、Fishmansのカバー「新しい人」よりライブをスタートさせた。ステージの向かって右手には、ラップトップを中心としたサウンド・システムの前に立つAmetsubが、夜明けにたゆたう朝もやを振動に換えたような音を鳴らしている。彼は坂本龍一の絶賛をはじめ、世界中のクラブ・シーンからも絶大な評価を獲得している稀代の音楽家だ。続く「WALKING IN THE RHYTHM」では、独特の間が心地よい絶妙のリズムで、原田郁子が生み出す音楽にさらなる彩りを加えていく。

 3曲目の「青い闇をまっさかさまにおちてゆく流れ星を知っている」からは楽器をグランド・ピアノに替えた原田が、より体温を感じられる歌と演奏を繰り出していけば、それに呼応してAmetsubは風や空、葉擦れや木々のざわめき、地鳴りや深海を想起させる様々な音色を幾何学模様のように何層にも重ねていく。やがて「あいのこども」「きみはぼくのともだち」と続くに連れ、神々しさすら感じるほどの領域まで到達していくと、最後はAmetsubがその名を付けるきっかけになった曲であり、“凛として時雨”の一文字でもある「雨」(クラムボン)を披露して、2人はステージを去った。

<ソロプロジェクトも精力的だったTK、ギター1本で芳醇なサウンドを展開>

 このイベントの副題には“December’s Calling”とあるが、こちらは2012年より毎年開催されているライブ・イベントとなり、TKが出演するのはこれで4度目。2016年は、凛として時雨では自主企画イベントとなる“トキニ雨”の全国ツアーを行い、ソロ・プロジェクト TK from 凛として時雨では、春にミニアルバム『Secret Sensation』、秋にはアニメ『91Days』主題歌に起用されたシングル『Signal』と3rdフルアルバム『white noise』をリリースするなど、精力的に活動してきたが、そんな1年の締めくくりに相応しいといえる1日になっただろう。

 ステージに現れるやいなや、先に原田も演奏していたピアノの前に座ったTKは、場内の空調の作動音まで聴こえるほどの静寂の中、音源でもピアノ弾き語りで収録されていたナンバー「tokio」を歌い始めると、会場を一瞬で自身の世界観に引き込んでいく。しかし、やはり彼の弾き語りライブの真骨頂は、その楽器をアコースティック・ギターに持ち替えてからだ。時折カットインされるテクニカルなフレーズも難なく弾きこなしながら、やまびこのように響く深いディレイや絶妙にゆらめくコーラス、ストリングスのように伸びやかな残響が加わるエフェクトなどを駆使して、たった1本のギターで信じられないほど広大なスケールの音世界を、観衆の眼前に繰り広げていくのだ。

<アンコールで3者コラボ実現>

 さらにはサポート・ピアニストの大古晴菜も呼び込み、曲ごとに新鮮な響きのサウンドで聴き手の聴覚により芳醇な歓びを与えていくと、前述の最新作『white noise』収録の「like there is tomorrow」では、力強いストロークの間を突き抜けてくる悲痛なハイトーンのボーカルで涙を誘う。終盤には2011年の国際フォーラム公演以来というガット・ギターを使用するファンにはタマらない一幕から凛として時雨の楽曲を続け、演奏後、TKは何故か舞台袖まで全力で駆け抜けて本編を締めくくった。

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