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蕎麦専門誌の編集者に聞く、大晦日までに知っておきたい【こだわりのそば】

美味しい蕎麦食べていますか? 年越し蕎麦や引っ越し蕎麦など、蕎麦は日本人とって身近で大切な食文化の一つです。巷で評判の蕎麦屋、流行り蕎麦メニュー……たくさんの口コミが日々更新されています。でも「旨い蕎麦とは?」と聞かれると上手く説明できません。 

 

 

そこで今回は、蕎麦専門の季刊誌『蕎麦春秋』(リベラルタイム出版社)の編集者、牧さんに蕎麦のディープな魅力について教えていただきたいと思います!

 蕎麦春秋
Fujisan.co.jpより

 

「蕎麦に関する書籍やムック本は数多くありますが、『蕎麦春秋』は季刊ながら定期的に発行されている日本で唯一の蕎麦の専門誌です。基本的には手打ち蕎麦を中心に取り上げていますが、企画によっては立ち食い蕎麦もフィーチャーしますし、立ち食い蕎麦店を紹介する連載ページもあります」

 

― 牧さんは、どのくらいから参加されているのですか?

 

「2011年から担当しているので5年ほど編集に携わっています。私自身は九州の人間で、蕎麦というと立ち食い蕎麦のようなものしかなじみがなく、手打ち蕎麦については全く知識がありませんでした」

 

― 手打ち蕎麦と立ち食い蕎麦※の違いって何ですか?

 

「一般になじみが深いのは立ち食い蕎麦だと思いますが、こちらは機械で打ったものです。多くの場合、蕎麦粉とつなぎ(小麦粉)の比率が半々であったりするなど、小麦粉の割合を高めています。これは低価格で提供するためですが、最近は立ち食い蕎麦でも蕎麦粉が100%だったりするものもあるので、一概には言えない側面もあります。ただ、それでも価格を抑えるために、中国などの外国産の蕎麦粉が使われていることが多いです」

 

 

「一方、手打ち蕎麦は国産のブランド蕎麦粉を使用するなど粉にこだわり、職人自らの手で打ちます。蕎麦粉100%の「十割蕎麦」、つなぎと蕎麦粉の比率が2対8の「二八蕎麦」といった具合に、蕎麦粉の比率が高いので、立ち食い蕎麦に比べて蕎麦自体の香りや風味をより楽しめるのが特徴。もちろん手間とコストがかかっているので、立ち食い蕎麦より値段が高いのは言うまでもありません」

 

― 立ち食い蕎麦に比べて、手打ち蕎麦はより高級で本格的ということでしょうか?

 

「そういう言いかたもできなくはないですが、立ち食い蕎麦にも多くのファンがいます。どちらが上とかではなく、手打ちと立ち食いは別物でそれぞれに楽しむべきです。手打ち蕎麦に話を戻すと、蕎麦粉の産地や職人の技術などによって、蕎麦の色や味、香りが変わってきます。その辺が手打ち蕎麦ファンのマニア心をくすぐるのです」

 

― なんだかワインやコーヒーみたいですね。

 

「そうですね。ワインにはソムリエ、コーヒーにはバリスタがいますが、手打ち蕎麦にも『ソバリエ』と呼ばれる人たちがいます。1992年に山形市がまちづくりの一環で、地元の蕎麦の魅力を伝える市民ボランティアの養成するために、『まちづくり市民会議』の制度の一環として『そば通アカデミー・ソバリエ養成講座』を実施したのが始まりです。代表的な団体としては『江戸ソバリエ』というのがあって、蕎麦に関する座学、蕎麦打ち、蕎麦の利き味、そして総合的な学習の成果をレポートにまとめ、その合格者には『江戸ソバリエ認定証』が授与されます。上級者向けの試験は超難関ですよ」

 

― なかなか奥が深いのですね。ところで、旨い蕎麦屋の見分けかたなんてあるのですか? 例えば、店構えや設えなどを見ただけでわかるとか。

 

「取材で多くの蕎麦店を訪れている身としては、そんな格好いいことを言ってみたいものですが、こればかりは実際に食べてみないことにはわかりません(笑)。確かに、手打ち蕎麦は単なる料理の味だけでなく、蕎麦を食べる空間や雰囲気も大事なので、老舗店のような趣のある店舗建物だといかにも旨いような気がします。しかし、昨今の蕎麦店のあり方は多種多様で、カフェのような店構えの店もあれば、自宅の一部を改修したような店もあります。外観から判断するのは難しいですね」

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