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「だまし絵」が脳トレに 錯視の第一人者が教える「脳への刺激の与え方」

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「だまし絵」が脳トレに 錯視の第一人者が教える「脳への刺激の与え方」

「なぜ錯覚を見ることが脳に刺激を与えるのか?」

「人はなぜ錯覚をおこすのか?」

このテーマでお話をしていただいているのが日本女子大学人間社会学部心理学科の教授・竹内龍人さんだ。

竹内さんは錯視の第一人者として、これまで数々の錯視やだまし絵をテーマにした書籍を出版。だまし絵を脳トレにした新刊『毎日[だまし絵]で脳トレ』(扶桑社刊)が書店に並んだばかりである。

インタビュー後半では、「見方や視点を切り替える」ことの重要性について語ってもらった。この本には、竹内さんの「だまし絵」脳トレのヒントに「切り替える」という言葉が出てくる。それは一体どういうことなのか?

■「見方を変える」とは、考えて別の「解釈」を探ること

――インタビュー前半で「視点を切り替えることが脳トレになる」というお話をされていました。「だまし絵」のクイズを解くヒントの部分にも「見方や視点を変えて」と書かれていましたが、実際にやってみても、切り替えがなかなかできないこともありました。それはなぜなのでしょうか。

竹内:無意識による思い込みをしているということなんですよね。このような図形があるとしましょう。何に見えますか?


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――○(円)と□(長方形)が重なりあっているように見えます。

竹内:そう見えますか? では、これをバラしたときに、正方形だと思っていた図形が実は一部分だけ欠けていて、そこに円がぴったりはまっていたとすればどうでしょうか?

――最初に重なり合った図形を見たときに、こうなっているとは想像できませんでした…。

竹内:多くの錯覚は、私たちがある一つの「解釈」にこだわってしまうから起きているのです。ですから、その「解釈」をあえて崩して切り替えてみてみることが「視点を切り替える」ということなんです。

――「解釈」の幅を広げるということですね。

竹内:そうです。普段はいつものように「解釈」していてもいいんですよ。余計なことを考えて脳のリソースを使う必要はありません。

ただ、機械的に処理してリソースをずっと使わないというのも問題です。だから、思い込みから抜け出すだまし絵は脳トレのようなところがあるんです。

――『毎日[だまし絵]で脳トレ』の中に、ある一枚の絵の中に何かが隠れているというクイズが出てきますが、視点を切り替えて別の見方をすることを意識しないとわかりませんね。

竹内:いつもと同じように見るのではなく、絵を近づけたり、遠ざけたりしたり、注目する部分を変えたりしながら見なければ、何が隠されているのかは分からないと思います。

思い込みから抜け出して、違う見方をしてみようとする。それが脳の処理能力に結びついていくということなのだろうと思います。

――まさに「だまし絵」はリアルな脳トレとも言えます。こうした錯覚は普段の生活でも気づけるものなのでしょうか?

竹内:例えば、縦縞のほうが横縞よりも長く見えるというのも錯覚です。ファッションやデザインの分野では応用されていることが多いですね。錯覚って特殊なものだと思いがちですけれど、そうではないんです。

――「だまし絵」は毎日見るべきですか?

竹内:刺激は強すぎても良くないし、弱すぎても意味がないので、適度に楽しみながらやっていくことが大事だと思います。本書では1日2問という構成にしていますので、これを毎日コンスタントに続けていくことで「視点の切り替え」の意識は身に付いていくと思います。

――お聞きしたいのですが、本書を読んでいて自分で錯視図形を作りたいと思いました。それは可能ですかか?

竹内:もちろん作れるし、錯視図形は思いがけず作ってしまった例も多いように思います。

例えばシュブルール錯視という、ベタ塗りした図形をグラデーションのように配置していくと、その図形の境目付近にムラができているように見えます。隣接した図が、相対的に暗い図のほうが実際より暗く見え、明るい図のほうは実際より明るく見えるのです。これはシュブルールという石鹸の研究者が見つけたものです。

以前、子どもから「なんでこうするとベタ塗りのはずなのにムラができるのか?」という質問を受けたときにもシュブルール錯視が発生していたんですね。だから錯視の研究者ではない人が偶然発見してしまうこともあると思います。

――では最後に、『毎日[だまし絵]で脳トレ』をどんな人にチャレンジしてほしいですか?

竹内:脳トレということもあるので、中高年の方々はもちろんですけど、子どもにもいいと思います。見るのも楽しめるし、脳を使ってほしいですね。これを毎日の習慣にして、普段使っていない脳を活性化してください。

(了)

■竹内龍人さんプロフィール

日本女子大学人間社会学部心理学科教授。

1964年米国生まれ。京都大学文学部心理学専攻卒業。カリフォルニア大学、NTT研究所を経て2011年より現職。視覚や記憶、学習方法に関する実験心理学的研究や脳科学的研究に取り組む。錯視・だまし絵関連の著書多数。その他の著書に『脳をその気にさせる錯覚の心理学』(角川SSC新書)、『実験心理学が見つけた超効率的勉強法』(誠文堂新光社)など。

■「だまし絵」に挑戦! 『毎日[だまし絵]で脳トレ』試し読み

http://fusosha.tameshiyo.me/9784594076146

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