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『KILLING TECHNOLOGY』 BUSY P(Pedro Winter), Melchior Tersen, and Nicolas Poillot Interview

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Justiceを擁するEd Banger RecordsのオーナーであるBUSY P。彼が立ち上げたHead Banger Publishから、フォトグラファーMelchior Tersenによるアートブック『KILLING TECHNOLOGY』がリリースされた。メタルのパッチ、そしてそれらをコラージュしたハンドメイドのジャケットを纏った若者たちなどをMelchiorが独特の視点と熱量で切り取り、Etudes StudioのNiclolas Poillotがスタイリッシュにまとめあげた、メタルファンならずとも唸らせられる実にクールな1冊だ。サイイングのためにBonjour Records THE PARK・KING GINZAを訪れた3人に、Ed Banger Recordsのレコードを愛してやまないDJ/トラックメイカーのLisa Chrisがインタビューを試みた。

——とても仲が良さそうですが、みなさん一緒に出かけたりはするんですか?

BUSY P「まあね。僕はガールフレンドがいるから、彼女といる時は彼らから離れてるけど(笑)、Melchiorは写真撮影で忙しいし、僕はずっと旅をしている。皆忙しいんだよ。NicolasもEtudes Studioのパブリッシング、ヴィジュアルの仕事で忙しいしね。Etudes Studio、知ってる? パリのファッションブランドで、僕も大好きなんだよね。あのブランドのヴィジュアルとコンセプトが好きなんだ。だから、Nicolasをアート・ディレクターに選んだ。今回の本をプロデュースをする時にアイデアがありすぎたんだけど、彼が全てを上手く消化させて、本に落とし込んでくれたんだ」
Nicolas「そう、僕がオーガナイズしたんだよ」

——パリの若い人たちは、皆この本に出てくるようなスタイルの服を着ているんですか?
Nicolas「いや、メタルのフェスなんかでは皆こういう格好をしているけど、ストリートでは違うね」

ーーDo you guys hang out?

B: Yeah but I have a girlfriend. So I stay away when I want to be with my girlfriend. Haha. But Melchoir is doing a lot of photography and I’m traveling a lot. So we all are busy. Nicolas is doing all the publishing, and visuals for Etudes Studio.

ーーReally.

B: Yeah. Do you know Etude Studio? It’s like a fashion brand in Paris. I like the brand. I like the visual and the concept. So when we produced the book, I needed a art director because I had too many ideas. But Nicolas took all of them and digested to the book.

N: I organized.

B: Yeah. (showing the book)

ーーDo many kids in Paris wearing these kind of style?

N: No. At festivals or something like that, yes. But not on the street.

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——そうなんですね。あなた達にとってこの本の魅力とは?

BUSY P「この本の魅力か……この本のタイトルは『KILLING TECHNOLOGY』っていうんだけど、この名前が気に入ってる。Voivodっていうバンドのソング・タイトルからつけているんだけど、このタイトルには、自分たちが今の時代になっても”ホンモノ”をプロデュースしている、という意味を込めている。今の時代、音楽は使い捨て、本やマガジンも使い捨てみたいな生産のされ方をしている。だから僕の出版社では、僕が音楽でやっているのと同じように、新しいアーティストたちをフォローして、彼らに何か実質的でリアルなプロジェクトをクリエイトする機会や可能性を与えているんだ。特に今回のようなプロジェクトに関しては、すごくビッグなものを作りたかった。この本は500ページ以上あって、すごく重いんだ。辞書とまでは言わないけど、この中に詰まっているものはホンモノでありながら、且つミニマルでもある。文字もないから、世界の全ての人が理解することが出来るし、自分なりの解釈が出来る内容でもあるんだよ。この本を作ったのは、それが目的だったんだ」

Melchior「それに、本って自分たちよりもずっと長く残るものだろ? 僕たちが死んだって、本は生き続けるからね」

BUSY P「そうそう」

Nicolas「地下鉄で5分だけ目を通して、帰ったらそれをテーブルに置いて、一ヶ月後、一年後、また自分が開きたいと思った時に開くことが出来る。そして、開く度に新しいインスピレーションを受けて、新しい情報を得ることが出来るのがこの本なんだ。だから僕は、これでもかってくらい分厚い本って好きなんだよね。エクストリームだし、リスクでもあるけど、それが何か特別なものを作り出すんだ」

ーーWhat do you like about the book?

B: What I like is… The name of the book is ” KILLING TECHNOLOGY”. I like the name. The name is from a song by a band called Voivod. But the name means that we’re still producing the real stuff. Because today, music is disposable, books are disposal, and magazines are disposal, too. So with my publishing company, like what I do with music, I want to follow new artists and give them possibilities to create contrite and real projects. And for this kind of project, we wanted something big. It’s more than 500 pages. Heavy. Like, not a dictionary but there’s not like, it’s real, and still minimal. There’s no text so everybody understands, and can have their own interpretation. That’s why I wanted to make a book.

M: And also, books will live longer than us. When we’re all dead, book will be still alive.

B: Yeah.

N: You can read 5 minutes on subway. And then you can put it on a table and open it one month or one year later again. And every time you open it, you get new inspiration and new information. That’s why I like the idea to make an oversized book. It’s extreme. It’s a risk but makes something special.

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——うん。これはアートですよね。

BUSY P「そう。僕は、ただアートとしての目的だけで作られたアートは好きじゃない。僕が好きなアートは、何かメッセージが込められたものなんだ。ちょっと民主化されたもの。それが僕が思うアートだね。メタルのファンじゃない人たちでさえもこの本を面白いと思ってくれたら、それが嬉しい。皆それぞれが様々なことに興味があるから、僕たちはそれをシェアすることが出来るんだしね」

——これは全てあなたのアイデアなんですか?

Melchior「プロジェクト自体はそうだよ。でも、本はチームワーク。もしこれを一人で作っていたら、違う内容の作品が出来ていただろうね。ここまで質が良く美しいものは出来ていなかったと思う。日本に来て、こうしてインタビューを受けてもいなかったかもね」

——一人で作業するのと、チームで作業するのは全然違いますか?

Melchior「スタイルが違う。他の人とコラボするのは今回が初めてだったんだけど凄く良い経験だったよ。実現することが出来て嬉しいね」

——その経験を通して、何か新しい発見はありましたか?

Melchior「もちろん。自分自身が進化出来たと思う。自分のテリトリーを広げることが出来たからね。僕は普段は孤独なアーティストなんだけど(笑)、今回は初めて自分のドアをより広い世界に向かって広げたんだ。Nicoと一緒に作業するのは、アイデアが本当に沢山あったから、まるで花火を次から次に打ち上げているかのようだった。クレイジーだったよ。でも、誰かと一緒に作業が出来たのは本当に有り難いことだった。自分が出版した本ではあるけど、自分でも買いたいと思える作品が仕上がったんだ。なにせ、僕がこの本の一番のファンだからね」

——お気に入りのページはありますか?

Melchior「選ぶのはすごく難しいね」

BUSY P「500ページ全部だな」

Melchior「そうだな」

Nicolas「本全体がカルチャーについて語っているんだ」

ーーIt’s an art.

B: Yeah. i don’t like art when it’s just for art. I like art which talk about things. A little democratization.
That’s what I think. If people who are not a fan of metal get interested in this book, it’s good. Everyone is interested in different things but we can share.

ーーIs it 100% your idea?

M: The project, yes. But the book is team work. If made it alone, maybe it would have been different. Not as good and beautiful. I wouldn’t be here in Japan and talking to you.

ーーSo working as a team is totally different from working on your own?

M: It’s a different style. It was my first time to work with other people. It’s a great experience. I’m happy.

ーーDid you discover anything new through working with other people?

M: Yeah sure. I progressed. I expanded my territory. I’m usually a lonely artist (laughs), so this was the first time for me to open the door to the world. Working with Nico was like lighting fireworks one after another because we had so many ideas. It was crazy but it was also pleasure to work with someone. I’m the one who published the book but I’ll but the book because I’m the no.1 fan of the work.

ーーIs there any favorite page of yours in this book?

M: It’s too hard to choose.

B: All 500 pages.

M: Yeah.

N: The whole book talk about culture.

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——メタル・ミュージックやスタイルに興味を持ち始めたのはいつ頃ですか?

Melchior「高校の時かな。兄弟がギターを弾いていてね。僕は楽器は演奏出来なかった。僕って色々なことが不得意なんだけど、何か自分でやろうと思えば出来るものさ。そこで僕と友達は、メタルのライヴで写真を撮り始めたんだ。そこでメタルカルチャーと写真を同時に見つけたんだよ。メタルのプロジェクトを意識的にやろうとしたわけじゃなく、全ては常に自然の流れで起こったんだ」

——(Busy PとNicolasへ)あなたたちもメタルからインスパイアされていますか?

BUSY P「そうだね。特に80年代にMTVで流れていたメタルからはインスピレーションを受けているよ。メタリカとか、ガンズ・アンド・ローゼスとか。90年代初めには、スケボーをやっていたから、もっとパンクロックにハマり出した。サウンドは違うけど、世界は同じだと思う。最初に音楽を好きになって、それからスケボー、そしてもちろんグラフィックにハマっていった。
僕自身、メタルやモッシュが大好きというわけではないけど、メタルのヴィジュアルやあの激しさは好きなんだよね。例えばミスフィッツ。僕はミスフィッツの大ファンじゃないけど、彼らの哲学が好きだし、Tシャツだって着れる。
彼らに共感するのに、彼らの音楽を全て知っている必要はないんだ。この本では、沢山のヒップホップのキッズ達がスレイヤーのTシャツを来てるんだけど、彼らは多分、そんなにスレイヤーの曲を知らないと思う。でも、僕はそれでもいいと思う。彼らがそのTシャツを着たいなら、それはクールなことさ。この本も、スペシャリストやヘビメタのファンのみに向けられたものじゃない。この作品は、様々な人々が繋がりを感じられる作品なんだ。男子、女子、それからヘビメタを全然知らない人たち。この本からミスフィッツを知って、その日スポティファイで彼らの音楽をチェックするかもしれないしね。彼らのメタルへのドアを開ける役目を果たすのがこの作品なんだ」

Nicolas「僕もメタルにはそこまでハマってはいない。ティーンの時は、もっとラップ・ミュージックにハマっていたからね。でも、メタルの美学は大好き。クレイジーで深いから。皆、毎日新しい発見があると思うんだ。全てのタイプの音楽がそれぞれ独自の美学を持っている。メタルは、そのなかでも確実にそれを持っていると思うね。それが、ファッションやヴィジュアルに広がっているんだ」

ーーWhen did you get into metal music or style?

M: High school. My brother was a guitar man. As for me, I don’t play instruments and I’m really crap at a lot of things. But you can make something and it’s possible. My friends and I were taking pictures at metal shows. So I’ve discovered the metal culture and photography at the same time. It wasn’t like I decided to make a metal project. It always happened naturally.

ーー(to P and Nicolas) Does metal inspire you guys as well?

B: Yeah. All the metal culture especially the end of the 80′s like on MTV shows. such as Metallica and Guns N’ Roses. Then early 90′s, I went into a bit more like punk rock because I was doing skateboarding. That’s different type of sound, but still in the same world. First, I liked the music, and then skateboarding, then of course graphic.
I wasn’t so much into metal or mosh. But I liked the visual and the intensity. For example, Misfits. I’m not a big fan of Misfits. But I like their philosophy and I could wear the Misfits T-shirt. I don’t need to prove that I know all of their music. In this book, a lot of hip hop kids are wearing Slayer T-shirts.
They might not know Slayer music but I don’t judge. If they want to wear the T-shirt, that’s cool. So this book is not only for specialists or heavy metal fans. I think this is going to be attached to different people. Boys, girls, and people who don’t know anything about heavy metal. But maybe they see this book, get to know about Misfits, and go spottily to listen to their music. This book could open their door to metal.

N: I’m not pretty into metal. When I was a teenager, I was more into rap music. But I really like the esthetic of metal. It’s crazy and detailed. You just discover new things everyday. Every type of music has its own esthetic in a way, and I think metal totally has it. And it expands fashion and visual.

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——高校の頃からのそのパッションを、どのようにして維持しているのですか?

BUSY P「フランスの音楽シーンでもう20年の間DJをやってるけど、もし退屈したり、全てをやりきったと感じてしまっては、僕はもぬけの殻になってしまうだろうね。東京にだってもう15回来てるけど、初来日の時と同じくらい今回だって興奮してる。つまり、興奮が人生のカギなんだ。あと、愛のカギでもある。もしガールフレンドの目から興奮が消えてしまっていたら、それは良くない兆候だね(笑)。
情熱を維持するための秘密なんてないよ(笑)。生まれた時からこうなんだ。パッションや寛容さを持つ事、自分がやりたいことを楽しむこと、そして自由に活動することは、アンダーグラウンドのカルチャーに属しているからこそ可能なんだと思う。僕は、自分たちがサブカルチャーの一部だと思っているんだ。メインストリームのことは気にしない。アンダーグラウンドのカルチャーにいることで、自分がやりたいことが出来ているんだと思う。もし会社が今回のようなコンセプトのような本を作りたいと言えば、僕たちはお金のことなんて気にしない。ただ、ベストなものを作ろうとするだけさ。お金は儲からないかもしれないけど、それはどうでもいいんだ。夜寝る時に、ベストな作品が出来たと思って眠りに着く事の方が大切だからね。しかも、それを作ったのが自分たちだというのが特別なんだ」

——今、フランスで一番熱いスラングは何ですか?

BUSY P「”QLF”かな。”Only The Family”(家族だけ)って意味なんだけど、フランスのラップ・デュオ、PNLがよく歌っている言葉なんだ」

Nicolas「フレンチ・ラップは、今良い時期を迎えていると思う。PNLは、アメリカでも有名なんだよ。クレイジーだよね」

——Justiceのニュー・アルバムが出ましたが、今後の動きを教えて下さい。

BUSY P「そうそう、Ed Bangerにとって、今はすごくエキサイティングな時期なんだ。来年は14周年のアニバーサリーを祝うし、今年はビッグ・イヤーで、Breakbot、Cassius、Mr.Ozio、そしてJusticeのリリースがあった。それに、新しいEd Bangerのコンピも作っているし、個人的にはBUSY Pのレコードも仕上げているところなんだよ。楽しい年になるだろうね」

ーーHow do you guys keep the passion from high school alive?

B: I’ve been DJing in French music scene for 20 years. If I got bored or felt I’ve done everything, I’ll be dead. I’ve been 15 times in Tokyo but I still get excited as I felt on the first time. So excitement is the key of life. And the key of love as well. If you’re with your girlfriend and don’t see excitement in her eyes, it’s not a good sign (laughs).
There’s no recipe or secret. I was born this way. I think that passion, generosity, and enjoying what you do, and being free to do what you want, belongs underground culture. I feel we’re part of subculture. I don’t care about mainstream. Being underground is just being able to whatever you want. When my company decides to make a book like this, we don’t think about money. We just say let’s make it the best. We’re losing money but we don’t care. Because at night when we go to sleep we have this book and I can feel this is the best book and we made it.

ーー What is the hottest slang in France at this moment?

B: I’d say QLF, which means “Only The Family”. There’s a french rap duo called PNL, and they keep singing QLF.

N: Now is a great time for French rap. They’re famous in the states too. It’s crazy.

ーーJustice’s new album is coming. What is next?

B: Yes. It’s really exciting time for Banger because next year we’re celebrating our 14 anniversary. And this year was a big year because We had Breakbot, Cassius, Mr. Ozio, and Justice. So really exiting. And we’re working on the new Ed Banger compilation, and I’m finishing Busy P’s record as well. It’s gonna be fun.

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『KILLING TECHNOLOGY』
(HEAD BANGER PUBLISHING)
http://www.killingtechnology.com

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BUSY P
http://www.edbangerrecords.com/site/busy-p/

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Melchior Tersen
http://melchiortersen.com/

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Nicolas Poillot
https://blog.etudes-studio.com/nicolas-poillot

photo Wataru Fukaya
interview Lisa Chris & Ryoko Kuwahara
edit & text Ryoko Kuwahara

カテゴリー : 生活・趣味 タグ :
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