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受動喫煙防止の切り札にも!?タバコによる影響を生々しく再現するハーバード大学のマシーンがスゴイ

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Harvard smoking machine 01

受動喫煙はたびたび問題視されているものの、タバコが自分自身および周囲の人々の身体にどう影響をもたらし得るかについては、日々の生活の中では実感しにくい。

そんななか、喫煙により身体が蝕まれる様子を生々しく再現するマシーンが米ハーバード大学Wyss Instituteの研究室に登場した。

・チップで人間の喫煙行動を読み取り、生物学的影響へと変換

Harvard smoking machine chip

人間のようにタバコをふかし、マイクロ流体チップの穴に煙を流し込むマシーン。

その穴は人間の生きた気管支上皮と繋がっており、気管支上皮ではタバコの煙や新鮮な空気が出たり入ったりしている。チップを通じて観測された呼吸パターンや喫煙行動は生物学的影響へと変換される仕組みとなっている。

ちなみに、気管支上皮は健康な人および“タバコ病”として知られる慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者より採取したものである。

この一連の流れを通じて、喫煙者の体内にて起こっている喫煙関連の病理変化への理解を深めるとともに、COPDのバイオマーカーを正確に把握し、新治療法の発見へとつなげることが可能となる。

・健康な人、COPD患者の気道の反応の様子を細胞レベルで比較

この喫煙マシーンでは、健康な人およびCOPD患者の気道の反応の様子を細胞レベルで比較することも可能だ。

健康な人間、COPD患者の気道を構成する細胞組織が、タバコの煙に晒される前後でどう変化するかが一目で判るようになっている。

健康な人間の細胞では、どの細胞のタイプ、どの細胞機能、そしてどの遺伝子が喫煙関連の被害をもたらし得るのかを見る。一方、COPD患者においては、症状の悪化を捉え、患者特有の病気因子を特定する。

従来の臨床試験の”不可能”が”可能”に

本来、標準的なヒトの臨床試験において、喫煙歴のあるCOPD患者と喫煙歴のない健康な人を比較することは人道的観点からも難しいとされてきた。

病歴やバックグラウンド、タバコの煙の曝露パターンが患者ごとに異なることも理由のひとつとして挙げられる。

従来の臨床試験ではマウスなどの動物モデルが使用されているが、動物は基本的に鼻で呼吸をしており、炎症反応も人間の場合と大いに異なるため、人間の喫煙行動へと反映されない可能性が高い。

こうした臨床試験における”不可能”を”可能”にしたのがハーバード大学の喫煙マシーンというわけだ。

Wyss Institute, Harvard University

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